- 蝙蝠谷の岩場について
- まえがき
- まずは子年のエリアから
- 猫の渡り廊下 5.10b/c
- 哲学の道 5.10c
- ネックエレキバンA 5.11b
- ネックエレキバンB 5.11b
- ムラコメX 5.11a
- 真実の口 5.11a
- 帰る
蝙蝠谷の岩場について
蝙蝠谷の岩場を利用するためには、入山誓約書の提出が必要になる。
これら誓約書の取りまとめや、岩場の様々な取りまとめはJFAのリボルト職人でもあるマメオさんが行っており、岩場に行く際は氏のブログをチェックしておくことをオススメする。
……氏の献身的とも言える行動には頭が下がる。感謝しかない。
特に大切な記事はいくつかピックアップしておく。
でもこれが最新とは限らないので注意。必ず最新情報をチェックしてから行きたい。
蝙蝠谷登録証申請方法・ゴミ拾いのルール
駐車スペース
Mr ビーンズのマメマメ日記 蝙蝠谷有料駐車場からお知らせです。
蝙蝠谷のトポ
復活 5.11cの金具の使い方
Mr ビーンズのマメマメ日記 蝙蝠谷右岸震災エリア「復活 5.11c」2つの金具の使い方
まえがき
蝙蝠谷の岩場へ登録申請は昨年、2023年の6月頃には行っていたのだけれど、混んでいるという話を聞いたり、仲間との調整がうまくつかなかったりでなかなか訪れる機会がなかった。
最近は春とは思えないくらい暑く、雨も多い。芹谷屏風岩などの日の当たる石灰岩の岩場は辛い。
そんな中「蝙蝠谷は涼しいらしい」という話を聞いて、蝙蝠谷に行く仲間を募ったところ滋賀発で3人くらい集まった。決行決定。
車でGO
滋賀から蝙蝠谷に行く場合、高速を使って2時間弱かかる。
阪神高速を通って箕谷ICで降りて東から行く方法と、新名神から山陽道を通り、三木東ICで降りて西から回り込む方法の2種類があって、どちらも時間的な差があまりない。
でも値段的には新名神を通って三木東ICで降りて回り込むほうが500円ほど安いのでそちらがオススメかもしれない。
阪神高速は高いんだよなあ。それに宝塚ICあたりがよく混む。
どっちのルートでも途中にコンビニがあるので昼飯などの買い出しは可能。
駐車・アプローチ
現地9時予定で出発して、予定通り9時に駐車場に着いた。
指示された駐車スペースに入ったところ、この日は法事に使用されるとのことで隣のグラウンドに停めることになった。
台帳に滋賀の選択肢はない。レア出身地クライマーなのかも。(別途書いた)
許可証をリュックにぶら下げて、ゴミ拾い用の火バサミとゴミ袋を手にいざ岩場へ。
アプローチではゴミは見つけられなかったけれど、岩場でゴミを見つけたのでそれを拾って帰った。自分にできた唯一の善行かもしれない。
アプローチに関しては水没しているケースがあるという記事を読んだのでちょっと覚悟していたけれど、特にそんなことはなく無事通れた。
水没している場合は、橋のガードレールにあるフィックスロープで降りるらしい。
足場もちゃんと取り付けてある。至れり尽くせりという感じ。
立派な橋もかかってる。すごいの言葉しか出ない。
コンディションとか
この日の最高気温は22℃くらい。曇り。
翌日の日曜が雨予報のためか、岩場にはめちゃくちゃ人がいた。たぶん30人くらいいたような。
有名ルートの揃った正面壁は混み合っていて、落ち着かなくて待つのも待たせるのも嫌だったのでほとんどの時間を正面壁以外で過ごしていた。
あと正面壁は妙に暖かい空気が滞留していて、蒸しっとしていたというのもある。
まずは子年のエリアから
岩場に着いたのは10時前くらい。とりあえず日差しのない子年のエリアからスタート。
温度計まで置いてある。
各ルートの取り付きにはラベル。さらにはトポのリンクへのQRコードまで張ってあってビビる。
猫の渡り廊下 5.10b/c
アップとして。仲間が最初に選んだのがこのルートだった。
長さが24mとあり、上部でトラバースもしてるし、蝙蝠谷はグレードが辛めとも聞いていたので「え、マジで?」という気持ちだった。
仲間は途中でルートを間違えて雲にのる 5.11bというルートに行きかけたり、上部で1本無用なクリップ(まっすぐ上がる我が胸に 5.10bのボルト)をしてしまってロープの出が悪くなって外しに戻ったり、ひどくパンプしながら登りきっていた。
岩場全体のグレードが辛めなら5.10dくらいなのかな、それだと辛いなーとドキドキしながら取り付いたけれど、グレード相応だったと思う。
上部は結構ホールドが欠ける。仲間のトライで欠けたっぽいところがあり、そこをつまんでみるとさらに欠けたので欠けた小片をそっと足元に置いたり。
トラバース部分はガバが多いけれど狭いので爽快感が乏しかった。豪快に片足を宙にぶら下げればいいのだろうけれど、そんな度胸もなくとりあえず完登。
トポ上では★★なルートとなっているけれど、個人的には普通だった。
哲学の道 5.10c
11時頃になると正面壁の日差しがなくなるよ、と聞いていたのでそちらに移動。
目につけていた★★★なルート、哲学の道 5.10cが空いていたので取り付くことに。
細いクラックが上まで走っている。
ん?これ、ジャミングを駆使するルートなのか?ちょっと想定してたものと違うな……とか思いながら取り付いた。
1ピン目までが少し高く怖いのでそれよりも下にある古いハーケンにもドローを掛けた。
縦のクラックにところどころあるクラックはインカットしておらず、ツルツル。
思ったよりも足が悪い。探せばちゃんとあるのだけれど、しっかり踏んで体重を移さないと手が滑る。
手が滑ってしょうがないのでジャミングを多用することに。ジャミングを使うなんて想定外だ!とかぶつくさ言いながら2ピン目あたりまで進んで、そこでバランスを崩して落ちた。あーあ……。
改めてホールドを探ったらジャミングしていた手をしっかりボトミングしたら効くことがわかった。なぜそれに気づかない。
その後の上部は特に苦労することなく抜けた。
凡ミス……と言いたいけれど単に基礎ができていないのが露呈しただけ。出直して参れ。
大切な要素がしっかり詰まった良いルートに感じた。
すでに待ちの人がいたのでドローを回収して降りた。
この後どこを登ろうかと正面壁を眺めても全体的に人が多く、登ってみたいと思っていた復活 5.11cはトライ待ちの人がいる状態。
さらに岸壁自体が蒸し暑かったのでエリアを変えることにした。
……混んでいるところが苦手なのだ。同じような考えのパートナーと一緒に河原エリアに向かったところ、そこも大体のルートが埋まっていたので子年のエリアに戻った。
ネックエレキバンA 5.11b
子年のエリアには誰もいなかった。午前中は混んでいたのに。
午後から日が当たるということを、みんなわかっているからなのだろうか。
でもこの日は曇りであまり日が当たらず、こちらのほうが涼しくて助かった。
岸壁右奥の強傾斜にいくつもルートがあるのはトポを見て気づいていたので、それらルートをやってみることに。
1本目
ネックエレキバンAはケーブの中の一番右のルート。湧水があり、その上あたりから取り付く。
……全体的にホールドが汚れていて辛い。あまり登られていないんだろうか。
2~3ピン目までが遠く、まっすぐ上がろうとするとどのホールドも汚れまくっていてうっかり滑りそうで怖い。テンションを掛けた。
磨いたら保持れそうなものもありそうだけれど……でも、こんなに汚れているということは使われていないのでは?と思ったら実際そうだった。
湧水を汲みに来た人によると右の壁も使いながら上がるらしい。なるほど。
凹角に入るようなムーブを作り、無事右側のガバが掴めた。
傾斜部を抜けるまではガバガバ。そこから次のボルトのムーブがよくわからないので再びテンション。
右から攻めるとちょっとボルトから遠ざかりすぎてドローを掛けるのが難しい。
最終的には左にあるグルーされているホールドをガストンして、ボルト直下あたりから攻めるムーブで解決した。この手順が結構面白かったのだけれど、後から登った仲間を見たら全く不要だった。残念。
上部は隣のルートの終了点に近づいたりと、ルート取りが少し悩ましい。
2本目
要点がわかれば難しくはないタイプのルート。たぶん下部の凹角ムーブが一番のポイントなのかもしれない。
とはいえ雑にこなすとパワーを使う部分もあり、自分は最上部でパンプして危うく落ちるところだった。
でもなんとか完登。
こういうルートを一発で完登できるようになりたいねえ。(いつも言ってる)
ネックエレキバンB 5.11b
Aの次はBだな!というわけではなく、単に隣でやっていた人の登攀を見ていて面白そうだったのでクイックドローを借りて取り付いてみることにした。
1本目
ケーブ内は快適なガバでグイグイ傾斜を抜けることができる。爽快感ある。
傾斜を抜けた後、上部のガバ取りが核心。ここの手順、ムーブ構築に悩んだ。
自分は右ヒールを掛ける方法で解決。ドローをお借りした人は豪快なサイファーで解決していてビビった。そんなムーブできんわ!
その後はそこそこ簡単。とはいえピンチっぽいホールドでクロスをしたりするので油断はできない。
2本目
傾斜をガバごとにしっかり休みながら核心まで上がり、構築した右ヒールムーブで解決。
右手の保持感が微妙でヤバかった。
完登。
このルートは★がついていないけれど結構面白い。
ルートは★の有無で判断してはイカンよな……。
ムラコメX 5.11a
この日は夜に予定があり、17時には岩場を降りないといけない。この時すでに15時半くらい。
最後は午前中に完登できなかった哲学の道 5.10cのリベンジで〆たいと思っていたところ、仲間がこれを選んだ。
中間部によくチョークの着いた真っ白なカンテがあり、ここが核心かなと思いきや一番悪いのはピン間隔の遠い3ピン目付近だった。
カンテは意外と保持できるインカットしているところがあり、フットホールドも顕著でムーブを作りやすい。
その後はガバ。
結構簡単めな気がする。完登。
真実の口 5.11a
残り30分。正面壁の哲学の道 5.10cを登りに行ったらトップロープが張られていてこれから登るという。
諦めて別のルートを探しに行ったら河原エリアでちょっと目をつけていた真実の口 5.11aが空いていたので急いで取り付いた。
時間的にお互い1本ずつしかチャンスがない。仲間が先行してオンサイトしたけれど、上部のスラブのムーブが遠く、かなり癖がありそうに見えた。
これはちょっと厳しそうだな……でもなんか思いつくかもとトライ開始。
下部は小豆島の赤獄にある、礫岩に近い感じがした。岩の中にボコッとした石が埋まっている感じ。というか実際礫岩なんじゃなかろうか。
そんな下部はガバだらけで、そのためかボルトが2本しかない。
もちろん核心は上部のスラッとしたスラブパートにある。右側のガバ棚まで進めたのだけれどその次の棚が届かずテンション。
なんとか手順を構築して上まで抜けた。
もう一回やりたいところだけれど時間切れで慌てて下山した。
仲間には申し訳ない。
帰る
帰りも同じ三木東IC、新名神ルートを選択。
途中微妙な渋滞があったけれどそれほどひどくなく、まあまあスムーズに帰ることができた。
蝙蝠谷、良い岩場だった。
次は正面壁を中心に登ってみたい。
おしまい