ムイ

もはやクライミング日記

2021/03/14 初めての備中の岩場

前々日から雨。当日は晴れ時々曇り。気温が上がりつつも岩場は寒かったり、暖かかったり。

初めて訪問する備中の岩場でリードクライミングを楽しんできた。

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前置き

2月頃にも備中の岩場に誘われていたのだけれど、緊急事態宣言の発出中なので断った。結局それは悪天候で中止になったそうだ。

今回が2度目のお誘い。

ちょうど宣言の解除もあり、折角の機会なので参加させてもらうことにした。

 

しかし、本来の予定だった土曜日は、前日の金曜日から日本全国で春を告げる嵐のような大雨が降り注いだ。

急遽日曜日に予定が変更され、岸壁のコンディションを祈りながら気持ちで週末を迎えた。

幸い晴れて気温も上がる。天候はOK。後は染み出しだな……。

 

高梁市に入ると上空を霧が覆っていた。よくあることらしい。

8時の時点で気温が1℃。……思ったよりも低いな!

 

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滋賀から5時間弱。無事到着。

 

2ルンゼ

今回は備中の岩場に何度も来たことのある同行者の提案で、一番簡単な課題の多い2ルンゼで遊ぶことになった。

 

ルンゼ下の遊歩道のアスファルトはびっしょりと濡れていたので嫌な予感足したけれど、幸いルンゼの壁はすべて乾いていた。

アメダスを確認してみると、最後に雨が降ったのは前日の5時頃らしい。これから染み出すのか?それとも30時間ほどで抜けきったのか?よくわからない。

 

備中といえば石灰岩の岩場だけれど、ルンゼ(岩溝)の岩場は初めてかもしれない。

今まで行ったことのある石灰岩の岩場である芹谷屏風岩や椿岩とは趣が異なる。

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こんなに鬱蒼した狭い感じだとは思っていなかった。まだまだ自分の知らない世界がある。

 

あまり混まないと聞いていた一方で、後から後からクライマーがやってきて、一時は20人以上がルンゼ内にいたと思う。

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なかなか盛況だった。

幸い登りたいルートがほとんど被ることがなかったので、焦らず楽しむことができた。

 

トポ、グレードについて

備中の岩場のトポは手に入れやすいものが3つある。

それぞれでグレード表記が異なる。

まあ、そういうこともあるんだろう。

とりあえず、このブログ内では一番辛めの評価である100岩のトポに合わせることにした。

 

かぶったエイト 5.9 ○

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ルンゼ最下部にある、一番優しいグレードのルート。

「とりあえず誰か登りましょう」という雰囲気の中、率先して取り付いた。

 

石灰岩に埋まったような角型の石のガバと石灰岩特有のコルネガバが混じり合い、石灰岩入門という感じのルートだった。

ホールドの選択肢が多く、迷いやすい。

 

……というか、手が冷たいわ!!多分この時の気温は5℃前後。

岸壁が冷え切っておりガバを掴むと手全体から熱が奪われる。カイロをチョークバックに入れておいて正解だった。

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それ以外は問題なくMOS

トップロープ支点を作って下降。

 

アップは完了。

 

奥の手 5.10d ×○

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よく発達したコルネの傾斜、そして上部のスラブの組み合わせ。

たぶん下部が難しくて、上部がそれにスパイスを加える、みたいなルートなんだろうなー……。

と思って先行した同行者をビレイしたところ、下部は一瞬で抜けていった。あれ?

そして上部のスラブで詰まっていた。え?

 

つまり、そういうルートだった。

自分のトライでも、下部は全然問題なし。程よくコルネのガバ、サイド、アンダーが続いており、グイグイと体を押し上げることができる。楽しい。

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そして上部のスラブが……迷う。

左から行くのか、右から行くのか……。岩場の他の人の話を聞いたところ、右が比較的簡単らしいけれど、結局同行者の作った左からのムーブを参考にした。

終了点をかける体勢を作るのが核心、というのはなかなか堪えるぜ。

 

2トライ目で完登。

良かった良かった。

 

ダンゴのリズム 5.10b ○

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同行者が「面白いよ!」と絶賛していたルート。

1ピン目かけるまでの最下部に顕著なガバホールドがなく、少し気持ち悪い。

以降は……爽快!その一言に尽きる。

 

トポには「コルネでダンスを踊りましょう。」と書いてあったけれど、まさしくその通り。

よく発達したコルネを軸に体を左右に移動させつつガバを探して体を前進させることがたまらなく楽しい。

 

気づいたら終了点までたどり着いていて、もう少し続いてほしかったと思うくらいの爽快感があった。

OS。

 

この後、ちょっと下部のムーブを見せてほしいと実演したら左手の親指が攣った。なぜ。

水分不足か?寝不足が原因か?

ここからけちが付き始めた。

 

フェイス 5.11a ×××

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どれか11台を触ろうと思い、ダンゴのリズムの隣で空いていたルートに挑戦開始。

……1ピン目、高くない?

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高さ4m弱のところにある。……まあ、パッと見ガバだらけだし、危ないことはさせないだろ……俺はボルトを打った人を信じているから……。

案の定安定したガバとスタンスがあり問題なく1ピン目をかけることができた。

 

しかし、妙にホールドが粉っぽく、滑る。ガバめなコルネを掴んでも最初は納得がいく保持感が得られず、何度か触るうちにマシになる。

左手の親指が攣ったことが気がかりで再発が怖く、ビビりながら何度かテンションをもらって高度を上げていった。ひとまずトップアウト。

 

しかし、うまく程よいホールドが配置されており、面白いルートだった。

長さも長すぎず短すぎず、という感じ。

終了点をかける際に使用するホールドがこれまた微妙なのが小憎い。

 

概ねムーブが定まったので、休憩を挟んで2回目。

このときすでに14時頃で、妙なヨレが来ていた。それほど登っていないのに。久しぶりの外リードだからかしらん。

完登イメージがあまり沸かないまま、へにょった気持ちのまま登攀開始。

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やや迷いつつ、ムーブを修正しながら進む。思ったよりも手が進んで「お?これは行けそうかな?」と思ったところで止まった。

1回目でテンションをかけて考えた場所で、強引なムーブを作ってしまっていたらしい。下部から繋ぐと厳しいムーブだった。

無理やりレストしつつ何度か試そうとするものの、結局再現できず。テンション。

その後考えた大きなクロスムーブが正解だったようだ。うーん、手痛いミス。

 

撤収時間が近づく中、ダメ元3回目をやってみるものの、今度は右手親指が攣る気配が出たり、もうパワーあるムーブが起こせなかったり。

結局回収のための登り、みたいなものになってしまった。

 

もっとうまく取り組んでいたら登れそうな感じがあっただけに、心残りなルートになった。

 

やさしいフェイス 5.10a ○

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すでに撤収予定時間。

同行者が別のルートの回収作業を行っている中、少し時間がありそうだったのでワガママを言ってクールダウンがてら登らせてもらった。

中間部のボコボコとしたガバともなんとも言えない部分の保持がキモだろうか。

たぶん体が動かない朝一にやると辛い気がする。

MOS

 

振り返り

ダンゴのリズムあたりは砂だらけだったので、ロープが凄まじく砂で汚れた。

応急処置的にロープを濡れたタオルで拭いて清掃。

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帰途についた。

 

反省

なんかもっとできたんじゃないか?という気がする。

しかし、まあ、これが実際の自分の実力なんだな……。

昨年に比べて安定してホールドを探る力とスタミナと、体を押し上げる推進力は上がった気がするけど……それがうまく完登に結びついていない。

もっと実践的な気持ちでリードジムで登らないとダメなんだろうなあ。

 

今後

それにしても備中の岩場は良いところだった。これで触れたのはまだ岩場のごく一部だという。

遠いのでなかなか行きにくいけれど、チャンスがあれば逃さず行きたいぜ。

 

その時のために、もっと地元の岩場を登りまくって経験値を増やしておきたい。

そろそろ芹谷屏風岩、椿岩もシーズンインかな。