最近(2018年)新発売されたクライミングシューズ、スカルパ(SCARPA)のフューリアS(FURIA-S)を3ヶ月ほど使ってみた感想について。
クライミングシューズレビュー!なんて大層なことは言えない、単なる感想群。
- 公式、その他参考になるサイト
- 購入理由
- 足型について
- トゥについて(インドア☆☆☆☆☆ 外岩☆☆★★★)
- ヒールについて(自分☆☆☆☆★ 世間☆★★★★)
- トゥフックについて(☆☆☆☆☆)
- ちょっとケチを付けたいところ
- 誰におすすめ?
公式、その他参考になるサイト
scarpa furia s - Google 検索(最近はクライマーが増えたことでレビューも多い、Google検索で漁ればいくらでもレビューが出てくる)
購入理由
インドア、アウトドア両方のメインシューズであるスカルパのインスティンクトVSをりソールするタイミングで、何か新しくクライミングシューズが欲しくなった。
特に手持ちに不満があったわけではないけれど、たまには新しいシューズを試すのもいいかな……そういや自分は柔らかいクライミングシューズを一度も使ったことがないな……。
という理由で購入した。
足型について
そこそこ細め、ターンインもキツめ。
なので結構足型の合う合わないが出るシューズ。
人によっては全く合わなかったり、ベルクロテープが足りなくなったり(足が甲高だとなりやすいとか)、逆に余りすぎたり。
自分はと言うと……。
かなり余った。足型があっているかと言うと80/100点くらい。
はみ出したベルクロが地面に擦って邪魔だけれど、かといってベルクロ紐を切ったり貼ったりする自信もなく。
紐の途中で結び目を作ることで3~4cmほど短くした。
この結び目を邪魔になることはないので、まあ成功した対処方法だと思う。
サイズはインスティンクトVSと同じEU39。同じ時期に買った人で、同じシューズを履いていた人は1つ小さなサイズを購入していた。自分もそれで良かったのかもしれない。
ある程度攻めても、アッパーソールに付いている穴が広がるのでなんとかなる。
トゥについて(インドア☆☆☆☆☆ 外岩☆☆★★★)
流石スカルパ1柔らかいシューズ!というだけあって、ボテに乗るときの安心感がすごい。
ベタっと張り付けるので微妙な足場でもグイグイいける。
ダウントゥ、ターンインも強いので強傾斜でも使いやすい。インドアでのメインシューズになった。
一方で外岩ではというと……まあ、あんまりよくない。
真っ向勝負なフェースなどは明らかにつま先が負けてしまう。
柔らかいシューズをほとんど履いたことがない自分にとっては、「乗れている感覚はあるけれど、耐えきれずに曲がり落ちる」みたいな感覚はある意味新鮮だった。
ただ、傾斜の強い悪めの足場とか(笠置のうなぎ初段のスタート左足とか)だとエッジの効くシューズよりもピンポイントに捉えることができてよかった。
ベテランクライマーによると石灰岩の強傾斜なんかで有利らしいけれど……そんな岩場近くにないよー。
ヒールについて(自分☆☆☆☆★ 世間☆★★★★)
フューリアSのヒールの世間での評価はすこぶる悪い。
というか身近で履いている人で、ヒールに対する文句(曰くなんか違う、全然ダメ、クソ等)しか聞いたことがない。
挙句の果てにヒールに貼り付けるソールまで売りに出される始末だ。
この増設ヒールをくっつけるとドラゴと同じような形になる。
ただ、自分としては結構使いやすい。
ソールが貼っていない分細く柔らかいため、狭いところに引っ掛けたり、スローパーにべったり押し当てたりする感覚がよく分かる。
粘性の高いという謳い文句のソールであるM50が使われているためか、引っ掛けるより、押し当ててフリクションを活かすほうがいい。
……まあ、マジでヒールが要!みたいな課題だとヒールが鬼のように効くインスティンクトVSに履き替えて挑戦するので、最高に評価が高いというわけではない。
トゥフックについて(☆☆☆☆☆)
個人的に、今までで最高にトゥフックがかかるシューズだった。
柔らかさのおかげなのか、それともアッパーソールにも使用されているラバー、M50のおかげなのか。
よく掛かるというより、かかってもずれない。最後まで粘れる。
これのおかげで解決できた課題もあったので、買ったかいがあった。
ちょっとケチを付けたいところ
ベルクロが細い。これが勿体無い。
細いせいで、雑につけると気づいたら外れてた、なんて時があった。
軽量化あるいは柔軟性確保のために細くしたのかはわからないけれど、ドラゴと同じような形状のベルクロで良かったんじゃないかと思う。
誰におすすめ?
インドア用途で、柔らかいシューズを探している人におすすめしたい。
柔らかいクライミングシューズと言うと、最も有名なものでラ・スポルティバのコブラ(長年の愛用者多数)、フューチュラ(値段がクソ高い)、最近だとSo illのニューゼロあたりが有名だ。
これら柔らかいクライミングシューズを選ぶ中で、選択肢の1つに加えていいと思う。
スカルパは昨今あまり柔らかいシューズを提供してこなかったためか、まだ細かいところのツメが甘く、ちょっと完成度が低いところがある気もする。
ただ、足型が合えば期待通りの性能を発揮してくれるクライミングシューズだ。
代理店ロストアローの企業努力(なのかな?)による世界共通価格の実現と、安定した供給力のおかげで安く比較的容易に手に入るのも魅力的。
周りを見た感じではまだ愛用者は少ない。
もっと増えて欲しい。