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もはやクライミング日記

2021/09/05 酔狂と反省@大鳥居の岩場

前日は雨。翌日は曇り時々晴れ。

湿度が高く、まだ暑い中、大鳥居の岩場で外リードクライミングを楽しんできた。

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前置き

金曜~土曜の夕方にかけてしっかりと雨が降り、「これは外岩は無理だろー」と思っていたのだけれど。

花崗岩で日当たりのいい場所なら登れるはず!大鳥居の岩場に行こう!」という話になった。

個人的には「マジかよ……」という感じだった。

大鳥居の岩場は南面を向いている、日がガンガンに当たる岩場だ。

暑い夏もようやく終わり最高気温は30℃を超えないようになったものの、まだまだ暑い。

日差しが当たれば+10℃と考えれば体感気温は35度超えになるタイミングもあるだろう。

しかし行く。

行けるチャンスがあれば行くしかない。

 

秋になればここらへん一帯は入山禁止になる。

別のホームページでは10月から11月の間と書いてあるけれど、正しくは9/15~11/15の間らしい。

もうすぐ入山禁止になるのは、この時知らなかった。

 

山の麓はしっかりと濡れ切っていた。

アプローチの入り口には笹がたっぷり生えており、マダニリスクが高い。

仲間の一人はアプローチを終えたあとマダニを一匹ひっつけていた。

 

岩は要所要所染み出しがあるものの、基本的にどこも登れた。

こんな日は自分たちしかいないだろーと思ってたら、自分たち以外に2パーティーも来た。

マジかよ。正気か。酔狂な人達もいるもんだ。

 

四度目の青春 5.10a/b X○

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まあとりあえずアップとして何度も登ったことのあるこの岩場の名作ルートから。

スラブの多い岩場なので久しぶりにフラットシューズの5.10アシムを履いて臨んだのだけれど……細いフットホールドが全然踏めない。

 

久しぶりの花崗岩の岩場ということもあって全く勝手が違う。

ヘタれてテンション。

悔しくてアンパラレルのTN-Pro(二代目、メルカリで買った)に履き直して再度挑戦、完登。

 

これは、今日は駄目かもしれんね……という気持ちになる。


パワーorセンス 5.10b ○

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癖の強いカンテルート。

短いけれど負荷が高く、5.10bにしては難しいと思う。

昔やったときはかなり苦戦した覚えがある。

 

さっきの体たらくじゃ全く駄目だろうなーと思ったら、カチがしっかりと保持でき、右ヒールもバッチリかかる。

それで案外スイスイと登れてしまった。

 

少し自信が回復した。


ブラインドタッチ 5.11c XXX

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今回の目当て。

同行者が先にトライしたのでそれに便乗する形で挑んでいく。

 

前半はこの岩場の名作、信楽街道 5.10cのスラブ部分と共有している。

スラブ部はまあ問題ないのだけれど、スラブからフェースに入るところが難しい。

フェースの下部にあるカチはツルッとして外傾しており、コンディション的に保持するのが辛い。

壁に近づくほど体を立てる必要があるので、スラブへの立ち込みが難しくなる。

手順、足順をどうするか、どこに置くか……非常に悩んだ。

それで1度降りた。

 

2回目。

再び同じところで詰まる。

このスラブのいやらしいところは、白く色の変わっているところと踏みやすいところが異なることだ。

丁寧に足元を見ながら踏める場所を探す。

右足やや右側に上げ、下部の出っ張りを左で保持、右で外傾カチ、左足上げ、右足微小出っ張り踏み……みたいな順で何とか攻略できた。

しかしここらへんが曖昧。

必死過ぎて覚えられていない。

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真の核心はこの後にある。

右のカンテを使って体を上げて(最初これを使わずに登ろうとした……無理だった)狭い足場に乗り込んでいき。

縦カチを握っている状態から左にやや遠く飛び出さないといけない。

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これが絶妙に遠い。

変に勢いを出すと足が剥がれて、振られて落ちる。

飛び出す勇気もないので右足でバランスをとって、倒れ込むように手を伸ばしたら届いた。

完全なガバかと思いきや、左に行くほどスローパーになるので油断できない。

その後もなかなか骨が折れる。顕著なフットホールドがないのでガバを頼りつつも丁寧に足を踏まないといけない。

ともかく、なんとかバラすことができた。

 

3回目。

スラブで粘りすぎて足先が痛いし、花崗岩で指皮も消耗しすぎた。

全然期待せず進んだら最後の飛び出しまで繋がってしまった。

これはいけるかな?と思って飛び出して、遠いホールドが取れた。

でも、そこから体を持ち上げる余力がない。そのまま落ちた。

 

どうやら体の限界だったらしく、ホールドは届く一方でその後体を引き上げるパワーがない。

4回くらいやって何度か最後まで登りきった。

 

このルートには残置がないのでラペルリングに結び変えする必要がある。

久しぶりだけど手順よく結びかえできたな、と思ったら途中、ロープを抜くのを忘れてた。やれやれ。

 

もう一度挑む余力があったような気がしたけれど、落ちる気しかせず諦めた。

敗退。


信楽街道 5.10c ○

クールダウンに。

しかしあちこちよれていたのでもう無理だろ……と思ったら比較的あっさり登れた。

慣れの問題か。


杉木よ永遠に 5.10a X

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わずかに物足りない感じがしたので最後に挑戦。

 

これはミスだった。余力なんてなかった。

出だしのレイバックをササッとこなし、2ピン目を掛けたあとで詰まった。

スローパーが滑って持てない、持つ力がない。

悩んでゴリ押ししようとしたところで落ちた。左手の手首あたりを大きく擦った。あー……。

意気消沈しながら上に抜けた。


振り返り

ブラインドタッチ 5.11cを登りきれなかったのはマズかったなー……。

ムーブの完成度的には登れてもおかしくなかった。でも現実は登れてない。

 

1回目でバラせていないのが結構痛い。

それでバラせていたらもうちょっと精度を上げる、粘る余力があったはず。

なんで1回目でバラせなかったのか……ムーブに迷いすぎたのが原因だ。

ある程度勇気を持ってゴリ押しすれば道が開けるところもあったので、最初にそのアプローチを取れなかったのが問題か。

これやってみようと決めたら思い切ってやらないと得られるものは少ないものだ。

 

最後の5.10aでのフォールは一番やったらあかんヤツ。

クールダウンで落ちるとかないわー……。

 

などなど、反省点は多い。

 

入山禁止になる前にもう一回行くか、それとも諦めて冬に行くか……悩ましいところだ。