スカルパ(SCARPA)製のクライミングシューズ、インスティンクトSを3ヶ月ほど使ってみた感想について。
元々インスティンクトVSのヘビーユーザーなため、それとの比較となる感想が多め。
あくまで個人的な感想なので、あまり信用しないように。
公式・販売サイト
サイズ感について
靴のサイズ24.5~25cmに対して、EU39を履いてちょうどいい感じ。
快適性を重視してこのサイズなので、もう少しサイズを攻めることもできた。
スリッパタイプなので、脱げにくさを重視するならハーフサイズほど攻めたほうが良かったのかも知れない。
スリッパタイプのヒールの脱げやすさは足型がフィットするか、サイズを攻めるかしない限り解決されないので、そこらへんは諦めて快適なサイズを選んだ。
やや幅広なので、日本人の足型に合いやすいらしい。
伸びやすさについて
どんなシューズでも使っていれば足型に合わせて変形していくところがあるけれど、全くその気配がない。
従って、ほとんど伸びないみたいだ。
サイズを攻めすぎると後で後悔しそう。
履き心地について
良い。
ゴムの部分が程よく締め付け、革の部分の肌触り、締め付け具合も気持ちいい。
足型がフィットしている影響もあるけれど、今まで履いたクライミングシューズの中で1,2を争う履き心地。
ダウントゥもそれほどきつくなく、ターンインはあまりない。
スリッパタイプのため、全体の締め付けがきつくない。
なので、長時間履いていてもストレスを感じない。
使っていて良いところ
ソールは多くのクライミングシューズが採用しているVibram XS Grip2のため、滑るということはない。
多くの紹介サイトで、「硬さと柔らかさを両立した」と表現されている通り、ほどよい剛性があり、ほどほどのダウントゥなので何でもできる。
インスティンクト特有のヒールの良さも健在で、スリッパタイプの割によく掛かる。
(といっても、VSのヒールのかかり具合には負けるけれど)
使っていて微妙なところ
トゥフックが効かない。
もとよりトゥフックが苦手というところもあるけれど、上面のラバーが少なく、うまくかからない。
トゥフックが肝になる課題では全く役に立たないので、別のシューズを使うようにしている。
コストパフォーマンスについて
良い。
定価13000円といえば、クライミングシューズの中でもかなり安い部類に入ると思う。
それでいてこの性能、使い勝手なのでトレーニング、アップ、クールダウン用のシューズとして最適に感じる。
自分はセール品を驚異の80%オフの2500円で入手した。
まとめ、その他
あまり期待していなかったのに想像以上に快適で使い勝手がよいので、上記したトゥフックの問題が生じない限りは常にジムで使っている。
基本これを履いて登り、ダメならインスティンクトVSに履き替えるというのが今の自分のジムでのクライミングシューズ事情だ。
もちろん、高価なVSのソールを温存したいという意図もある。
足型や感覚は同じなので、履き替えた時に違和感を感じることもない。
外岩では剛性とエッジング性能が足りないかなと思って使っていない。
残念なことに扱っている店舗をあまり見たことがない。
自分以外のユーザーもほとんど見たことがない。
店舗としてはエントリーモデルと最新のハイエンドモデルを揃えるのに必死で、それ以外のマイナーなシューズの在庫を持つ余裕がないのもわかる。
なので、現在このシューズに巡り合うのは難しいかもしれない。
快適でほどほどに使えるシューズを求めている方は、見つけたらぜひ履いてみて欲しい。
在庫処分のようなセール品を購入したこともあり、3回ほど使っただけでヒール部分が剥がれた。
たぶん長期間在庫として置かれていたのが原因で、接着剤が劣化していたのだろう。
インスティンクトVSではヒールのゴム上からかかとのゴムを巻くように貼り付けているけれど、これはそういう仕組みになっていないため剥がれやすい。
仕方がないので、セメダインのシューズドクターNで補修した。
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ダメ元のつもりだったのだけれど、使い勝手が変わることなく、再度剥がれる気配もない。
シューズドクターNはホールドが直接当たるソール部分に使うとすぐ剥がれるけれど、ゴムの接着にはかなり有効。
VSのヒールが伸びて剥がれてきたときにも使うとしよう。