ムイ

もはやクライミング日記

2024/06/01 登りまくり@蝙蝠谷

 

まえがき

■■の岩場に行くか、蝙蝠谷に行くかほんの少し悩んだところがあったけれど、ちょうどlooooongなルートが終わって一区切りがついた。

それとリード仲間の何人かが蝙蝠谷での登録証の申請をしたということもあり、蝙蝠谷に行こうと思い声を掛けたところ十分なレスポンスがあったので決行。

滋賀から5人で乗り合わせて一人頭1500円はなかなかエコで経済的だぜ。

 

いつも通り9時前くらいに到着。奥の駐車スペースはほぼほぼ埋まっていた。

翌日の日曜日の天気が微妙だったので、この日に集中していたのかもしれない。

岩場は賑わっていたけれど、狙いのルートは幸い人が取り付いていなかったり、そもそも人気ルートを避けて登っていたので特に混雑を気にすることもなかった。

……というか、こういうムーブばかりしているのでいつまでたっても人気ルートに取り付くことができない。

まあいい。★付きルートがそのルートの価値を表すわけじゃない。★のついていないものだって面白いルートはいくつもあった。

混雑しているルートを窮屈に登るより、もっと自由に楽しく登れるルートがいくらでもあるさ!

酸っぱい葡萄ならぬ酸っぱいルート的思考である。心が狭い。

 

この週の半ばにはJR姫新線が運転取り止めになるほどの大雨が降っており、前日も雨だった。

谷の入口にある1本橋も流されたらしい。

つくはら湖の水位も高めでもしかするといつもの階段で降りるルートは駄目なのでは?と心配したけれどギリギリセーフ、濡れる程度に収まっていた。

 

谷の中はいつもはない流れや滝があって驚く。ここまで水が増えるものなんだな。

この日の平地では25℃超えの夏日。でも谷の日陰では20℃程度に収まっていた。湿度はわずかに高め。

水の流れのお陰で少し冷やされていたのかもしれない。


ナタデココ(の陽光) 5.10a/bくらい?

 

とりあえずいつも通りに子年のエリアへ。

アップに登るルートを探すけれど人が取り付いていたり、いつもここでばかりアップをするのは芸がないかなと思いほんの少し足を伸ばして川原のエリアへ。

ここもそこそこ混んでいることが多い。でもこの日は1組がなりゆき 5.9を登っているだけだった。

お、これはいいんじゃない?と壁に近づいたら人気がないのがわかる。染み出しで全体的にジメジメしていたのだ。なりゆきを登っていた人も途中で「めちゃくちゃ染み出しがある」と叫んでいた。

枯れ気味な沢も水をたっぷりたたえていて、湿度は80%超えの環境。しかし気温が低めで冷たくて涼しい。

もうリュックを下ろしたし……と岸壁の左側を探ったら結構乾いている。というか乾いている。

このナタデココ 5.10bとかいいんじゃない?と思い登ることに決めた。

 

1ピン目が少し高めでほんの少し怖い。真下から入ると左側に保持する場所がないのでちょっと右から入る。

そこまでチョークが残っておらず、下からだとどれが保持れるのかどっちから攻めるのかわからないことが多数。

でもしっかりガバホールドがつながっているので快適。グイグイと無心で高度を上げていって、ただひたすら真っすぐ上に抜けた。完登。

 

B8と書いてあったのでクイックドローをその数+終了点用2本だけ持っていったのに1本多く必要で少し戸惑った。

???……そういやトポの図だとほんの少し右に進んでいたような……でもこれは本当に真っ直ぐ。

で、降りてきて仲間が登ったら途中で右に向かうボルトを見つけた。

3~4本目の間か?妙にランアウトするけどガバなバンドがあるからいらないってことなんだろうと思ったけど違った。単に見落としだった。

後半は左隣のまろにえの陽光 5.10cのルートに入ってしまっていたらしい。

さしずめナタで陽光か。たぶん5.10a/bくらい。

 

でもこの直登ルート自体に別に不自然なところはなかった。同じように真っ直ぐ登ってしまっている人もいる気がする。

手数も多くて体をしっかり動かせるのでアップに最適だった。結構好きなやつ。

 

鷲鼻ハング 5.11d

 

前回の宿題。正直そこまで完登意欲はなかった。最後の核心のみなので、これに注力するより別のルートを触りたいな、と。

でも仲間がこの右にあるロンググリーン 5.11cを登るとのことでせっかく近くにあるので取り付くことにした。

前回の感覚だと、マスターで行ってムーブ確認、その次で行けるだろ……。

 

1本目

下部のマーメイド 5.10b/cは相変わらず緊張するし、微妙に忘れ気味だけれどマスターでも安定して登れた。

その勢いのままハングに突入。マスターでもハングの出口までは問題がない。しかしやはり核心の抜けが難しい。

そこで何度かムーブを確認しながら上まで抜けた。

 

自分のクイックドローの手持ちは14本+アルパインヌンチャク2本+マルチなどで使用する安全環付きの1本の計17本。

あんまり細かいことを考えずにそれをすべて身につけて行ったら最後に残ったのがアルヌン1本しかなくてちょっと困った。バラして終了点の2本のチェーンにそれぞれをカラビナをつけて降りた。

マーメイド の終了点に掛けるとボルト数が16になるのだ。終了点に2本掛けるなら18必要になる。マジでギリギリだったな。

降りて残りのギアでもう1本アルヌンを作ってセルフビレイ用に準備した。

 

2本目

もう登れるわ。さっさと登って次だ次!とか、混み始めると面倒だとか思いながら大して休みも入れずにトライ開始したら下部があちこちぎこちないしハング突入前で手順を間違えて一度降りてやり直しをしたりするしでグダグダ。

結局抜けの遠いガバカチ取りに手が届くほど体が動かずテンション。

あーあ。何やってんだか。舐めすぎ。

 

いろいろ試行錯誤して、核心のハング抜けムーブをさらに検討した。

一番面倒なのは左足の運びだ。上体がハングの上に出るとスタンスが見えなくなってどこを踏めばいいのかわからなくなるし、落ち着いて選ぶ余裕もなくなる。

ロワーダウン中にも再検討。2歩省略する方法が確実か?と決めて降りた。

これでミスったらもういいかなーとか思ってたけど、ここまでくれば意地である。登らねば。

 

3本目

下部のマーメイドの核心ムーブをど忘れしてて焦った。これは2本目の二の舞いでは……と不安を抱えながら上部に突入。

ハング内は安定。ハング内のガバはそれほど休めないのでレストは持ち替えくらいで十分。

あとは作ったムーブを声を出しながらこなした。

写真をもらったけどすごい足運びと体勢してんなオイ。真横に足を出してやがる。キツいと思ってたけれどキツい以外ないだろこれは。もっとマシな方法があったんじゃないのか?

最上部のスラブも気が抜けないけれど何度もやっているので問題なし。

完登。

 

……うーん。なんとか2本目で登りたかった。

でも内容を振り返ると3本目に突入したのは当然だったような。まあこんなもんである。

 

それにしても予定が狂ったな。

この時14時くらい。もう新しい本気ルートをやる余力はなさそうな感じ。

 

ADD FRICTIONのGRIP ON(ペースト状のチョークアップ下地)を買った

紹介忘れてた。春に入った頃から手汗に困ってたので液体チョークなどを試していたのだけれどあまり合わない。

仲間にペーストタイプのチョークを使わせてもらったところ意外と良さそうだったので買ってみた。

 

独特の甘い匂いがする。

これは中にみつ類が入ってるからっぽい。

……これでフリクションが増えるとするなら、効果的にはロジン(松ヤニ)と同じ原理なのでは……?まあホールドを汚すものでもなさそうだし大丈夫だろうたぶん。

 

届いた直後はちょっと固形分と液体分が分離しており、開けて傾けたら液体分がドバッと出て焦った。その上この液体内にみつがたくさん含まれていたらしく、かなり甘い匂いが漂って辛かった。

しっかり揉んで中で混ぜてから使うと良い。

リードで使うとロープを咥えるタイミングでこの匂いが漂って集中力が削がれる。

でも慣れたら気にならなくなるかな?

効果はちょっとあるような。抜群にある!という感じではないような。

 

使い込んだらそのうち別途レビュー記事でも書こうと思う。

 

満月 5.11a

もう5.11+くらいを登るのはキツいので、5.11-あたりの空いていて日陰のルートを探っていく。

目につけていたのは満月 5.11a。名前がシンプルでよろしい。

 

1本目

下部はガバ多めで簡単。上部でボルト間隔が詰まっているのはつまりそういうこと。

 

満月というルート名の由来になったホールドがあるのだけれど、自分は登っていてこれに気づかなかった。少し左に離れたところにあるのだ。

上部はカチの連続で、最後にリップへの少し遠目のデッドムーブがあり、これが曲者。

ちゃんと右足をスメアして出れば難しくないのだけれどデッドになるほどと思っていなかったせいで距離が出なかった。落ちた。

うーむ。ここらへんの「このムーブやるならここを抑えとけよ」というのがとっさに出てこない。不器用。

 

2本目

わかっていれば大丈夫。

仲間に倣って満月ホールドをフットホールドとして使った。別に楽になるという感じでもなかったような。

完登。

 

最後のカチの連続からのデッドがこのルートの中身かしらん。

スタンダードな5.11aな感じ?

 

おにぎり左 5.11a

仲間がクイックドローを掛けていたので便乗させてもらった。

下部から登るのか?と思ったけれど結局左の岩からスタートするのが一般的っぽい。

 

1本目

出だしからよくわからない。

微妙なポケットやカチが散りばめられており、どれをどう使えば楽なのか……。仲間のムーブを参考にやや右から入ってみるもののホールドが悪いし、その後の足の行き場もよろしくない。

考え直してやや左から入ったらグッと楽になった。

2ピン目のポケットホールドもそんなに良くない。

途中でワイドピンチを使ったりと多彩。

少し暗いせいでフットホールドがわかりにくい。

左のカンテを使えば楽になるのだけれど、さすがに使うと楽になりすぎるので使わないようにして、テンションを掛けまくりながら登った。

 

いわゆる短しい(みじかしい)系。やってる内容的にはハイボルダーだな……。3級くらい?

 

2本目

この時17時前。もう自分達以外のクライマーはほとんどいなくなっていた。

一応もう一発登っておくかーと回収がてらに取り付いた。ら、登れてしまった。

フリクションが良いので、そこら辺に助けられている気がする。

変に力を入れなくても素直に体を落とせば保持が効くし、どこでも踏める。

最初はバリバリフィンガーパワーが必要なルートだと思ったけれど、わかれば力のいらないルートなのかもしれない。

でも同じグレードの満月 5.11aよりは難しいと思う。

 

アパガード 5.10b

最後のクールダウンに。

仲間が哲学の道 5.10cを登っていたけれどもうそれをやるのは辛いので、鷲鼻ハングを登っている最中に何度も隣で見ていたアパガード 5.10bに取り付いてみた。

結構な頻度でトップロープが張られて人気なルート。

 

出だしがちょっと癖があって、その上1ピン目がかなり高い。出だしにある錆びたハーケンに掛けざるを得ない。哲学の道 5.10cと同じだな。

微妙にジャミングが使えたり、使わなくても登れたり、左右にあるホールドを見落とさないように使ったり、クラックをサイドを効かせながら登ったりとムーブが多彩。

クラックが終わったあたりでカチが出てきてこれがにくい。

ライン取り次第ではもっと楽な方法があった気もするけどそこに突っ込んでしまい、その上スタンスが隠れていて見えないまま足変えをして必死になりながら登った。完登。

 

面白い、内容の濃いルートだ。十分長さがあるのもいい。人気なのもわかる。

それなのにトポには★がついてないので、やっぱり★なんて信用なんねーな!(過激派)

正直5.10bにしては辛めな気がする。

 

帰る

結局岩場には18時過ぎまでいたと思う。

いつもいちばん最後のパーティーになる。

 

みんな早く帰るのは何でだろうか。コンディション的には17時あたりが最高な気がするのだけれど。

大体神戸あたりの都会から来ている人が多いので、「都市型クライマーは早く帰るのかしらん」とか仲間と話をしたりしてた。

 

それにしてもずいぶんたくさん登った日だった。

改めて数えたら9回も登ってる。登りまくり。

グレードが低いのばかりやってるからである。

 

帰りの車内で「明日登ります?」と聞かれて流石に断った。前週、その前の週も同じように翌日登ったらボロボロだったのだ。

これを書いている翌日の昼は倦怠感マックス。レストだレスト。

 

次来たらてんとう虫 5.11cというのをやってみたい。午後になると日が当たるのでキツいかもしれないけれど。

この時期の日差しは熱いを超えて痛い。紫外線は体を壊す。

 

岩場で会った知り合いからは軽くレインボー 5.11cが面白いよと言われたので調べたらこれエネマ 5.10d 20mを登ってからスタートで、そこからさらに30m登るのかよ!

ビレイヤーどうするんだろう。一緒に登ってもらってマルチ的にやるのか?

こりゃ取り付くので一苦労だ。やってみたいけれど少し考える必要がありそう。

 

そろそろ梅雨も近い。

ほとほどにやるぜ。

 

おしまい