ムイ

もはやクライミング日記

(もはや)初めての南紀白嵓(シラクラ)の岩場

 

南へ行こう

関西で冬でも快適に登れる岩場といったら、まあ限られている。

自分の知っているところだと大鳥居(南面でよく日が当たる)、そしてもう一つが白嵓(しらくら)だった。

……この白嵓という漢字は変換でどうやっても出てこないので、以降シラクラと書く。面倒くさいんじゃあ~。

 

しかしこのシラクラ、三重の南の方にあり京滋あたりから行くとそこそこ時間と交通費がかかる。おまけに上記の通り数少ない冬でも登れる岩場で、その上簡単めなルートも多いということでよく混み合っている話を聞いていた。

なのであまり行くことがなかった。

 

1回だけ行った覚えがあって、それは5年前くらいか……?もはや記憶がない。なのでこれは初めてと言って良いレベル。

当時はロープクライミングを習ったばかりで5.10aにヒイヒイ言っていたことくらいしか覚えていない。

 

それはともかく、久しぶりに行ってみたいぜとなり仲間を集めて行くことにした。

 

幸い天気は晴れ、最高気温は10℃くらい。日が当たれば+10℃で20℃だぁ……こりゃ暖かいな?

しかし朝は5℃以下の気温となっていたので、一応防寒装備は揃えて、現地9時前頃に到着。

手前のコンビニについたときは強風が吹いてて「こりゃ思ったより寒いんじゃないの?」と思ったけれど岩場にはあまり吹き込んでこなかった。

 

一番シラクラの訪問歴がある仲間は「この岩場は朝のほうが暖かくて、昼過ぎから寒くなる」と言っていたけれど、それは本当だった。

岩場は東を向いており、午後になると影が増えていく。一番暖かいのは11時くらいだったと思う。

 

アプローチ入り口にはすでに3台車が停まっていて、こりゃ混むな……と恐れおののいていたけれど結局4パーティー10人くらいしかおらず快適に登れた。

思ったよりも空いてるなぁ……みなさんもっとどこか南へ遠征していたりするのかしらん?

 

少し下のボロい空き家の前の路肩に停車。

空き家には猫が住み着いている、という話は聞いていたけれど、まあ猫なんて気まぐれだしそうそう見かけないだろと思ってたのに車を停めたら速攻で近寄ってきた。

なんだこの人懐っこさ!?たまげたなあ。

自分は結構動物に嫌われる方なのに足元にすり寄ってくる。しかしすまん、何もあげられんのだ。

猫はわずかに後ろ髪を引かれつつアプローチ開始。

アプローチを完全に忘れてた……これはもう初の岩場と言ってもいいな!

 

アップ

トポを見て、「たぶんこれ前に登ったような……でも全然覚えていない」というまっ黒クロスケ 5.10aを最初に登ってみることにした。

法面工事のためのコーキング?がされていて岩自体に不自然感を覚える。体は温まった。

ところでここには100岩のトポに書いていないルートが右に1つ、左に1つ追加されていた。それぞれ右が5.10c、左が5.8?らしい。

こんな感じでトポにないルートが岩場全体で4本くらい追加されていたっぽい。

 

もう一本アップ。新設された左端の5.8?も登った。

うーん……。これは、あまり面白くない。

でも初心者のためには良いのかもしれない。

 

パワー

こういう普段頻繁に来れない岩場に来るといつも悩むのは、完登数を増やす目的で低グレードを数多く登るか、それとも目星のルートに打ち込むか、だ。

でも前者だとやはり気が抜けがちなので、一応「これは触っておきたい」というルートを決めてきた。

それがモア・パワー 5.11b。★★なルート。

傾斜がキツめ、ガバが多め。

もうちょっと10台後半とか挟んでから取り組もうと想ったのだけれど、うまいタイミングが見当たらず早速取り付いてみることにした。

 

1本目

自分の後から取り付いた仲間は下部の2ピン目付近で手こずっていたけれど、難なくクリアした。というか、楽だ。ガバだらけで足を先行させればグイグイ上げていける。

下部になんでこんなにボルトがあるんだ?と思ったくらいだった。

核心は4ピン目~5ピン目の間。

ここはコルネの右側を行くべきなのか?左は別ルートのホールドか?と迷ったり、5ピン目を先に掛けるのが難しく止まった。

結局コルネの左側に出てもいいらしい。左ヒールで解決。上部は素直なガバ。

……こりゃ、イケるな?

 

2本目

完登。

1本目がスイスイ行けたせいで核心以外のムーブをあまり覚えておらず、無駄に力を使ってパンプした。

なにはともあれ、目当てのルートを登れてよかった。

 

体験入学

仲間が神戸女学院 5.12aに挑戦していたので、試しに触らせてもらった。

1手目がちょっと遠いし悪いし、2手目が薄く悪く、体が上げられない。

こりゃボルダーだな……。2ピンしかない12aだから強度が高くて当然か。

可能性も見えず、あまりそそられなかったので早々に退学した。

 

トンガリコーン

仲間の登ったドローが残っていたので、トンガリコーン 5.11aにトライしてみた。

こいつも何かと聞いたことのあるルートだったので、挑戦してみたいと思っていたのだ。

道普請は慌てずに 5.10cのルートもドローが残っていたので残り時間と体力でどっちを選ぶか迷ったけれど、とりあえず難しい方から挑むことにした。

 

1本目

3ピン目までは問題なし……ただ、そこからが難しい。

ポッケはガバめではあるけどそれほど良いわけでもなく、張ってきた前腕には辛い。

左にヒールで乗り込むっぽいのだけれど、左手が出せない。

何度もテンションを掛けて悩んで、結局トップアウトできずに降りた。

 

2本目

核心部のムーブで取りに行くところがわかったので気合で左手を出した。

左ヒールの効きというより、体を上げた後右足をスメアを効かせるのがポイントだった。

もうヨレヨレだったのでもう一回やるか悩んだけど、意を決して再度挑戦することにした。

 

3本目

完登。

……核心部の難しさから言えば、モア・パワー 5.11bよりもこっちのほうが難しい気がする。

難しさ的には芹谷屏風岩のラ・バンバ 5.11aと同じくらいだろうか?同じグレードだしこれは納得。

 

ともかく11台が1日で2本登れて満足。

 

クールダウン

私は王女様 5.10aを登っておしまい。

途中ホールドが遠くてそれほど良くなくて焦った。

 

ところで100岩のトポには「私は大女様」と書いてあるけれどこれは誤植らしい。

https://www.kojitusanso.jp/otonajoshi/tozan-report/detail/?fm=26938

大女とか書かれると「リーチが必要なのか?」と邪推してしまうじゃないか。

 

振り返り

遠方の岩場で、特に大きな宿題を残すことなく満足登れたと思う。

次来たら触れなかった道普請は慌てずに 5.10c寄り道 5.11aと、それから葛藤 5.12aを触ってみたいかな。

葛藤は左のスラブが限定されているらしい。しかしトポには使うと楽みたいなことが書いてあってよくわからん……そういう意味で葛藤らしいけれど。

 

おわり。