ムイ

もはやクライミング日記

2017/06/18 敦賀海の岩場

曇り時々晴れ、気温25℃強。風なし。

敦賀の海の岩場で外岩リードをしてきた。

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海沿いでのクライミングは初めて。

漁港に着くと真正面に高速増殖炉もんじゅが見える。

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門ヶ崎の展望台を目指してアプローチ開始。

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途中にある柵を乗り越えて岩だらけの岬に降りる。

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最初は手前の岬を乗り越えるルートでアプローチしてしまった。

別に問題があるわけではないけれど、トポ通りに下からアプローチしたほうが楽。

ただ、波がキツイと大変なのでケース・バイ・ケースで。

 

広場とトポには書いてあるものの、岩だらけ。

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うっかりカラビナを落とすと回収できなさそうなので注意。

海辺ということもあって遠目から見てもペツルのボルトにうっすらサビが浮かんでいるのが見えた。

この岩場のルートが開拓されたのは2010年頃らしい。おおよそ7年前。

ボルト自体に問題はなさそうだけれど、それよりも岩の風化が凄まじい。

花崗岩?が海風によって激しく風化を受けており、ひどく尖ってザラザラしていた。

最高のフリクション

薄く尖ったガバやアンダーガバが多く、いつ崩壊してもおかしくないようなところがいくつもあった。

乗っている結晶が崩れたり、ポロポロと小石がビレイヤーに落ちてくるのはもはや当たり前。

 

まずは一番簡単なカモメのジョナサン 5.9-をアップがてらに挑戦。

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ゴール前のハイステップが少しだけ怖い。オンサイト。

終了点の様子が全くわからないのでどのルートも経験豊富な方に先行してもらった。

ここの終了点は右隣にあるカモメの水兵さん 5.9、そしてその左にあるネット上のトポにないルートと共通。

トポにないルートは凹角のチムニーのようなところを上がる。ムーブ解析が楽しめそうな5.10a/bぐらいのルートに見えた。(登ってないので不明)

終了点はペツルのボルト2つに残置スリング、残置カラビナ2枚。ボルトが緩んでいたので締め直した。

残置カラビナはもうゲートが動かないものばかりだった。

 

続いて剣尾根のCoconut 5.10aに挑戦。

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ほんの少しカチに耐えるだけ。オンサイト。

ここのグレーディングは1つ落として考えたほうがいいくらい簡単なものが多い。

風化具合を考慮したものなのかな?

あと、どのルートも1ピン目までが遠いので注意。

終了点は同様にペツルのボルト2つ、残置スリング、残置カラビナ2枚。

 

一休みを挟んで奥壁にあるSpider Silk 5.10a/bに挑戦。

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とにかく長い。ピン間隔も長い。下から見えないけど上はスラブ。スラブ過ぎて手は疲れないけれど足が疲れる。オンサイト。

このルートではロワーダウンで60mロープをほぼ使い切った。50mロープだったら降りれなくなっていたところだった。

終了点はペツルのボルト2つ、ボルトに残置カラビナ2枚ずつ。残置カラビナのゲートは開いたまま、あるいは閉じたまま動かないものばかり。

 

ここまで登ると岩場の全景が見える。美しい。

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遠目で見るとツルツルなのだけれど……実際はどこもソールを削るザラザラ具合。

 

次はトンネル横のフック船長 5.10bに挑戦。

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クラック沿いやその隣のフレークでレイバックを決めて上がっていく。オンサイト。

ここの終了点が怖い。完全に錆びて細くなったリングボルト3本に残置スリングが2本、残置カラビナ1枚。隣の岩に残置スリングが1本まわしてある。

ロワーダウンが危なそうなので、初めて懸垂下降で回収して降りた。

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セルフビレイを取って、ロープを引き上げて、ビレイデバイス(ペツルのルベルソ)に通して、プルージックをつけて……。

習ってはいたけれど、一から自分だけで実践するのは初めて。勉強になった。

 

最後にカモメの水兵さん 5.9に挑戦。

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個人的にはこれが一番難しかった。微妙に遠かったり、迂闊にハイステップを決めるとバランスが取れなかったり。オンサイト。

 

他のルートについてもちょっと紹介しておく。

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岬巡り 5.10aは写真正面の壁からスタート。1ピン目が遠い。終了点がよくわからない。

白影 5.10bは側面の左側、七つの海 5.10a/bは側面の右奥を岬巡りからつなげて登るルートに見える。

長方形の岩盤にあるフェースを登るのが楽しそう。

ただ、七つの海はB10とあり、高さも前述のSpider Silkとほぼ同じ。壁面をまたぐこともあって60mロープで足りるのか心配。

 

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ポセイドン島正面にある斜上クラック TRはボルトが打ってあるのでリードで楽しめる。登った人によると5.8くらいだとか。

The Poseidon Adventure 5.11aはテラスから左にトラバースした後、ハングの左フェース部を抜けて左側面を直上……のはず。テラスからビレイするのかな?

写真を見るにトポに書いてあるB7の倍ほどボルトがある。終了点に残置はなし。

回収が大変そう。何か間違っているような……。

島の裏側にはWave Power 5.10c危機一髪 5.10dという課題もある。

ただ、アプローチが大変そうなので見に行っていない。

残した課題はまだまだあるのでいずれはリベンジしたい。

 

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最近になってようやくルートを見る目がついてきたような気がする。

初登者の意図がルートやボルトを通してわかるようになってきたというか。

ここにボルトがあるならたぶんここが良いはず、このグレードならこんなところを保持するはずがない、もっと良いところ、良いムーブがあるはず……など。

単純に言うなら経験が増えて、余裕が出てきたということなんだろう。

 

ようやくルートクライミングの入り口に立てた。

それと同時に、もっと楽しめるようになった。

 

もうシーズンも終わりだけれど、この調子で怪我なく経験を重ねていきたい。