怪我の状況、リードクライミングを経たトレーニング、最近クライミングについて考えていることなどなど。
指の調子、回復期のトレーニング
せっかくリードで上り調子になりつつあるタイミングでパキったので相当悲観していたけれど、結構回復ペースが早かった。
室内ボルダリングで受傷。気のせいと思い込んで追加で1週間登り、症状を悪くして。
1週間完全レスト。
2週間後にはガバが違和感程度に収まるようになった。この段階ではまだテーピングをすると圧迫されて逆に痛かった。
3週間後はテーピングの補強で痛みがなくなり。
5週間後は課題さえ選べばリードのRP-1グレードくらいのものに挑めるようになった。
まだテーピングは手放せないし、負荷をかけて「あっ、ヤバい!痛み出る!」とヒヤッとする時があるけれど、順調な回復を見せている。
たぶん、1ヶ月半後の9月半ばにはテーピングを外して登れるようになる気がする。楽しみだ。
ただ、完全な本調子状態となるとそこから更に1~2ヶ月くらいは掛かりそうな気がするけど……。
今回、受傷状態のまま登る際に意識したのは「痛みが出たら失敗、終了」だった。
登っていて痛みを感じたらその取り組み、課題選択、ホールディングは失敗とみなして、痛みを感じないように取り組んだ。
こういう場合、リードジムが近所にあるのがありがたい。トップロープで5.8あたりを登れば、負荷はボルダーでいう7級くらいに収まる。
そしてボルダーで7級を登ることよりも飽きが来ないし、リード初心者の自分にとってはクリップや重心移動などの地味な発見も多かった。
保持力の成長は止まるけれど、劇的に落ちることはなかった。
スタミナはほとんど落ちることなく、横ばいのまま。
トレーニングをピリオダイゼーションにする機会
クライマーズ・バイブルの下巻「トレーニング編」の10章には「クライミングトレーニング」、11章には「プランニング」に関する内容が記載されている。
この本を買って何度か流し読みをしたくらいで、あまり実践したことはなかった。
(実は1回、まともに実践したことがあるのだけれど、トレーニング内容の負荷が高すぎてその時に痛めていた指をさらに痛めてしまった)
細かい内容までは紹介しないけれど、「クライミングトレーニング」の章ではクライミングに関するエネルギーシステムが3種類に分けて解説されている。
- 回復系能力
- 持久系能力
- 瞬発系能力
回復系、持久系はどちらかというとリードに必要な能力で、瞬発系はボルダリングに必要な能力だ。
そしてそれぞれの能力を育てるためのトレーニングが紹介されている。
名前で察することができる通りに、前半は回復系、持久系のトレーニング。
後半になるほど瞬発系のトレーニングになる。
そしてこれらトレーニングをピリオダイゼーションで組み上げることでトレーニングプランが出来上がる、と本の中では紹介されている。
毎週末岩場に行くようなサラリーマンクライマーなら、3種類の能力を伸ばすトレーニングを短いサイクルで繰り返すマイクロサイクルがオススメ。
本格的に取り組むクライマーなら、回復系4週→瞬発系3週→持久系2週→ピーク期1週のメゾサイクルがオススメとなっている。
今はちょうど指の回復期として、簡単なルートを多く登ることを心がけていた。
ローカル・エンデュランスに結構近い内容だ。
このままメゾサイクルを取り入れてみようと思う。
個人的にはリード、ボルダリングの割合は2:1くらいにしたいかなと思っているのだけれど……。
本に記載されているルート、ボルダー登攀能力対比表によると自分は持久系能力が圧倒的に足りていないらしい。
室内ボルダリングのRPは1~2級くらいだけれど、その場合、5.12台後半が登れていないとダメっぽい。自分のリードのRPは5.11c/d。全然足りない。
指を痛めやすいのも、ここらへんのバランスが悪いことが起因しているのかもしれない。
8月いっぱいは指を治しつつリードメインで回復系、持久系を充実させて。
9月にボルダーで瞬発系を鍛え、10月前半はリードで持久系増強。
10月後半がピーク(シーズンイン)!
以降シーズン中はマイクロサイクルに切り替えると都合が良さそうだ。
ボルダリングから離れてリードに取り組んだ結果
1月末に指を痛めてリードメインにして。そして半年後にまた指を痛めてリードメインのまま。
ここ最近、外岩以外ではまともにボルダリングに行っていなかった。そして外岩でもまともな成果がなかった。
最近、久しぶりに普段行かないクライミングジムに行って、いくつか変わった点に気づいた。
伸びたところ
- オブザベ力、登っている最中の解析力
- ホールディング、持ち方の修正力
- 体の動かした方、垂壁、緩傾斜でのムーブ
- 持久力
悪くなったところ
- ヒールムーブ
ヒールはリードをやっているとあまり出番がない。特にシビアなヒールは自分の挑むグレードでは全くなく、劣化はやむを得ない。
指を痛めないこと、痛みを感じないことを前提に強度の低い課題ばかりやっていたのだけれど、前より楽に登れるようになっている気がした。
ボルダリングの能力自体は向上しなかった一方で、登り自体の安定性が増した感じ。
リードに取り組んだのもボルダリングでの何かにつながっていたのだ。ちょっと安心した。
課題からはじめよ
これはベストセラーとなったビジネス書「イシューからはじめよ」から取ったもの。
クライミングの場合、イシューではなく、プロブレムだけど。
今までは弱点だらけで何をやっても伸びしろ!みたいな感じで適当に登ったり、適当に鍛えたりしていたけれど。
最近になって埒が明かなくなってきた。
手当り次第や適当じゃダメだ。目標を明確に定めて、そのための取り組みをしないと。
ちょっと前に「目標を定めること自体がアート(技術)の一つだ」という言葉を聞いた。
自分に適した正しい目標を定めるのは難しい。
初段をもっと登りたい!とか、二段を登りたい!とか、5.12台を登りたい!とかだと曖昧すぎるのだ。
何をどう取り組めばよいのかさっぱりだ。
なので、もう少しブレイクダウンして。
明確なイシューから、つまりは明確な課題からを定めて取り組むことに決めた。
初段いっぱい!とか二段!とか5.12とかグレードじゃなくて、「この課題を登る」に集中する。
それなら、「ここのムーブが安定しない」「このホールドが取れない」「途中でヨレる」などにさらにブレイクダウンできる。
そうすると、鍛えるポイントが明確になる。
足りない部分だけまず鍛えれば良いのだ。至極わかりやすい。
今までは特に課題に対するこだわりがさほどなく、「これ面白そうだし、これ登れたら楽しいだろうな~」くらいだったけれど。
もう少し課題に対してこだわりを持つことを意識する。
その課題を登るためだけの努力を繰り返す。
それが結果的に総合力を増やすことにつながる気がする。
必ず登りたい課題はいくつかある。
とりあえず、近視眼的にそこだけ力を入れてみよう。
おわりに
大言壮語から小さいものまで適当にいろいろ書いたけれど、実施できる自信はあんまりない。
楽しくなくなったらおしまいだ。
息切れしない程度にぼちぼちやっていくかなあ。