日本海側に大雪を降らせる寒波到来。晴れ。寒く、やや風のある日。
KBA(熊野ボルダリングエリア)で外岩ボルダリングを楽しんできた。
前置き
寒さが本格化したこの週末はボルダーにするか、リードにするか……と悩んでいた矢先、ボルダー仲間から「熊野ボルダーを知っているなら行かない?」というお誘い的な問い掛けの連絡があった。
熊野ボルダー……名前は知っているけど、場所、トポや課題情報なんて知らなかった。
知らないなら知れば良い。幸いトポは電子書籍形式で販売されている。
ためらうことなくサクッと購入。
そして「詳しく知らないけれど、トポならあります」と返事した。
行ったことのない岩場に行くチャンスを逃してはならぬ。
かくして週末は熊野行きが決定した。
先週の仁淀川では公式情報のチェック漏れなどでエライ目にあった。
なので公式サイトを入念にチェック。
入山届を出して、岩場でもマスク着用を忘れないように。
最寄りの天気予報では4~11℃の予報。
入鹿温泉ホテル瀞流荘の今日・明日の天気 週末の天気・紫外線情報【お出かけスポット天気】 - 日本気象協会 tenki.jp
少し前に行った恵那笠置山と同じような気温だったので同じ装備(最防寒装備一歩手前)をチョイス。
雑誌掲載のトポの情報だけでは若干頼りないので、前日にYouTubeやインスタなどで情報収集……正直、課題の情報の入手手段が動画サイトやSNS投稿なのは微妙な感じがするけれど……。
面白そうな課題などを選んだり、ダラダラとネットサーフィンをしていたら、うっかり夜更しをしてしまった。
ヤバい。
最近気づいたのだけれど、寝不足だと冷え性になりやすいのだ。もしも岩場が寒いと手足が冷えたままで、パフォーマンスが著しく落ちる。
……まあ、南方の岩場だし暖かいだろ多分。
やや重いまぶたのまま仲間と合流し、車内でももうすでに冷えた手足の先に不安を覚えながら岩場へ向かった。
熊野ボルダリングエリアにはいくつかエリアがあり、今回はボルダージムの知り合いがオススメしてくれた夕陽の丘エリアに行くことにした。近くにクライミングイベント、レッドブルアシュラの開催されたアシュラエリアもあるとのことで、色々楽しめそうだった。
8時過ぎに現地に到着。一番乗り。
気温は……1℃。……予想以上に寒いじゃないか……。
YMCA 3級
夕陽の丘エリアに到着してすぐ目に入った大岩、そこにあるオススメされた課題である幻想 二段(初/二段というグレードダウン情報もあるけれど、よくわからない)にみんな目を奪われた。
……といっても自分はいきなり二段を触るのはキツいので、ひとまず近くにある岩でアップ開始。
やや傾斜した、それほど大きくない岩。その左端にあるYMCA 3級から開始。
岩のフリクションがかなりよく、顕著なホールドも多い。これは楽々だな、と思ったのにちょっとつまった。
スタンスが思ったより悪い。一手目に左手を送った後、スタートに右ヒールを上げたいのだけれど、狭かったり、寒さで体が固まっていたりで上げにくい。
もう少しマシなムーブはないものかと探るけど他に良さげなのがない。仕方がないのでヒール上げムーブを敢行。
右手で保持したガバカチの中が指でジャリっと砕けるのにビビりながら完登。
話には聞いていたけれど、砂岩の脆さに驚いた。人気課題には早めに挑んでいかないとどんどん欠損していきそうだ。
なにはともあれアップ完了!体は温まって……ない。全く温まらない。足先は血行が悪く、常に冷え冷え、指先感覚が曖昧。最悪だ……。
10時の段階で気温は4℃前後。結局、日中を通して8℃に届くことがなかった。そよ風が吹き続け……寒いやんけ!
幻想 二段(初/二段?)
仲間のセッションに参加。無理せずパートごとにムーブを確認してみる。
最初はスタートに苦労するものの、ニーバーとトゥフックを効かせる方法で解決。その次の一手は……解決できそうで出来ず。
その後のヒールを使ったクロスムーブは決まると小気味好い。
寒すぎるのでダウンを着ながら登っていた。
次の飛び出しは……ビビってできず。
まあ中途半端に触り散らかしただけで終わった。
しかし、それでもこの課題の魅力はわかった。様々なムーブが詰まっており、非常に内容が濃い。やればやるほど上手くなっていく。
エリアを代表する★★★な課題だと思った。
木漏れ日 2級
幻想 二段に挑み続ける仲間を置いて、一人遊びに出かけた。
11時頃になると、岩場は人で溢れていた。多分夕陽の丘エリアだけで40人以上いたのではないかと思う。帰りに確認すると、車は20台もあった。
あまりの混み具合にビビりつつも、10人ほど取り付いている木漏れ日岩に混ぜてもらった。
まずは代表課題の木漏れ日 2級から。
下部は左手を出してマッチするのがセオリーっぽいのだけれど、ホールドが良さそうなので一気に右手を出したらそのまま止まった。
核心は、最後のリップ取り。そこそこ、いや、かなり遠い。
手を変え品を変え、スタンスを変え右出し左出しを試し、何度も繰り返すが余り距離が変わらない。昼休憩を挟んでさらに繰り返すけどあまり距離が伸びない。
足先は冷えたままで、踏み感が曖昧。体も冷えてすべての感覚が分厚いフィルターで覆われているような感じだった。
あーもう、諦めた!
敗退。
落陽 初段
freefanのトポには載っていない、新設?課題。木漏れ日岩の左端最下部からセパレートスタートでカンテ沿いを進み、そのまま岩の中心のフェースに入って直登する課題。
自分の狙いの課題の一つだった。
スタートポジションに入るのにやや苦労したが、カンテ部(斜陽のパート)は非常にポジティブなホールドが多く、体を大きく動かすので楽しい。
その後に核心が連なってくる。
要求されるムーブが多く、これまた楽しい名作だった。
第一の核心である縦に並んだようなクロス取りのスタンス、ムーブに悩む。
キョンムーブはどうにもおさまりが悪いので、他の人がやっていた挟み込みムーブを試すと……これが一発でバッチリとハマった。
その後も比較的スムーズに手が出た。
これは行けるんじゃね?とつなぎ始めるも……あの挟み込みムーブは奇跡の一発だったのだろうか……全く再現できなくなっていた。
???……???
がむしゃらに繰り返すも、全然手応えがない。
ヨレているのか……?ヨレの感覚まで鈍い。自分自身の状態を全く把握できていない。
あーもう……。
敗退。
斜陽SD 1級
岩の左端をマッチスタート。
は?マッチ?これを?次の一手どうするんだ?
妙にクラシカルな空気の漂う課題で、少し触って諦めた。
敗退。
斜陽 3級
撤収時間が迫った中、最後に名残惜しく登りきった。完登。
帰宅、振り返り
アプローチも近く、大きな岩が集まっており、魅力的な課題がいくつもあり。
初めての訪問でもその一端を知り、楽しむことが出来てよかった。
惜しむらくは大した成果もなく帰ることなったことだけど……。
次の訪問時には今回撒いた種を刈り取りたい。
反省点
- 前日は早く寝ろ
- 寒さに弱くなっているので最防寒装備をしろ