1日目
起床、花小岩へ
7時頃に起きて調理場でオーブントースターを使ってパンを焼いたり、ポットに沸かしてあったお湯でインスタントスープやコーヒーを飲んだりな朝食。
この日は花小岩に行く予定だった。
9時に岩場に到着を目指して、荷物の整理をして部屋の後片付けをしてすべて車に積み込んでから8時半にアプローチ開始。
中国自然歩道の看板のある遊歩道を歩いて向かう。
地面は濡れているが、この日は晴れて気温が22℃くらいまで上がる予報となっていた。
この木の柵が出てきたら、この右下は岩場だ。
20分くらいかかる感じ?意外と距離があるし緩やかだけれどそれなりにアップダウンもある。
前日の帰りに様子を見に行こうとか思っていたけれど、行かなくてよかった。
岩場への道を示すケルン。ここを右に降りていく。
岩場に到着。花子岩、という可愛らしい岩に見合わぬ大きさに驚く。
予定通り9時に到着できたけれど、すでに3パーティー、7人くらいの人がいたような。
この後さらに人が増えて10人強くらいになった。
常連らしい人に聞いたところによると、ゴールデンウィークでこれは少なめな方らしい。
犬もいた。かわいい。
自分は犬に好かれる方ではないので遠巻きに見るに留めた。
基本的に犬猫には嫌われている。たぶん人間性が終わっているのを見抜かれているのだろう。
花小岩は午前中は岸壁の右側が日陰となっており、徐々に岸壁の左側が日陰になっていく。
夕方の16時半頃には全て日陰になって、かなり快適になった。
ぬらりひょん 5.11d
アップに何を登ろう。とりあえず岸壁の右の方は日陰だし、簡単なルートが揃っているっぽいのでそちらに向かった。
しかし、どれがどのルートなのかイマイチわからない。
他に登っている人のルートから位置関係を推察しようと、今登っているのはなんですか?とか聞いてみても「えーっと、何だっけ?」という答えしか返ってこなかったり。なんだそりゃ……。
で、目当てをつけたのがこのルートだった。
めちゃくちゃチョークが付いている。見た感じどれもインカットしていて、よく登られているからチョークが付いているんじゃなかろうか。ということはこれが、蜂合わせ 5.10dかな?と思ってアップとして取り付いた。
いざ取り付くと明らかにホールドが悪い。チョークが付いているホールドがどれもツルツルしていて、大してインカットしていない。難しすぎる。
登っている途中で、他のクライマーからこれがぬらりひょん 5.11dであることを教わった。悪目の5.11dだとか。
蜂合わせ 5.10dはこの右隣の、右に大きくトラバースする少し欠けやすいためかあまり登られていないルートだった。
……まあいい。取り付いたからにはトップアウトするまでよ!
1ピン目までで落ちるとヤバそうだったので、右隣のルートの1ピン目のボルトに60cmのスリングで伸ばしたドローを掛けた。
3ピン目のクリップが難しく、諦めてスリングで鐙を作って、それを踏んで掛けたり。
上部でも迷ったけれど、ここはつながりやすい。
なんとか上まで抜けた。
面白いルートだった。悪いホールドをポジションやムーブなどで負荷を落としていく楽しさがある。
この日はこれに注力しようかちょっと悩み、クリックドローを掛けたまま降りた。
まだまだ 5.11c
仲間からおすすめされていたルート。
ぬらりひょん 5.11dにトライを注ぎ込んでも良かったのだけれど、ちょっと気晴らしに登ってみたかったので取り付いた。
少し上に寝れるくらいの大きな棚があり、そこまで下部は欠けやすく危険なため、左隣の栗ごはん 5.10aから取り付くのが推奨されている。
[帝釈]花子岩:まだまだ 5.11c について | TCNet 高梁川流域クライミング交流会
100岩のトポでは栗ごはん 5.11aと記載されているけれど、これは正しくは5.10aらしい。
ちょうどこの時、小猿拳 5.12?をトライしている人が栗ごはんにクイックドローを掛けていたので、それを借りてトライした。
1本目
下部の栗ごはん 5.10a自体は足がツルツルで少し緊張する所ある。手はガバなのだけれど。
中間部ののっぺりとした傾斜あたりが第一核心。ここまで来てテンションを掛けた。
傾斜の上はチョークが良く乗っておりガバだと思いきやそこまで良くないので、裏切られる。
その後のライン取りも悩ましかったり。
上部にも核心が一つ。いろいろホールドが多いけれど、意外とどれも悪くて混乱させられる。刻まずグイッと距離を出すのが正解っぽい。
その後も少し悪目の棚から、なんてことはないカンテだけどここまでくるとヨレで辛かったりするものがあったり。
確かに、「まだまだ」と言いたくなる長いルートだった。
とりあえずムーブがまあまあできた感じでトップアウトした。
2本目
多分行けるだろ、と大した休みも取らずにトライ。
上部の核心の詰めが甘く、テンション。その後も余力が尽きてテンション、テンション。
やれやれ。
ここはこのトライで登っておかなきゃダメだったのに。もっと慎重に取り組むべきだった。
3本目
しっかり休みを入れてからトライ。無事完登。
核心自体の強度は高くなく、取り付きやすいルートだと思った。
長いルートなので、登った感というか充実感もある。
もう一度、ぬらりひょん 5.11d
「めちゃくちゃ面白いのでオススメですよ!」と仲間にぬらりひょん 5.11dをオススメしまくったのだけれど、登った仲間曰く「面白さがわからない」とのことだった。
残念。俺の感性がずれているのか……?
最後のチャンス、といっても完登できる予感はなかったけれど取り付く。
2ピン目あたりが一番の核心だろうか。
手順、スタンスの選択をしっかり構築すれば登れる感じがある……のだけれど、このトライではそれを確実なものにできなかった。テンション。
結局4テンくらいで登りきった。
うーん……まだまだ 5.11cを2回で完登できていたら、もう少しこっちに注力できたのに。無念。
それにしても、このルートは妙に、というか無駄にチョークがついている。
チョークが付いていないところに持ちやすいところがあったりするので、謎。
めちゃくちゃチョークをつけまくる人が登ったりしたのかしらん?たまにそういう人いるよね。
面白いルートなので、また機会があれば触りたい。
Over Play 5.11a
最後の最後に、仲間がまだまだ 5.11cを登るというので、彼だけを登らせておくわけににもいかぬ。ちょっと何かクールダウンというか〆に登ってみたい。と思って選んだのがこれだった。
仲間が完登に苦労しているのを見て、ヨレきった状態で登れるものではないことはわかっていたし、これ以上登ると帰る体力がなくなりそうだったけれど……無為に待っているよりかマシだと思い取り付いた。
1本目
出だしからいきなり怖い。もっとガバだと思ったのに違うじゃん!
一度飛び降りてもう一度やり直した。
2ピン目あたりのアンダーガバ取りがどうしても無理矢理になってしまう。テンション。
その後の2~3ピン目の間も遠く、ヨレた体にはキツい。
以降は比較的簡単。
とりあえず手順やムーブは構築できたはずだが……ヨレは体だけでなく頭にも来る。明らかに詰めの甘いところがある感覚のまま降りた。
2本目
2~3ピン目の間のムーブで足探しをして、落ちた。
スタンスなんか探さずに、フラッギングをしておきゃ良かったのに……でも、そんな余力がなかった。主に頭の方に。
時間的にこれが最後とトライとなり、完登できず。
敗退。
帰る
5時を過ぎるとみんないなくなっていた。コンディション的には、この時間くらいが一番最高だったような。
自分達が最後、5時半頃に岩場を出た。
帰りにこの遊歩道の良さに気づいた。
植生が豊かで、涼しくて気持ちいい。
ながの村に戻るも、宿泊客がいないためか玄関などは閉じていた。
トイレだけ借りて、出発。東城IC前のコンビニでコーヒーなど借りて帰途についた。
途中のPAで夕食でも、と思ったけれど8時を過ぎるとフードコートはだいたい閉まる。
みんな間食などをしてお腹が大して減っていなかったので、夕食を食べることなく家に帰った。
振り返り
絶望的な天気だったのに、2日間ともしっかりと登ることができて良かった。
看板課題には全然触れていない(というか、グレード的に厳しいところがある……)ので、次来たときはぜひそれらを触ってみたい。
下帝釈峡の岩場。良いところだった。
また来よう。
おしまい。