ムイ

もはやクライミング日記

2023/12/23 初めての宝塚新岩

 

まえがき

この週の終わりにかけて今年最強の寒波が到来していた。

ただし、最強というわりに近畿の中部くらいは雪が降るわけでもなく、土日の気温は最高気温が10℃弱ほど。

暖冬を実感する。

それでも地元の風の通る岩場や日陰になる岩場は寒そうだったし、最近はおなじみの岩場ばかりを通い詰めていたのでたまには味変、というか気分転換を兼ねて行ったことのない岩場、宝塚新岩に行ってみませんかと声をかけた。

ライミング仲間から宝塚新岩は日当たりが良いので暖かいと聞いていたので。

冬の寒い日ならシラクラという選択肢もあるのだが、去年行き過ぎて食傷気味というのもある。

 

幸い人数が集まったので決行決定。

 

宝塚新岩について

大阪にある老舗のクライミングジム、シティロックジムにトポが掲載されている。助かる。

【2023/3/29更新】新岩のトポが届きました♪ | 大阪・奈良のボルダリング&クライミングジム CITY ROCK GYM [シティロックジム]

 

ルートがいくつか新設されているので、トポに載っていないルートもある。

でもこの点に関して心配にする必要はそれほどない。

ルートの取り付きに札が貼ってあるのだ。

すげえ親切。ちょっとやりすぎでは……?という気も若干するが、まあわかりやすいのは助かる。

 

滋賀からだと1時間半ほど。高速代ガス代で6000円ほど。

3人乗り合わせれば、まあほどよい負担くらいになる。

シラクラだともう少し時間も値段もかかる。

もしかすると道が混むかな?と思ったけれど、混んでいるのは帰りの宝塚駅周辺のみで、高速(中国自動車道名神)は空いていた。楽。

 

当日の朝は零下、最高気温は9℃、風速2~3m。山の中や日陰になるタイミングなども考慮したら体感気温は5℃を下回るときもあるかな?と思って最防寒装備ででかけたけど、これは杞憂だった。

ものすごく暖かかった。日差しがバンバン入る。その上不思議と風が吹き込まない。

冬日とは思えないくらい快適に登れた。

それをわかっている人が多いのか、岩場に人がたくさん。もっとも大きな岸壁のある奥壁に30人くらいいた。

でもルートが多いし待機場所も広めなのでそれほど混んで辛い、という感じでもなかった。

 

9時に駐車スペースに着く予定で向かったのだけれど、前日が忘年会で待ち合わせ時間を間違えて20分ほど遅刻。言い出しっぺなのに大変申し訳無い。

9時頃は駐車スペースは空いていたけれど、9時15分頃になるとほぼ埋まって自分の車が最後くらいになった。

 

アプローチはやや遠い。谷に降りてわずかに登り返すという感じ。

道がしっかりしていて迷うことはない。丁寧に看板があったり。

ただ途中の急なガレ場などはうっかりで大怪我に繋がりそうなので要注意。

行きは下りなので、必然的に帰りは登りになる。これが辛いと仲間は言っていたけれど自分としてはアクセントになって良かった感がある。

ある程度アプローチがないと、締まりが無いよね。(ただし気分による)

 

トポには正面壁が日当たりが良いというので、最初はそこに行って……と思っていたのだけれど、先に歩く人についていったらそのまま奥壁にたどり着いてしまった。

幸い空いているルートはいくつもありそうだし、もう移動が面倒になったのでとりあえずここから始めることにした。

……そして結局他のエリアに行くことなく、ここだけで終わった。

 

ブラックサマー 5.10b

とりあえずアップで近くにある5.10台前半を、と最初に選んだのがこれ。

ガバスラブという感じでその上ボルト8本と長く、アップに最適だった。体が温まる。

トポに書いてあるとおり、右に移るあたりが少し緊張する。丁寧に足を拾うとヨシ。

グレード的にはよくわからない。というか最近グレードというものがよくわからない。

まあ5.10bで合っている気がする。

 

ページターナー 5.10d

元々は5.11aだったらしいけれど、5.10dにグレードダウンしたというのが書いてあった。

とっつきやすい5.11aでちょうどいいかなと思いチョイス。

これもその前に登ったブラックサマーと同じようなガバスラブなルート。

……正直、ブラックサマーとのグレードの差がわからない。これも5.10bくらいで良いんじゃないの?と思った。

こっちのほうがまっすぐ登る分わかりやすい感じがあった。

 

ツルタの冒険 5.11d

さっきのが5.10dならもしや緩めのグレード感か?と思い調子に乗って取り付いたのがこのツルタの冒険 5.11d

下部がスラッとツルッとしたホールドの少ないフェース、上部はスラブの混合。

 

1本目

これは甘く見すぎていた。

まず2ピン目に行くまでに苦労した。ホールドが乏しくムーブがわからない。

右隣には大きなクラックやスラブがあるけれど、これにはこれで別のルートが新設されていた。

なら使うのはNGだろと右側は限定する。するとちょうど面白い感じになった。

結局左側からアプローチしてからの親指プッシュでの渡りで右に移ったり。これなかなかいいムーブだぜ!と言ったのだが一緒に登った仲間は採用せず。

自分が届かないホールドがギリギリ届くのだ。羨ましくなんかねえぞ。

 

3ピン目のムーブもヒールを使って寄せたり。なかなかテクいムーブばかりで面白い。

ただこれは右側の脆い方を使うので、あまり良いライン取りではなかったらしい。

トポをちゃんと読んでおけばよかった。

実際自分が登っている最中に中継に掴んだカチがたわんだので、指の力だけで取り外した。

このちょっと上に尖ったガバがあるのだけれど、多分そのうちそれもボロっと取れると思う。

正しくは左から攻めるべきだったんだな……。左に別のルートがあるので被るとどうかと思って選択肢に入れていなかった。

 

日陰なフェース面からスラブ面に乗り込むところが超絶怖い。手で使えるホールドが乏しいのだ。乗り込んだ後はボルトは足元になるし、その次のボルトまでいい感じのホールドがない。

いろんな力が尽きてここで降りた。

なぜか胃が痛くなった。昨日の忘年会の影響か?コーヒーの飲み過ぎか?よくわからん。

 

昼飯は机とベンチで

シラクラといい、東さんの整備されている岩場は一体型の机とベンチがある。

それをありがたく使わせてもらった。快適~。

 

2本目

とりあえずトップアウトした。上部のスラブは簡単かと思いきや高い乗り込みなどを駆使するところがあって油断できない。

日差しが良すぎて、厚着していたのもあって手がちょっとヌメった。

 

このルートにこれ以上付き合うと他のルートが登れなくなるので、ここまでとしておいた。

次に訪問した際にまた触れたらと思う。

 

坂武者 5.11b

なにか5.11台前半を登ろう、と選んだのこれ。

ツルタの冒険を登ってる最中いろんな人が登っていたのでそこそこ人気ルートらしい。

 

1本目

2~3ピンの間にある、左のドガバなサイドはあまりにもガバガバ過ぎるから限定かと思って使わずまっすぐ行こうとしたら落ちた。そっちからでも行けなくはないはず。

改めてトポを見たら左から行く設定らしい。ちゃんとトポを読め!!

 

上部も左側のホールドをどれくらい使って良いのかよくわからん。

最上部が核心とあるが、それほどでもない感じもした。左面を一切使わずにもっと右から入れば難しくなるかな。

でもそこまですると不自然過ぎる。

 

2本目

若干モヤモヤしながら登りきった。

うーん、ルートが隣接しすぎていてよくわからん。まあいいか。

5.11bあるかな?短いしレストポイントもまあ豊富だし、5.10d~5.11aくらいで良い気もする。

 

Z(ゼット) 5.11a

そろそろ日が暮れそうだったけれど、まだちょっとだけ時間があったので、仲間が登っていたZというルートに取り付いてみた。

壁の中にZが見える見える。たしかにZだな。

 

時間も迫ってるし何も考えずにZを目指して直下から登ったが、これはアンダーカバー 5.10aというルートで、本来はモデラート 5.9という左側のルートから取り付くらしい。

だからちゃんとトポを読めって……。

登っている最中、「たしかこのルートってアップに最適とか書いてなかったっけ。妙に棚の間が広くてこんなん朝一にやりたくないぞ」とか思った。違うルートだから当然である。

 

核心部のことは聞いていたけれど確かにいきなり難しい。

ここだけでグレードがグッと上がってる感じ。

右からヒールでマントリングするっぽいのだけれど距離を稼ぐために手を適当な奥のシワとか握ってやろうとして、全く体が上がらず諦めた。無理。これは無理だ。テンション。

素直に手前のスローパーを握ってやったらまた違ったのかもしれない。

悩んだ末、左から乗り込む方法を試した。左側には体を引き上げるのに使えそうなポケットがあったのだ。

これで解決。

しかし左の太ももが攣った。帰りの車の運転中も攣って辛かった。

その後の上部はガバだらけではあるのだけれど妙に狭くすっぽ抜けそうで怖かったり。

 

帰る

ギリギリヘッドランプがいらない程度の日が暮れた中でアプローチの急登で息を切らせながら帰った。

岩場に自分たちが最後だったと思う。駐車スペースには17時半に着。

そこから渋滞に少しハマったり、ナビが謎の道を示すのに従ったりそもそもナビを見間違えたりしてちょっと時間を取られつつ滋賀に戻った。

 

宝塚新岩、普段触らない感じの岩、ルートで楽しかった。

冬日でも暖かく登れるのは嬉しい。

まだまだ触ってないルートはあるし、行けていないエリアもある。

 

この冬、また来たい。

 

おしまい