ムイ

もはやクライミング日記

2023/05/04 ふらふらと@小川山

 

まえがき

元々はGWのクライミング遠征は5/1-2だけの予定だったのだけれど、後半にもどこか行きたいなあという気持ちはあった。

そんな中、ジムにて仲間が小川山に行く話を聞いた。

それに便乗させてもらうことにした。

 

小川山に行くのは久しぶり……というほどでもない。去年も行った。

kuramiya2.hatenablog.com

 

GWは後半の天気が微妙だったので、ギリギリまで行くか行かないか決めかねていた。

車中泊予定だったので、行かなくても宿のキャンセルやらで困る必要もない。

そもそも前半戦の小豆島、赤獄の遠征で疲労困憊して、十分満足しているはずなのだ。

中一日、そのうえその一日には大学時代の友達との飲み会(でも飲めない)があったりと休む余裕もない。

 

結局天気は大幅に改善して、5日まで晴れが続くこととなった。

これは行くしかない。とりあえず行く。

 

仲間の狙いは親指岩にある☆☆☆☆な有名クラック、クレイジージャム 5.10d

自分の狙いは特になし。

彼のビレイをしつつ、トップロープでクラックを登ったり、周囲の何か面白そうなルートでも触れればいいやとノープランでいた。

後述するけれど、このスタンスはよろしくなかった……。

 

小川山へ

前日の3日からSNS上では「小川山(廻り目平)の駐車場混みすぎ。もうどこも止める余裕ないよ」という話が飛び交っていた。

先に小川山に入っている知り合いに聞いたところ、「3日の夕方に出ていった車はあるけど、相変わらず混んでる」とのことだった。

先入りして別の岩場で登っていた現地で合流予定の仲間と連絡し、廻り目平に7時着を狙うことにした。

 

合流場所は北杜市の北側、清里あたり。

そこに6時15分には着きたい。

京都で飲み会があって、家を出るのは23時頃……つまり、2時間ちょっとくらいしか寝る余裕がない。

いやーきついっす。

でも出発。

 

ちびちびとコーヒーを飲んで進むためか、妙に尿意があってそのたびにPA/SAに止まってひと休憩を入れた。

クルーズコントロールのおかげでそれほど疲れはしない。

道も混んでおらず快適に進んで、3時過ぎくらいに八ヶ岳PAにたどり着いた。ここをキャンプ地とする。

 

特に不快なところもなく眠りについて、予定通り仲間と合流、廻り目平キャンプ場にたどり着いた。

キャンプ場の麓の方にある駐車スペースは閉まったまま。ここが再び開くことはあるんだろうか……。

キャンプブームの熱は下がりつつあるものの、未だにキャンプ場はオーバーユースの傾向があるし、ブームが過ぎ去るまではこのままなのかもしれない。

 

懸念していた駐車場はなんとか場所を見つけて停めることができた。

運が良かった、という感じ。たぶん何かタイミングがズレていたらダメだったと思う。

 

クレイジージャム 5.10d

仲間の狙いの1本。自分でも知ってるくらい有名なクラック。

この裏側にある小川山レイバック 5.9は講習でトップロープで登ったことがあるけれど、こっちは見たことがなかった。

 

ほほう。すごいクラックだ。

下部シンハンドやレイバック、上部はハンド、上はフレアしてオフウィドゥス、ワイド気味になるっぽい。

……ワイドか……ワイド系はなあ……。

などと思いつつもやる気は結構あった。トップロープでなら。

 

7時半頃に着いたけれど、誰もいなかった。好都合。

さっそく仲間がオンサイトトライを開始。

……100分くらいビレイをしていたと思う。かなり苦労していた。想像以上に難しいらしい。そして長い。

その間、他のパーティーはほとんど来なかった。来てもこれが狙いというわけではなく、アップで使えたら、くらいな人しかいなかった。

 

自分の番になって、ようやく人がやってきたくらいだった。

待ちが少ないことを幸いに、トップロープを張ってもらってトライ開始。

 

下部のシンハンドあるいはレイバックが一番難しいらしい。

出だしで2回ほど落ちたけど、一度左足を上げられたらその後は左右のフットホールドを使ってグイグイと高度を上げることができた。

中間のハンドパートはジャミングが下手くそなのでヨレるけれど、まあよく決まる。

 

そして一番苦手なオフウィドゥスなところは。

あれ。思ったよりも進める。

中でフィストを決めるというより、腕を奥までぶちこんでそれで止めていた。

足もヒールとトゥをそのまま挟むように止めてずり上がっていく。

……ムーブの専門用語があるはずなのだけれど、よくわからない。

とにかく意外と進めた。

 

その後左右を入れ替えて上部へ、右へのトラバース、乗り込みはなかなか怖い。

無事トップアウトできた。それほど時間もかからなかった気がする。

意外だ。もっと苦労して、時間がかかってトップアウトすら無理だと思ってたのだ。

クラック、ちょっと好きになってしまいそうだぞ。

 

だらだらと

パートナーが車の中に水を忘れたというので、一度駐車場まで取りに降りた。

そこで昼飯を食べながら、次にどこに行くか考えることにした。

 

買っておいてよかった、小川山の新しいトポ。

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ちゃんと役立つ日が来ると思ってなかったよ。

このトポ、めちゃくちゃ丁寧に書いてある。「~から50歩ほど進んだら」とかまで書いてあるので迷うことがない。

 

晴天。快晴。

日差しの下は暑い。こんな中でも父岩の小川山物語を登っている人の姿が見えた。

 

……どこに行くか、いまいち決まらない。

自分はパートナーがおそらくクレイジージャムに一日ずっと取り組むと思っていたので、あまり移動を考えていなかったのだ。

ちゃんと何を登りたいか、調べて考えておくべきだった。無目的はダメだな。

 

最終的に、親指岩にいた人から聞いたオススメルートな、マガスラブにある水曜日のシンデレラ 5.11aに行ってみることにした。

 

途中で去年アプローチしたことを思い出した。

あの急登、キッツいんだよなあ……。

 

水曜日のシンデレラ 5.11a

トポには☆☆☆☆、小川山を代表する5.11の一つ、と書いてある。

高度を上げつつ、要所要所で右にトラバースしていく課題。

最後はめちゃくちゃ右に行く。てっぺんにうっすら見える木あたりまで行く。

ルートの長さは35mとなっているけれど、60mロープでOK。

 

有名ルートらしいので混んでいるかな?と思ったけれど特に混んでいることもなく、来たときにちょうど登り終えた人がいたくらいだった。

というか小川山は魅力的なルートが多すぎるし、エリアも広すぎるんだよね……。

いろんな意味で迷うわ。

 

関係ない話だけれど、2回も「関西の方ですか?」と聞かれた。

そうやで。

そんなにコテコテな関西弁を喋っている意識はないのだけれど……たぶん、「これから登らはりますか?」とか「このルート、待ちいはりますか?」という言葉使いをしていたせいだろう。

ほどよい丁寧語で使いやすいのだ。

関東の人は……まあ、使わないよな。うん。

 

閑話休題

 

1ピン目はめちゃくちゃランナウトしてるけれど、まあガバばかりなので問題はない。

小川山のルートはどれもこれもランナウトが激しすぎてヤバイ。

これを体験したら他の岩場の「ランナウトしている」は当然くらいに感じるようになる気がする。

 

ルートの内容は、☆☆☆☆なだけあって素晴らしかった。

ガバ→核心という繰り返しが4回ほど続き、ところどころにヒヤッとする要所がある。

ムーブ自体の強度はないのだけれど、ムーブの発想力、丁寧さ、それを引き出すための心身のスタミナを問われる感じ。

脱初心者のテストピースな感じがした。

 

最初はマスターで。3個目の核心パートのムーブが解決できず、テンション。

2回目で登りきった。

 

トラバースなのでもちろんクイックドローの回収が難しい。

流れを制御するための残置ビナなんていうのもないし。

途中からクライムダウン気味に回収を行った。うっかり振られると右にある高台な地面に叩きつけられる。

こういうところも、脱初心者を意味する基本的なスキルだと思う。

 

なので「登るだけならそろそろ5.11aくらいは登れるっしょ」な人は気をつけたほうがいいかもしれない。

 

マガハング 5.10c

ついでに左隣の☆付きなルートも登った。

先行したパートナーが3ピン目あたりでテンション。それを見てそのパートは一気に抜けた。フラッシュ。

名前にハングとついているけれどハングは迂回する感じで攻めるのでハング要素はあんまりない。

 

再び親指岩へ

夕方になってきて、パートナーが再びクレイジージャムをやるかな?と思い親指岩に行った……アプローチがキツイ……けれど、体力的に厳しいのでやめておくという。

せっかくなので裏側にある小川山レイバック 5.9に取り付いてみることにしたら、3人パーティーがすでに取り付いていた。

 

ちょっとヒヤヒヤする登りの人が容赦なくカムに向かってガチ落ちをしていたり、その他色々あり、時間がかかりそうだったので諦めて降りることにした。

 

その時の時刻は17時頃。さて、これで終わりにしようか。

というには、不完全燃焼感が漂っていた。

 

クジラ岩でボルダリング

こんな時のために、ボルダリングマットも持ってきていたのさ!

……ということで、近くにあるという超有名な課題がいくつもあるクジラ岩に行ってみた。

 

もう日も暮れるし、明日もあるのでほどほどに。

日本の1級の標準と言われるエイハブ船長 1級のスタートには別の課題に取り組む人がいたので、邪魔にならないよう左隣の穴社員 3級を触ってみた。

 

足がしっかり踏めないとキツイね、これ。

ボルダリングをサボってるせいもあって、ポケットの負荷も辛い。

2つ並んだポケットの左側は安定して取れるようになったけど次のポケットをどっちの手で、どのスタンスで取る?と悩み始めたあたりで諦めた。

 

次来たら、もっと真面目に取り組みたい。

真面目に取り組んだら登れるかはわからないけれど。

 

風呂、飯、寝る

北杜市清里、仲間の別荘があるところで解散した。

とりあえず風呂に行く。前も使ったたかねの湯に行った。

たかねの湯

 

もう非常に疲れていたけれど、夕食はジャンクなものが、具体的に言うと牛丼が凄まじく食べたかったので須玉あたりまで南下してすき家に入った。

ここまで来て牛丼チェーンとか、こいつ食へのこだわりがなさすぎるだろ……。

食文化に対するリスペクトがゼロか?

 

いや、正直疲れすぎてて飯屋を選ぶ余裕がなかったのだ。

こだわりのなんとかとか、そういうお値段少し高めな店を選んで入って店員の会話もセットで堪能するとか、精神力を消費するコマンドが実行不能

なんとかポイントが足りない。

 

そしてすき家で牛丼ではなく炭火とろとろポークカレーの豚汁サラダセットを頼んで食べた。

……牛丼を食べるんじゃなかったのかよ。

疲れすぎててもう行動が制御できなかったのだと思う。

 

そして再び北上。

道の駅南きよさとにて車中泊をした。

いつ寝たか覚えていない。気づいたら朝だった。

 

反省点

せっかく遠方までやってきたのに、岩場で時間を無駄にした気がする。

もっとちゃんと下調べをして、第二候補第三候補などやりたいルートをピックアップしておくべきだった。

もったいない。

 

反省点としてメモったからな!

 

おしまい。

(翌日、甲府幕岩編に続く)