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もはやクライミング日記

ジャミンググローブを1500円ほどで自作してみた

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……こうして、「ジャミンググローブ自作するお」が爆誕したのだった。

 

くだらない前フリはともかく、ジャミンググローブを自作してみた。

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構想

ジャミンググローブ自作のアプローチは2種類あると思われる。

①既存の革手袋をもとに作る

既存の革手袋をばらしてそれにゴムを貼り付けることで作る方法。

これは既存の手袋がすでに立体的に高い品質で作られていることもあり、頑丈さが期待される。作成者の不器用さも影響しない。

ただ、ぴったりフィットする手袋でないとズレが生じやすく、隙間の生じないジャストフィットな革手袋を探すのが少し大変。

②一枚の革を切り取り作る

単なる平たい一枚の革を適切な形に切り抜き、指穴を開けて作る方法。

やや工作精度が要求されるものの、構造はシンプル。自分の手にあったものを作成できる。

数少ないジャミンググローブを売っているメーカーはこの平らな構造となっているものがほとんどだ。

 

今回は、②のアプローチで自作してみた。

材料

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  • 天然ゴムシート 30cm x 30cm x 1mm 350円
  • 牛革端切れ2枚 25cm x 25cm 700円
  • 型取り用のゴム手袋 100円
  • 接着剤 500円

計1650円。

 

天然ゴムシートはホームセンターで購入。1枚で十分足りる。

ゴムの素材は色々あるけれど、選ぶほど品揃えの良いところは少ない。入手のしやすさでは天然ゴム一択だろう。

機械的強度、摩擦強度があるゴムなので、一番向いているのかもしれない。

欲を言えばもう少し薄いものが欲しかったのだけれど、見当たらなかった。

 

牛革の端切れは手芸店にて購入。なるべく薄く、柔らかいもの探す。

本当は通気性がよく、ひっぱり強度の高い人工皮革がほしかったのだけれど見当たらず、とりあえずあった牛革を買った。

手のサイズや端切れのサイズ次第では、1枚でもOK。

条件を満たす端切れが黒色しかなかったので黒を選んでいるけれど、汗をかくと色移りするので薄い色のほうが都合が良い。

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(色移り例。痣じゃないよ。)

 

接着剤選びは慎重に。

接着後も曲げるので、曲げに強く柔軟性のあるものを選んで購入した。

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作成手順

①型紙を作成する

ゴム手袋をつけて切り取る部分に印をつける。

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そしてハサミで線に従って切り取る。

このゴムのままだと使いにくい上、形が微妙なので紙に転写して実際作る形を整える。

幸い身近にオーツンのジャミンググローブを使っている方がいたので、ちょっと型を取らせてもらった。

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切り取ったゴム手袋の型と製品の型を参考に、形を考えて型紙を作成する。

自分の場合、左の手首に巻く部分をもっと短めにした。

②型紙に沿って革を切り取る

出来上がった型紙を切り取り、それを型に革にマーキング、切り抜く。

本来革に対して丁寧に作業をするなら板にピン留めして専用の刃物で切り抜くらしいけれど、ハサミで問題なく切れる。

ただし、尖った部分を作るとそこから破断するきっかけとなるので鋭角は作らないように気をつける。

手首に締め付け固定するための穴を開けるのを忘れずに。

③貼り付けるゴムの型紙を作成する

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出来上がった革の部分を紙の上に乗せて型を取り、そこから貼り付けるゴムの型紙を作る。

指のループの部分は邪魔になるのでゴムで補強しない。

一方で手首の部分は締め付けで傷んだりするのでゴムで補強することにした。

描いた型を切り抜き、革と重ねて問題ないか確認する。

④ゴムの型紙を使って、貼り付けるゴムを切り取る

普通のハサミで切れる。

鋭角がある場合、革以上に破断のきっかけとなるので注意。

度重なる型取りでやや大きくなっているため少し小さめに切って良いかもしれない。

⑤革とゴムを接着剤で貼り付ける

一番丁寧に作業しないといけないポイント。

自分は雑にやりすぎて後悔したけれど、雑でも十分強度が確保される。

雑すぎて負荷に耐えられず、剥がれてしまっても、もう一回塗れば良いかな~くらいの気持ちでかまわないかも?

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(死ぬほど雑な例、でも問題なし。)

⑥接着剤が乾くまで24時間ほど放置する

…………。

⑦完成!

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問題は手首に締め付ける固定方法なのだけれど……裁縫のスキルが全く無いのでベルクロをつけるなどは考えなかった。

当初の予定では小さなエイトカンで締め付け固定しようと思っていたのだけれど、うまくいかなかった。

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(もともとはブラジャー用の金具らしい。まさかこんなことに使われるとは思ってもないだろう。)

Zカンと組み合わせたり色々した結果、結局革紐をそのまま巻いて結ぶのが一番よく固定できた。シンプルイズベスト。

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作成に要した時間は2時間ほど。

仮に時給1000円としたら材料費工数込で3650円になる。

工数まで含めれば、圧倒的にお得!とは言えないラインだ……。

使ってみた感想

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素材の影響で、オーツンのものより1mmほど分厚い。

しかし、性能的にはそれほど差がないような感じだった。

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ゴムの摩擦力がそこそこあり、ズルしている感じがある。

もう少し薄く、摩擦のないゴムを選んだほうがトレーニングになるかもしれない。

あるいはゴムシートなし、革のままのほうが良かったかも……?

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6回ほどリードジムにあるクラックで使用してみたけれど、特に破損も見られない。

 

しばらくこれでクラックのトレーニングを重ねていこうと思う。