下記の記事を書いてから1ヶ月ほど経った。
この記事ではこのクライミングシューズを履き続けた個人的な感想を書いていく。
硬すぎる
硬い。マジで。シャレにならないくらい。どうしようもなく。
硬すぎて1ヶ月以上経ってもまだこの硬さに慣れない。
硬いせいで何かができない!ということはない。
(唯一あるとすれば、深いキョン、ドロップニーをする際に爪先がずり落ちやすいくらいか)
他のシューズで登れる課題がこのシューズだと登れない、ということもない。
使い勝手が良い。トゥはよく引っかかるし、ヒールの効きは抜群だ。
ただ、慣れない。
硬くて足先の感覚が鈍く、「踏んでる、かかってる」感覚が薄い。そのせいで「うまく足が使えてるぜ!」のような充足感がない。
踏む場所がよくわからない割に、どこで踏んでもよく効く。なので不思議というか気味が悪いというか……納得がいかない。
何かしっくりこない。
「頼むぜ相棒!」みたいな感覚が薄いのだ。
レスポンスが悪い。OKを伝える声も小さければ、NGを伝える声も小さい。
これが足先の感覚が良くないっていうことなんだろうか。
たぶん……いや確実に自分は硬いシューズが性に合ってない。
これがもう少し使っていけば改善していくのか……その兆しがあまり見えないのが辛い。
あと最近気づいたのだけれど、このシューズを絶賛している人の多くは体重が重めだ。
70キロを超えている人が多い。
体重が重いと足先にかける重さも増え、硬いソールでも足指感覚へのレスポンスが良くなるのかもしれない。
2016年の11月初旬にはクライマー待望の「スカルパ インスティンクトVSR」が日本で販売予定となっている。
スカルパ インスティンクト VSR 先着でTシャツプレゼント クライミングシューズ SCARPA instinct vsr
- ジャンル: スポーツ・アウトドア > アウトドア > その他
- ショップ: ボルダリングプロショップQRiMo
- 価格: 19,440円
これはVSの硬いソールをやや柔らかめ(業界的に言えばまだ硬めの部類)のソールに変更したものだという。
販売開始を待ち望んでいる声をよく聞く。
こっちを待ったほうが良かったかな……?
伸びない
ホームジムのスタッフの「まあぼちぼち伸びますね」という言葉といつもの感覚に従って少し攻めたサイズを買った。
全然伸びない。未だに買ったときの新鮮な履き心地。
新鮮すぎて足の指が痛いよ!
登るときだけ履いても、2時間もすれば嫌気が差してくる。
アドバイスをくれたスタッフは2~3段を登るような外岩メインの人で、この硬いシューズを3ヶ月で1足履きつぶすような人だったので、素直に参考にしたのが不味かったのかもしれない。
なので購入する人は伸びないことを前提にサイズ合わせをしたほうが良いと思う。
ヒールの効きはやっぱり文句なし
ヒールについては前の記事でも絶賛したけれど、使い続けてもこの魅力が色褪せることはなかった。
ガンガングイグイ引っかかる。
ヒールについている分厚いゴムが大きな要因かもしれない。引っ掛けすぎて伸びて隙間ができている。
長く愛用している人も同様の壊れ方をしていた。
ここが壊れたら直せるのだろうか……。
不思議なものでインスティンクトVSでヒールがかかる!という感覚を覚えたら他のシューズ(ソリューションW's)でも同じようにヒールをかけることができるようになってしまった。
ヒールのかかりが良いというよりも、ヒールのかかる感覚を実感するのが良いと表現したほうが良いのかもしれない。
そういう意味で、ヒールを使うムーブを上達させたい人が使うと良いのかもしれない。
小さなホールド(ジブス)に乗りやすい
硬く尖ったソールが特長だけあって、小さなホールド(ジブス)に乗っても抜群の引っかかり。
他のシューズならドキドキして乗るようなホールドに対して、ずさんに爪先を叩き込んでも滑らない。(硬い影響でずさんに運びすぎたせいで弾かれるときもある)
クライミングシューズを購入してこれが3足目。
これほどジブスに対して無頓着になれるシューズはこれが初めてだった。
まとめ
硬くて尖ってるメリット、それに対するデメリットが大きいクライミングシューズという印象が強い。
この硬さがソールに起因する特長なのか、それともシューズの形状やシャンク(靴底の形を保つ芯材のこと)を含めた特長なのかはよくわからない。
ソールの特長ならリソールをすれば変わるかもしれない。その代わりに硬くて尖ってるメリットがなくなってしまうだろう。それはそれで悩ましい。
一番不思議で納得がいかないのはインスティンクトVSを使い込んでいくほどソリューションの使い方が上達して、良さがわかっていくことだった。
インスティンクトVSを履いて登った後にソリューションで登ると、爪先が痛い。
ソリューションの柔らかさだと痛く感じるほど爪先に体重をかけているせいだろうと思う。
その感覚のままソリューションを使うとソリューションの足先の感覚がさらに鋭敏化して、使い勝手が向上する。ヒールもなぜかかかるようになる。
まるでインスティンクトVSがソリューションの前座というか、引き立て役をこなしているようで悔しい気がする。
インスティンクトVS特有の良さを引き出して登りたいのに。ソリューションのだしにしたいわけじゃないんだ。
こんなことを感じているということは、まだまだこのシューズの魅力を引き出せていないからなのかもしれない。
不器用さここに極まれり。