まえがき
3連休であることをすっかり忘れていて、泊まりの遠征を組むとかそういうことを全然していなかった。
まあ、そもそも登攀などなど調子がよろしくないので、いまさら遠方に出かけるという気も起きず。とりあえず地元で登ることに。
本当はもう完登する可能性しかない椿岩のシザーハンズ 5.12a/bを前日の金曜日に登りに行きたかったのだけれど、仲間はいろいろ予定が入っていたりで椿岩に行くという人が見当たらなかった。
残念。最後に訪問したのは3週間前なのでもう忘れそうで怖い。
土曜はこの記事の芹谷屏風岩のお誘いがあったので、それに乗って。
金曜はちょっとダラダラしながらローカルな岩場でフィックスロープを張ってソロクライミングなどをしていた。
ロープソロは久しぶりにやったけれど、まあまあ面白い。ソロシステムがあまり良い感じではないので、いちいちロープ送りをしないといけなかったりして問題だらけだが。
声をかければ一緒に登ってくれそうな人もいたので、事前に連絡を取ればよかった……。
やはりロープクライミングは複数人でやるに限る。安全性の観点からも、楽しさの観点からも。
芹谷屏風岩の話に戻す。
先週はコアラ討伐に成功したので、次の動物は何だ?
ムササビも猿も終わった。小屏風の方に猿がまだいるみたいだが……それはまあいずれ機会があるうちでいい。
やはり、滋賀に住んでいるからにはそろそろ取り組まねばなるまい。デッドライン 5.12cに。
あ゛あ゛~……自信がねぇ~。
もうちょっとここは久しく触っていないブロークンフィンガー 5.11c/dあたりでも再登をはかってお茶を濁すか。だいたい忘れていてどうせ苦戦するだろうし。
などなど考えながら岩場へ車を走らせた。
コンディションとか
前日の朝は霧が濃かった。その時の天気予報では朝方の湿度が100%となっていた。
雨が降っても湿度は100%にはそうそうならない。湿度が100%になる時、それは空間が水蒸気で飽和しているときで、それはすなわち霧が出ているときなのだ。
そしてこの日も早朝の湿度が100%だった。はい、霧確定。
ここ最近は前日雨、当日雨とかそういう日ばかりに芹谷屏風岩には行っていたので、果たして霧の日はどうなのかと向かったらアプローチは全くと言っていいほど湿気っておらず、岩場もやはりよく乾いていた。
芹谷屏風岩、無敵か?
ただこの週末は全国的に気温が高い。平地では最高気温25℃の夏日になっているところもあった。
10時の段階でこの気温。結局岩場でも25℃弱まで上がった。
日差しも強く、体感気温は30℃近くまで上がったと思われる。
でもまあヌメるとか、あんまり困ることもなかった。それ以前の問題だったので。
アップに舞姫 5.11a/b
デッドラインに挑むなら舞姫くらいはサクッと登れなくては話にならない。これからは基本アップは舞姫で、と決めていたので取り付く。
……途中で微妙に迷ったり躊躇ったりして結局1テン。やっぱり一発目にこれはキツイわ。
でも覚えていったら大丈夫のはず。たぶん。
デッドライン 5.12c
舞姫の後に仲間のビレイをして、戻ってきたら別の仲間(過去にデッドライン完登済み)がデッドラインに取り付いていた。
えぇ……。マジで?
ドロー掛けてくれるのなら回収の心配とかないじゃん。というかここまで用意されたら触らぬという選択肢はないだろ……。
というわけでラッキーという気持ちで取り付いてみることにした。
……オンサイトトライなのに、マスターで自発的に取り付いていない。-114514点。
1本目
1ピン目~2ピン目の間の最初の核心らしき縦スロットなフィンガージャム?の処理が全くわからず止まった。
途中で教わるも全然感覚が掴めず。何度か試して指が痛いと呻きながら、ようやく足が上がる程度の感覚を掴めた。
その後がちょっと続きそうになかったというかメンタル的なヨレが来たので降りた。
2本目
なんとか2ピン目を掛けた。
その後は各駅停車気味に進みつつ、6ピン目まで到達。
登っていて面白い。試行錯誤で導き出した解法がハマると手数が進む、というお決まりなパズル感がある。垂壁ゆえにそれほど負荷も高くないし。
まあまだ負荷が高くないところ、つまり序盤ということなのだろう。
6ピン目あたりでメンタルとか集中力とかのヨレが来て降りた。
この段階で結構指皮がなくて痛かった。
前日に花崗岩なんか触ってるせいだよ。やれやれ。
3本目
ロープを残していたので、トップロープ状態で今までのムーブを確認。やはり慣れていけばどんどん負荷が落ちる。
6ピン目から7ピン目のムーブを探る。ホールドの繋がり方とクラックの流れから言って右から回り込むのだろうと色々試すのだけれど、どうにもムーブのピースが見当たらない。
聞いたところ地味なホールドがありそれを使うとグッと楽になった。これは自分では見つけられない代物だった。
7ピン目をクリップしたところでヨレて終了。降りた。
回収
結局最初にドローを掛けてくれた仲間も抜ける自信がないということで、仲間は舞姫 5.11a/bの終了点から右上に抜け、デッドラインの核心を避けて後半に合流する形で終了点に向かうという方法で回収を試み、成功していた。
その昔、舞姫からデッドラインへの派生する舞ラインなるルートのためにボルトを1本増やした開拓クライマーがいたらしいけれど、大顰蹙を買ってそのボルトは撤去されたのだとか。
その追加され撤去されたボルトがなくとも、まあ、舞姫から上に抜けることはできるらしい。
これで回収の心配がかなり減った。これで心置きなくトライできそう。
まあ、敗退ビナを残すよりはマシだろう。
……志が低い。-1919点
とりあえず7ピン目まではメモった。
たぶんそこまでならマスターでも行けるだろう。
最後にラ・バンバ 5/11a
デッドラインを触った後だと何もかもがガバい。
気持ちよく登れた。
振り返り
初挑戦のデッドラインは結局トップアウトすらできなかったが、妙な充実感があった。
少なくとも回収はなんとかなりそう、ということと、面白くて好きなルートだったのだ。
RPを狙うルートとしては、垂壁の細々としたルートのほうが個人的には好きなのかもしれない。バイタルポイント 5.11c/dとかも楽しかったし。
悩む、ムーブを詰める楽しみがある。そのうち嫌になるのかもしれないが。
改めて振り返れば、マスターで行ってないし、トップアウトもできていないし、さらには回収もお任せだし、上げ膳据え膳過ぎて無様の極地。-1145141919810点。
でもまあ結局、こういう無様な一歩を踏み出す以外ないんだよなあ。
カッコイイイケてるクライマーになれる日など来ないのだ。自分は無様を晒し続けてナンボということなのかもしれない。
とりあえず取っ掛かりは作った。可能性は微粒子レベルで感じる。
後は詰めていくのみ。
……そういやタイトルどうしよう。
「デッドライン始めました」と言える状況でもないし、「死出の旅路へ」は縁起が悪すぎるし失礼な感じがあるのでやめた。
まだデッドラインの核心にすらたどり着いていないので「デッ」で止めることにする。
もしかすると「デッカイきのこ見つけました」とか、そういう話かもしれないしな。
特に見つけてなどいないが。
おしまい