まえがき
椿岩のシザーハンズ 5.12a/bのRPに王手状態。今週末こそは!と仲間に連絡を入れて約束を取り付けたのだが、前日の金曜日が雨。
でも昼間にパラつくくらいみたいだし大丈夫だろと思ったら夜中までガッツリ降った。
椿岩は前日に降ると翌日にすぐ染み出すというのは過去の経験からわかっていた。
微妙なコンディションで挑んで詰めきれずに敗退、悪い印象を残すのも嫌だったので転戦することにした。
さて、どこに?前日の夜に雨が降っても大丈夫なところはどこだ?
答えは芹谷屏風岩である。
芹谷屏風岩は石灰岩なので雨が降れば染み出すと思われがちだけれど、染み出すのがちょっと遅いのだ。前日降っても翌日は乾いていて、2~3日後に染み出し始める。(ラ・バンバは除く。あれだけはすぐに染み出す)
そういう仕様がわかっているので怖いものなどないわフハハ。
最後に訪問したのはリボルト前、リボルト作業に関する荷揚げを手伝ったとき以来だ。
久しぶりなので楽しみだった。
今シーズンの狙いは看板課題であり近畿の岩場の中では名ルートと名高いデッドライン 5.12c……だったのだが、やめた。
最近自分のクライミングに全く自信が持てていない。自信がないから次の一手が出ないし、実際進捗もない。
そんな体たらくで5.12後半に取り付くなんて無理無理無駄無駄。
トップアウトできずに無様な残置をしてルートを汚すだけになる。
というわけで、狙いを過去に敗退したゴーアウェイ 5.10b、コアラのマーチ 5.11c、あとそれからファイナル・カウントダウン 5.11cなどに絞った。
5.11後半をサクッと登れないなら5.12後半登るとか見込みが乏しいよ。
コアラは、去年取り付いた時はトップアウトすらできなかった。
ファイナル・カウントダウンはあまり人気のないルートだけれど、最近登った仲間曰くかなり面白いルートらしい。ふーん。
正直なところ半信半疑である。それあれでしょ、登れる人が「これはこれで味があって面白い」とかいうやつでしょ。騙されんぞ。
人気のあるルートは人気が出る理由があるし、それと同じく人気のないルートには人気のない理由があるはずなのだ。
(たぶんだけど、これは100岩に「リーチのない人はランジから始まる」とか書いてあるせいだと思う。仲間曰くランジとかほぼいらないとか。トポは罪深い)
まあここらへんの真実はいずれ自分で確かめたいと思う。
とりあえずまずはコアラを討伐してから。
コンディションとか
滋賀北部は一日を通して断続的に雨が降ったり止んだりするようなアンチクライミングウェザーだった。
それでも岸壁はノーダメージ。染み出しゼロ。予期していた通り。
気温は13℃前後くらい。風が強く、ソフトシェルを羽織る程度では寒い。
でも登っているとちょうどよい感じ。
そろそろダウンを持参しないとダメだな。
自分を含めて4人で来たのだが、他に誰も岩場に来なかった。
こんなに空いている芹谷は初めてレベル。意外。
リボルト後はアプローチが整備されたり、看板が建てられたり。専用のホームページが用意されたりしている。
とてもありがたい。それらに感謝しつつ登らせていただく。
アプローチの整備といえば、岸壁を右に進みトイレエリアとして使われている方向が倒木の影響で、行き来がかなり難しくなっていた。注意。
アップにハングルーズ 5.10a
自分にとってはいつものおなじみ。
これはボルトが新しいか何かで、リボルト対象となっていない。
問題なく完登。
ゴーアウェイ 5.10b
昔触ったことがあるけど、汚れすぎててビビって無理やりトップアウトだけしたルート。
右上部にある大きなフレークが危ないとのことで、終了点が左側に大きく変更されている。
上部が悪い。ステミングが効くのだけれど、右は決まっている一方で左はどこを踏めば良いのか悩む。というかどこでも踏めるのだ。
その上左側はあまりホールドがなく迷う。ステミングのおかげで適当なところでもなんとか持てるのだけれど。
あと終了点のクリップのためのホールドがそれほど良くない。足が信用できていないとちょっと辛い。
でも、終了点が降りたおかげでかなり簡単になった気がする。前はここから右のフレークを使って上がっていくのも難しかったような。
体感的には1グレードくらい落ちてるんじゃないか?という気がする。
アップに適しているかどうかはわからない。
とりあえず完登。
終了点に残置のカラビナなどないので、ラペルリングに結びかえをして降りた。
ミステリアス 5.12b/c
仲間の狙い。
下部の強度の高いボルダーパートをちょっと触らせてもらった。
なるほど。慣れたらできるような気がした。
コアラのマーチ 5.11c
今日の狙い。
ムーブなんて完全に忘れているし、そもそもトップアウトできていないので初挑戦です、みたいな状態である。
まずはトップアウトしないと始まらない。
万が一トップアウトできなかった場合は右隣のラ・バンバから回収できる。そういう保険付きなのがありがたい。
……覚悟が足りていないんだよなぁ。
そんなへっぴり腰のクライミングで成果が出せるわけないだろいい加減にしろ。
1本目
3~4ピン目、それから4~5ピン目のムーブに大苦戦。どうすればいいのかわからない、というより、どうすれば最適なのか迷いまくる。
ルートの真ん中に背骨のようなコルネは正面からピンチでも、体勢次第ではガストンでもサイドとしてでも使える。それゆえに迷う。
たぶん強い人はいろんな登り方ができるのだと思う。
コルネはどこを握ってもガビガビしており、握り方、指の添わせ方、細かな位置次第で保持感や痛みが細かく変わる。
上手い持ち方をしないと無駄に力が入ってしまい、その上指皮も削れる。
辛い。メンタルを折りに来るやつなのだ。凶暴コアラ。
時間を掛けてなんとかトップアウトした。
マスターの場合、4ピン目のクリップが辛い。
2本目
ムーブの確認。そして修正を図る。
これで登れるとは到底思えなかった。
1本目は必死過ぎて何をどうしたかわからないところがあったので、改めて確認するのだがこれにもまた時間がかかる。
終了点周囲にはガバがなく、これが妙にいやらしい。
右隣のラ・バンバで使われているガバを使ったほうが良いのかしらん。
3本目
これでようやくムーブが固まった気がする。
ただ3~5ピンあたりを続けてやると保持感がズレていってかなり辛めなような。
もう指皮も時間も限界だったので終了。
そういやこの課題をやっている最中につまんでいたのはトッポだった。
トッポを食ってる場合じゃねえんだよ。コアラのマーチを食え。
帰り
日の入りは17時20分頃。30分くらいから降り始めたらもうアプローチは真っ暗だった。ヘッデン下山。
こういう環境になるまで登ってたのは久しぶりな気がする。
その割に本数を登れていない。気合が足りていないよ気合が。
帰りはラーメンを食べるかなと思って滋賀北部だとそこそこ人気なラーメンにっこうに寄ろうと思ったら、その近くにある麺や江陽軒が激混みしていた。
いずれ入ってみたいのだけれど混んでいるのはストレス高すぎでNG。
にっこうも結局通り過ぎて、もう面倒になったので家の近くでテイクアウト販売の唐揚げを買って帰った。
なにもかもが雑。
振り返り、今後
次に芹谷屏風岩に来たらコアラのマーチ 5.11cのリベンジを果たしたい。
ぜひコアラのマーチを持参して。
その前に椿岩のシザーハンズ 5.12a/bかなあ。
翌日も岩の予定を入れることができそうだったけどやめた。
今そんなにがむしゃらに岩を登る頻度を増やしても、あまり意味が無い気がする。
……元より自分にとって登ることに意味など無いが。
メンタルが弱っている。
おしまい