1シーズンごとに大体10本弱ほどアニメを見る。
そのうち、最後まで見るのは半分の5本程度。
そんなアニメ視聴スタイルを5年以上続けてきている。
リアルタイムで試聴することはない。すべて地上波とBSの録画を一人で見るのみ。
アニメの感想を書くことはほとんどない。
テレビアニメを見ることは、水を飲むことに近い感じがある。
コップがいくつかある。1週間ごとに水が満ちるので飲む。
毎日飲む水に対してうまい、まずいを言うことはない。
うまい水が満ちるコップの水は飲み続ける。
まずい水、自分の好みと違う水が満ちるコップの水は、自然と飲まなくなる。
稀に「うまい」か「まずい」かを口にすることがあるとしたら、それは水の味が自分の予想を裏切ったとき。
今までの経験と異なる体験、違和感を感じたとき。
そんな意外性の経験は蓄積されて、ますます感想を口にすることはなくなっていく。
稀にアニメの感想を楽しそうに語る人と話をすると気後れしてしまう。
そのアニメが好きなんだ。うん、見てるよ。結構いいよね。(特に言うことないよ)
そのキャラが好きなんだ。うん、わかる。強いてあげるならあのキャラが好きかな。(どの子でもいいよ)
視聴しているアニメの情報量は変わらない割に、情報に付随する感情の密度に圧倒されてしまう。
こっちは何も考えずに水を飲んでいるだけなんだ。
感想なんて絞り出そうにも出てきやしない。
……そして話は盛り上がらない。
彼ら彼女らはどういう感じでアニメを味わってるのかなぁ。
水じゃないのは確からしいけれど。