1日目
早起き、岩場一番乗り
前日寝る前に「駐車場8時狙いで、7時半に宿を出る。なので6時半起きくらいで」という話をした。
え、マジで。みんな気合入ってんなーとか最初思った。2日目はゆるゆる行こうぜ、とかなるかと思ってたのだ。
でもこの選択は良かったと思う。
予定通り8時に駐車場に着いたら誰もいない。一番乗りだ。
ケイブ手前の危ないアプローチのところは、木が倒れかかっていた。
前日に帰るときはこんなこと起きてなかったはずなのに。
これがアプローチの一部の地面を形成している土を支えているので、その地面を迂闊に踏むと危ない。
どんどん変わっていくなあ。注意注意。
ステイゴールド 5.12a
今日の狙いはケイブ内の人気ルート、ステイゴールド 5.12a。
アップに使われるという取り付きやすいルートで、挑戦中の人がいるのかすでにクイックドローが掛かっていた。
混む前に取り付く。
仲間のうち3人がやるというので順番を決めるじゃんけんをしたところトップバッターとなった。
下部は礫岩で、安定しておらず怖い。
チョーク跡を頼りに登っていったけど、「こっちのほうがいいのでは?」と思ったところを持ったら拳2個分くらいのサイズの石がまるごともげた。
マジかよ。全然油断できねえ。
ビビりつつもなんとか安山岩パートまでたどり着いた。
ルートの内容は遠いガバが多く、グイグイと体を上げていく感じ。
左右にフットホールドが乏しく、主にクラック周囲のホールドでこなしていく。
ジャミングが使えるところもある。この感じ、芹谷屏風岩の猿 5.12aに似ているような。
朝一発目ということもあったのか、なんかあちこち滑りそうで手足が落ち着かず、恐怖心が出始めてテンションをかけた。
そして以降はテンテンで進み、最後のハングの途中で降りた。
あかん。これはあかん。
最初に悪い印象がついてしまった。
回数重ねて恐怖心を減らしていけば登れるような気もしたけれど、それには時間がいるし、順番待ちの中でこれ1本に集中するのもなんだかな……と思って一度離れることにした。
帰りにもう一度触ろうとかと思ったけれどそのときはクイックドローが回収されていて、時間もあまりなかったので諦めた。
結局ケイブ内で登ったのはこの1回きり。もったいない。
日々是好日(にちにちこれこうじつ) 5.11c
仲間の一人がドハマリしてしまった☆☆☆な人気ルート。
トポには「みんなやる人気ルート。アップにも使える」と書いてあるので、そりゃそんなこと書かれたらみんなやるよな……と思った。
つねづね思うのだけれどトポの記載はある種罪深い。
1ピン目が高くて怖い。その上攻め方を迷いやすい。
このガバ取ったらクリップできるんだろ?そういうのわかっちゃうから、とか思ったら届かなくて「は?なんで?」とかなる。気をつけて挑みたい。
基本ガバなのだけれど後半に行くにつれてホールドが悪くなる。
落ち着いてレストを挟んでいったのだけれど、最後に核心があって、そこのムーブがわからずうっかり手を出してしまい、そこから戻れなくなってテンション。
あー……オンサイト失敗ー。
そこのムーブやホールド選択はかなり選択肢が多く、悩んだ。
自分はあまり使われていないホールドを使って攻める方法を見つけ、再チャレンジ。
問題なくムーブが決まって登れた。
うーん。こういうのをちゃんと一発で決める力を着けたいなあ。
具体的に言うとオンサイト力。
右岸壁へ
帰りのフェリーの時間が19時半。1時間前の18時半には福田港に着いておきたい。
ということで不測の事態も考慮して17時には岩場から帰り始めようと決めていた。
さて、残り数時間、何をするか……と相談したところ、行ってない右岸壁に行くことにした。
何度か来ている仲間が宿題が残っていたのと、せっかくなので他の岸壁も触ってみたいというのが理由だった。
船中八策 5.11c
仲間もオススメする☆☆☆なルート。
日がカンカンに照って暑い。やるなら午前中が良いのかもしれない。
アプローチなルートである瀬戸内宝探し 5.10dから箱舟と言われる四角いハングの右側から攻める。
下部のルートはこれまた礫岩で、使わないところは基本苔むして汚れてて怖い。
小さなホールド(欠けそう)とスローパーを使ってこなすパートなんかもあったりして、気が抜けなかった。
中間部は寝れるくらいの大レストが可能。
ビレイヤーからは見えなくなるし、ロープの流れもちょっと悪いので声掛けが大切に。
そして、ルートの核心部に取り付いていくのだけれど……めちゃくちゃ迷った。
カンテ、乗り込み、スラブ、カチ、ハイステップ、凹角、フィンガージャム、強傾斜アンダートラバース……なんかありとあらゆるホールドとムーブが詰まっている。
超絶面白い。
☆☆☆な評価が納得できる好ルートだった。
ルート名の船中八策の「八策」の意味がわかる気がした。
マスターだったのでビビりつつ、何度かテンションしながらなんとかトップアウト。
登り終えたのは15時くらいだったような。他の仲間のトライをビレイしていたところ、別のパーティーが来て登りたいという。
そうなると時間的に厳しいのでその人に回収してもらおうかと思ったところ、まだ滞在しているので気にせず取り付いて欲しいと譲ってもらえた。
ありがたい。感謝。
というわけで、2回目。
凹角手前の手順で迷ってしまい、それをこなした後の凹角……ランナウト気味な状態でのクリップをこなす余裕が出てこなかった。
結局テンション。
その後のトラバースも足が滑りそうな気持ちになって一度落ちた。
しかし落ち着いて踏めば問題ない。
自分にとってはメンタル核心だなあ、これは。
次来る機会があればぜひリベンジしたい。
船中八策 5.11cの終了点について
箱舟のハングを抜けた右に2本ボルトがあり、そこにはマイロンが左に2個、右に1個ついていた。残置カラビナはなし。
この2つの支点のさらに上にボルトが1本あり、そこには残置のカラビナが見えた。
たぶんそれは別のルートのもので、このマイロンのある2つのハンガーが終了点なのだろうと思った。
上にかけると屈曲してロープがハングに当たるし、流れが悪くなる。ハング内のクイックドローの回収が難しくなりそうだった。
左の上部のマイロンはネジ穴が見える程度に回転して開いていた。工具もなかったので手締めした。
最後はこれらにロープを通して、結び替えで降りたのだけれど……またマイロンは開いているのかもしれない。
次登る人は気をつけてください。
改めてトポを見たら、ルートを示す赤線は残置カラビナのあるところまで伸びている。
そっちが終了点だったのだろうか……。じゃあこのマイロンと2つの支点はなんだ?
わからない。
帰り
結局岩場を出るのは17時半頃になった。
駐車場には18時について、福田港には18時半頃に着いた。時間通りだな!
港の手前のお土産はは19時まで開いている。なぜか生チョコが異様に安い。
おなかが減ったので周囲の食堂を探ったけれど混雑していて諦めた。
帰りのフェリー(福田港→姫路)はヤドンだらけだった。
第三おりいぶ丸という船らしい。
好きな人はかなり嬉しいと思う。仲間は「ポケモン詳しくないです」みたいな感じでスルーだったけど。
カルチャーギャップを感じる。
姫路には21時過ぎについて、帰宅したのは0時頃だった。
GWはまだ続く。体力をつけなければと、また冷凍台湾まぜそばを食べた。
小豆島、赤獄の岩場振り返り
行って良かった。楽しい岩場だった。
グレードは甘めかもしれないけれど、そんなの関係ないね。
クライミングは自分のプッシュ(限界を出す)が大切なことを意識していれば、そこら辺はあんまり気にならなくなる。
次行くならまず船中八策 5.11cのリベンジだなあ。
そしてステイゴールド 5.12aに挑む。
しかしメンタルでかなり調子が左右してしまうのが参った……。
なんとかここを強化していかないと先がないぞ。
ただメンタルなんて簡単に強くできないので、基本的にフィジカルとスタミナをつけて余裕を出していく方向のほうが近道なのかもしれない。
リードジムでの日頃の登り方、取り組み方とか、もうちょっと工夫していかなきゃ。
おしまい。
(GW後半編に続く)