晴れのち曇り。
風がやや強くて薄着では肌寒く感じる中。
……結構波乱な一日だった。
獅子岩に来るのは2回目。
前回のようにアプローチに右往左往することはなく、無事到着。
今回は南面の長いスラブでマルチピッチではなく、フリーのルートが目的。
北面の麓、滝の横に荷物を展開してまずはルートの確認から。
古い古い雑誌のトポと照らし合わせて、ああじゃないこうじゃないと言い合ってたらあっという間に2時間ほど経った。
東面、北面には誰もこなかった。
南面には5人位のパーティーがいたらしいけれど、それにしても人気のない場所だ……。
まずは東面にあるレオ 5.9に挑戦。
素直なフェースという感じだった。
トポにはテラスっぽいところに出て更に上にある木が終了点とあったけれど、テラスすぐに新しい終了点(ボルト2つ、鎖、錆びたマイロンと新しいマイロン)ができていた。
特に苦労することなく、リードで完登。
お次はスパイシー 5.10に挑戦。
トポが古すぎてabcdのグレードがわからない。
たぶん5.10aくらいだと思う。
1ピン目までが遠いので、途中にあるハーケンを使った。
前半部分が案外力を使う。ただ中間で休めるので問題なし。核心は後半のフェース部の1ムーブだろうか。
これも新しい終了点(概ね同上)が作られていた。
リードで完登。
仲間の一人が終了点の右に行こうとしたところ、リップが大きく欠けて落石が発生。
当たれば致命的なサイズだった。
隣のパンジャ 5.11に挑戦しようかと思ったものの、思ったより時間が経ったのと、どうも実力が足りてなさそうなので諦めた。
一休憩を挟んで北面にあるリボルトされたルート、オープン・ザ・ウインドー 5.9に挑戦しようかと思うものの……どうにも終了点が信用ならなさそうなのと、ルートの長さが30mとあり手持ちの60mロープでは何かと不安なため、やめておくことに。
(今思うと下降路があるので素直に上に抜ければよかったのかな……でも下降路もかなり急であんまりよくはない)
北面の奥の方にある手持ちのトポには乗っていない、とりつきやすそうなルートに挑むことにした。
事前に下降路を登って終了点をチェック。前述と同じような構成で作られている。
まずは真ん中にあるルートに挑戦。
前半はガバガバなものの、またもやホールドが欠けて落石が発生。
……恐ろしすぎる岩場だ。
凹角に出たあと直登することも可能だけれど、ボルトに従って右面のフェースじみたスラブを上がるのが正規ルートに感じた。たぶん5.8~5.9くらいかな?
リードで完登。
お次は左手にあるルートに挑戦。
1ピン目までが遠いので練習のために借りたカムで支点を作った。
ただ、先行した仲間が「どこもかしこも岩が動くし、苔で手も足も滑るし、怖すぎる」と途中で降りてきた。
どれくらい怖いのか確かめてやると挑戦したものの……たしかに要所要所が揺れ動く。
その上苔と湿気で手足の置き場が信用できず、ムーブが起こせない。
1ピン目まで掛けて何回かムーブを試行錯誤したものの……断念。クイックドローやカムを回収してクライムダウンした。
これは手がつけられない、ということで南面に移ることに。
南面のウェーブ・ダンシング 5.10に挑戦しようとするものの、前半のフェースにリボルトされている形跡がなく、錆びたハーケンでは心もとないので断念。
と、ここでアクシデントが発生。カムの入った袋を南面から斜面に落としてしまった。
取りに行くために一度雄滝の麓に登山道を通って下り、登り返すもの落とした筋にたどり着けない。
安全のために上からビレイをしてもらい、下降、回収、苔むした岩を木を頼りに登り返した。
ドッと疲れた。
ちょうどポツリポツリと雨粒を感じたので下山。
結局登れたルートは3本のみ。
岩の風化が激しく、自分の力量ではここでフリーを楽しむのは難しいことを痛感した。
たぶん、しばらくここに来ることはないと思う。