ムイ

もはやクライミング日記

2024/10/12 ゆるゆる遠征1日目@瑞牆、ちむちむランド編

 

まえがき

気づいたら三連休が近づいていた。今年は異常気象じみた暑さだったけれど、ようやく涼しさも見えてシーズンインの気配もある。

三連休を無為に過ごすなど許せないぜ……と、以前行って気に入っていた下帝釈峡の岩場に行きませんかと仲間に声をかけたら、主要な仲間が予定が悪く行けないという。

うーん、なら近場の■の岩場とかに行って我慢するか……と悩んでいたら別の仲間から瑞牆に3日間、スポートルートメインで行くのでどうですかと声をかけてもらった。

瑞牆。行きたい。でも3日間はちょっとヘビーだ。2日間でも満足するのだけれど。

さらに別の仲間から土曜に名張に行きますがどうですかなどのお誘いも入り、悩みまくったけど結局瑞牆に決定した。3日間瑞牆に行くという機会はなかなかない。貴重な機会なのだ。

近々大遠征(というほどでもないけどまあ今までよりも長めの遠征)を控えているので連登力も鍛えておきたいという意図もあった。

連登力ってあるよな。正しくは回復力とかペース配分とか言うのかもしれないが。

 

準備

今回は車に乗せてもらうので、車中泊ではなくテント泊。

3連休の天気予報はすべて良いが、気温は18~6℃という予報だった。

……10℃以下って、どういう寒さだっけ……?想像できない。とにかくバチクソ寒いってことだろ。最防寒装備は必須だけれど、日中登る時の服装がわからない。日の当たり具合でも変わるだろし。

悩みまくって、いろいろ無駄に詰め込んでいった。夏用の薄手のクライミングパンツから、冬用の起毛のもの、タイツまで。

結局基本的に日の当たらない場所で登ることが多く、10℃前後で登ることが多かった。

上は薄手の長袖シャツ+ほんの少し防寒機能のある長袖シャツ、下は厚手のクライミングパンツに登攀していないときはメリノウールの靴下を履くという服装であっていた。

もしかすると薄手のクライミングパンツ+タイツでもうまくハマったのかもしれない。

 

あとはシュラフを買った。適当な、安いやつを。山用のちゃんとしたものを買う気はあまり起きなかった……。考えるのが面倒だったのだ。

最低気温は5℃前後になったけれど、ダウンジャケット、ダウンパンツ、象足スリッパなどを着込んで寝ればちょうどよくて快適だった。

 

飯にも悩む。相変わらず悩む。クーラーボックスを持っていないので生鮮食品が持っていけないのが厳しい。荷物にもなるしなあ。そもそも料理が全然できないし、その前準備の時間もないのだけれど。

結局前と同じようなものを持っていった。朝用のクロワッサンとか、昼用のパンとか、夜用のカレーメシとかカップラーメンとか。芸が無い。遠征時のキャンプ飯のクオリティアップは課題のままだ。

 

出発、到着、起床、出発

23時に滋賀から出発、着いたのは5時前くらいだった。

今回自分は運転していないのでほとんど寝ていた気がする。助かる。

幸いキャンプ場は比較的空いていた。全面に露の滴る場所にテントを張って8時起きという時間を定めて眠りについた。

朝起きると……。

 

見事な快晴。

そして寒い。朝露がヤバイ。そこら中濡れている。風もなく湿気がそのまま露になったという感じ。

 

とりあえず朝飯を食べながら、どこに行くか相談する。そう、全然決まっていなかったのである。自分はついていく側的な感じだったので合わせるつもりで目当てもなく、ノープランだった。

ふとしたタイミングで「そういえば自分の瑞牆のトポは一つ古い上下巻のもので、新しい上中下巻の下巻には古いトポの載ってないちむちむランドというエリアがありましたね」という話をして、そこら辺は5.10台のゆるゆると登れるスポートルートが揃っているようなので、そこに行くことに決定した。

 

9時過ぎくらいに不動沢の駐車場に到着。時間が遅いので混んでて停められないかな?とか思ったけれど余裕あり。

思ったよりも空いていた。

 

ちむちむランドへ

木橋を渡り、モツランドをチラッと覗いてエレファントロックへ……の途中から左に上っていくとちむちむランドに着くらしい。

適当に「あれ、踏み跡じゃないか?」というところを見つけて上がっていったけれどちゃんとケルンがある。そこから左に上っていったほうがいい。

 

途中に現れた岩にボルトが入っているのを見つけて、これが入口岩だとわかった。

あとはそのまま登っていけばすぐメインウォール下にたどり着く。明快。

 

手のひらサイズ 5.10b

ひとまずアップで手頃そうな長いやつをやろう、と思い選択。

瑞牆のわりにボルト間隔が狭い。1ピン目と2ピン目がめちゃくちゃ近い。

下部は全部ガバ、上は岩稜歩きに近い。

岩塔の最上部にまで上がってそこに終了点が入っていたけれど、正直ここまで上げずその下の壁くらいでよかったのでは?という気がする。ロープが擦れるんだよなあ。

結構簡単め。5.9くらいじゃないのかと。

 

Rock Climbing 5.9

せっかく瑞牆に来たし、カムも一応持ってきているしクラックルートもやるかーと選んだ。

取り付きがわかりにくく、1回たどり着いてけど気づかなかった。

下部にボルトが入っており、これがなかったらわからないままだったと思う。岩の周りに続く踏み跡をたどれば良い。

 

トポにはボルトの印が2本、カムはC3~C4を1~2とあるので2セット持っていった。

全体的に脆い。そしてボルトが多かった。実際ボルトは下部に3本、そして中間部に1本ある。計4本。

カムも2セットいらない。1セットあれば十分。使ったのも3個くらいだったような。サイズは忘れたけどC4の#05、#2、#4あたり?まあなんでもきまる感じがあった。

 

上部が左と右に分岐しており、どっちも行けそうでどっちが正しいのか迷った。

右はアンダーを使うとトラバースで、中央もいけないこともなさそう。ただ全体的に汚れている。

一度右から行って戻って、やっぱり左に行って戻って、少し降りて考えて、もう一回右に行って途中の立木にスリングで支点を作った。

これ以上どこに行くねん……と上を見回していたら木にかかったスリングと残置カラビナを発見。右に行くのが正解だったらしい。

 

ロワーダウンした後ロープを引こうとしたらロープがスタックして抜けなくなった。

後から続く仲間が登ってスタックを解消してくれて助かったり。

 

全体的に、すっきりしないルートに感じた。フリークライミングじゃなくてロッククライミングだぜ!という意味で名前をつけたのであれば確かにそうだと思う。

マルチの途中にあるメインパートのつなぎ、あるいはマルチの終わり際のなんかごちゃごちゃとした部分を味わえる。

トポ上では☆☆評価だけど☆なしでいいんじゃないかな……というのが個人的な感想だった。

 

Crawl 5.11a

少し移動して、メインウォールへ。見栄えの良い看板ルートらしいCrawlに挑んでみる。

ジャミングをそこそこ使うのでジャミンググローブをしていって正解だった。

トポ図にはボルトが7本書いてあるけれど、実際は9本あるので注意。

自分は念の為10本持っていったので助かったけれど、余分がなかったら大変だったろうなー……。

あとトポにはC2をきめると良いとあるけれどきめるところがよくわからなかった。ボルトが豊富なのでいらない気もする。トポが作られた後に増えたりしたのかしらん。

あと、クラックがかなり豊富なのでたぶんカムのみでも登れると思う。というかそっちのほうが面白いかも。

ルート自体はとてもおもしろかった。長いし、多種多様な傾斜やムーブが楽しめるし、グレード感の5.11a、高度感、景色などなど☆☆☆評価も納得。

オススメ。

 

Closing Time 5.11c

上部のスラッとしたキレイな壁が印象的だったので、メインウォール下に戻りやってみた。

メインウォールとメインウォール下はほとんど距離がないので荷物を置いて移動したほうがいい。コンパクトなエリアなのだ。

トポ図だと近く見えて遠かったりするので、こういうの実際来ないとわからないよなー。

 

1本目

下部のハングが少し難しい的なことが書いてあったけれど、確かにちょっと悩ましい。左側にチョークのついたホールドがあったり。でもそこまで行っても悪いままだったり。

右往左往して「やはり右から攻めるのが良い」と気付き、自分は右ヒールを掛けて体を上げる方法で抜けた。

 

上部のスラブに入ってからがこのルートの本題。フットホールドが乏しく、踏むのが難しい。しっかり体を落として踏めば問題ないのだけれど、ついつい悪目の手に気が向いて疎かになる。

マスターだとクリップが難しく怖く、結局自分はボルトを踏みながらクリップをした。

 

一番難しい部分はスラブの終わり、マントルまでの形作りだろうか。リップに日が当たっていてヌメリうまく持てない。あと、パーミングで止めているので迂闊に体を上げると効かなくなる。

必死になってなんとか抜けた。こりゃ手順をしっかり組み立てないとダメだな。

 

2本目

バランシーなスラブで、ハングドッグでムーブを組み立てると細かいつなぎなどなどがうまくいかないことがある。

まさしくそのパターンで落ちた。改めて確認すると手順が全然できあがっていなかった。落ちて当然である。

普段なら手順を固めてもう一回……!というところだろうけど、この遠征中は完登するという意欲が全体的に乏しく、やる気が起きなかった。

敗退。

でも面白かったので、また来る機会があればもう一度触ってみたい。

 

Aozora 5.10b

最後のシメに。トポにはカムに関する記載がなく、でもたぶんボルトが打ってあるのだろうと仲間が先に行ったらカムが必要だった。

途中で荷揚げをして対処。

続けて自分が登った。カムはC4の#075と#05を使ったような。

 

手のひらサイズ 5.10bよりはフリークライミング要素が多くて少し難しいくらい。

おそらくこれもボルトなしオールNPで登れる気がする。

 

下山

暗くなり始めた中で下山。途中の通ったモツランドではライトに照らされながら登ってる人達がいて驚いた。すげえなあ。

 

木橋を渡って、そこからは薪を拾って帰る。ここらへんの木はだいたい湿っているのであんまり薪に適していないのかも。

あとは飯を食べたり、鍋を振る舞ってもらったり、焚き火をして過ごして。

眠くてしょうがなくなったので22時頃にテントに入って寝た。

 

2日目、コセロック、オランジュ岩編に続く。