あざの耕平原作のライトノベル、東京レイヴンズが今秋、2013年の秋にアニメ化するようです。
めでたい。あっぱれ。
……と思うと同時に、「ああ、またか、またなのか……」という歯がゆさを感じざるを得ません。
また、あの悔しさを味わうことになるのかと。
BLACK BLOOD BROTHERS(ブラック・ブラッド・ブラザーズ) 公式サイト
あざの耕平の作品の魅力とは
あざの耕平氏の作品の最大の魅力は、張り巡らされた伏線と魅力的な敵にあります。
D-クラッカーズなら3人の悪魔の建国。
BLACK BLOOD BROTHERSなら賢者の血統の宿命と九龍の血統の策謀。
東京レイヴンズでも、土御門夜行の転生と双角会。
敵とその敵が張り巡らせる策が見事で、そして味方も単純に精神論でそれを乗り切らずに策と機転でくぐり抜けていくのがたまらなく面白いんです。
伏線と魅力ある敵、その効果が発揮されるのは、山で言うなら5合目以降です。そこからはノンストップで面白くなります。
アニメ化の限界
アニメ化できるのは1クールでせいぜい3合目まで。
2クールあったとしても7合目が限界。そこで収集をつけようとすると尻切れトンボか、あるいは不満なものなるでしょう。
一番美味しいところが視聴者に伝わらない。
本当に伝えようとするなら3クールぐらい必要なはずですが、そこまで予算は取れるライトノベル作品はありません。
ファンとしての歯がゆさと悔しさ
アニメを見て原作を知らない人が「ああ、こんな作品なのね」ってなってしまうのが、なりそうなのが悔しいです。
そうなった時、君の見ているのは前座の部分で、これからおもしろくなるんだよ!って訴えたい。でも伝わらないことが多くて歯がゆいです。
東京レイヴンズは特に、1巻あたりは伏線バラマキと導入のための巻のようなもので、あざの耕平作品の持つ面白さの爆発はあんまり出ていないと感じています。
じゃあ、東京レイヴンズはいつ面白くなるのか、というと、今です。第一部完結となった最新刊が伏線の効果が発揮され、敵が出揃って面白いです。
それがアニメ化されず、伝わらないのが悔しくてたまりません。
そんな気持ちを味わうくらいなら、いっそオリジナル展開でも構わないとまで思ったりしないでもないです。
こういう作品は、どういう形でアニメ化されるのが幸せなんでしょうかね。
せっかくアニメ化されるんだったら、単なる販促アニメにならずに、原作の魅力を伝えきれる作品になってほしいと思います。