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もはやクライミング日記

2024/09/14 まだ暑い小川山1日目

 

まえがき

前回、お盆の小川山遠征から1ヶ月経った。

 

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夏場に小川山や瑞牆にもう一回くらい行きたいなーと思っていたので、誰かの提案を待たずに今度は自分から参加者を募った。

無事人が揃ったので……さてどこに行こうか。

小川山か瑞牆か、どっちでもいいですよーという感じで声掛けをしていたので細かいところまで考えていなかったのだ。

参加者はみんな「どっちでもいいですよー」という返事なのでちょっと困る。

 

こういう時は言い出しっぺが決めればいいのだけれど、言い出しっぺは自分で、その上行きたいところが明確にない。……本当に遠征に行きたかったのか?自分のことながら疑わしくなるぜ。

実際なんか妙に体が疲れていて特にリードでは充実した登りができていなかったり、ko-wallのリード店でパフォーマンス講習を受講してからいろいろジムで試したり確認してみたりしたいことがあったりで、あまり遠征に行く気持ちが盛り上がって来ていなかった。

しかし今更「やっぱりやめときましょう」とは言い出せないし、遠征に行くチャンスが整っているの行かないのも妙だ。

 

気持ちはどちらかというとスポートに向いている、そして簡単なクラックもやりたい。瑞牆はスポートのエリアがカサメリ沢しかなく混み合う上、クラックもワイド傾向が強く難しい。

というわけで今回も小川山に行くことにした。

 

ただ3日間行くのはしんどいので土日の2日間だけにすることにした。同じような意図の仲間がいたので、今回は2+2のパーティーで向かう。4人一緒に行くより交通費がかかるけど、まあそれくらいは全然構わない。

天気予報だと土曜はOK。日曜月曜は午後から雨が降るかも……?みたいな内容で、まあ結局いつもの行ってみないとわからん系の予報である。

 

前回は10時半頃に滋賀を出発したら4時の30分ほど前に廻り目平キャンプ場にたどり着いてしまったので、無駄に一泊分掛かった。なので今回は出発時間を23時に調整。

前日からしっかりと準備を始めて忘れ物なし、完璧。自分はどちらかというと忘れ物をしない方なので、ここら辺あんまり気にしてないけれど。たまに致命的な忘れ物をするクライマーがいるのが不思議でならない。遠征は準備の段階から始まってるんだぜ。

 

いざ出発。

たまたまカーステのSDカードに入ってた相対性理論の夏の黄金比を爆音でリピートしながら車を走らせた。

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もう9月も半ばなのに夏の終わりはいつ来るんだ。コントレックス箱買いする気も失せるぜ。もとより硬水など買わないが。

 

仲間を拾いに行くところで先行している仲間から「中央道の多治見IC~土岐IC間で緊急工事があって通行止めになっているよ」という連絡が来た。事故があって、その復旧工事のためらしい。発生は16時、当日の6時まで通行止め。タイムリー過ぎる妨害だなオイ。

多治見ICで降りて土岐ICで乗り直しても高速代は変わらないような仕組みになっているらしいけれど、諦めて新名神~伊勢湾岸~東海環状~中央道の土岐JCTというルートで走った。+20分くらい。

伊勢湾岸は久しぶりに走ったけれど結構飛ばすトラックと猛烈に飛ばす普通車が多いので少し怖いぜ。

仲間は新東名は3車線で走りやすいと言うけど、本当だろうか。

 

駒ケ岳SAあたりで眠気が限界になったので運転を交代してもらい、助手席で寝る。

そして無事4時ジャストくらいに廻り目平キャンプ場に到着した。

テントや車はお盆の時ほど多くないけれど、そこそこあった。少しウロウロして停めるところを探して仲間の車の近くの路肩に駐車。

 

my new gear...

今回は自分の車で行かないかもしれない。その場合車中泊はできない。なのでテントがいる……というわけで重い腰を上げてようやく山岳用のテントを買った。

仲間が使用しているテントなど聞いて回ったりして、mont-bellのステラリッジ2アライテントのエアライズ2に選択肢を絞った。あとはメルカリなどを見て回ったけれど山岳用テントってそんなに出物がない。

キャンプブームが去ったから中古市場にキャンプ用具が溢れている、という話を聞いたことがあるけれど手堅いある程度高価なテントはそこまででもないらしい。出品されていても3年使ったものが5000円安いくらいとか。それなら新品買うわ……。

 

というわけで、アライテントのエアライズ2楽天経由で買った。mont-bellのステラリッジ2は買いやすいけれど使用者があまりにも多いのでパスした。

正直良し悪しは良くわからない。他のテントを全然知らないので。設営、撤収など特に不満なく使えた。

 

ただ設営やらなんやらで、寝たのは5時くらいだった。起きる時間は特に決めていないけれどまあいつも通り7時だろう。

その後は次々とやってくる車の音にあまり眠れず、浅い眠りのまま朝を迎えた。7時過ぎくらいにテントを出ると仲間がタープを貼っていたのでそこに荷物を運ぶ。

 

今回新しく仕入れたギアはこれだけじゃない。

バーナーも買った。イワタニのカセットガスジュニアコンパクトCB-JCB。家庭用のカセットガスが使える愛好者の多い代物。

あとついでにCAPTAIN STAGのケトルも買った。安かったので。小さなテーブルも買った。安かったので。これらは酒を飲んで酔った勢いで買った覚えがある。

バーナー、ケトルの使い勝手は良し。テーブルは仲間が持ってきたものを使わせてもらったのであまり出番はなかった。

 

朝飯はスーパー併設のパン屋で買ったクロワッサンとポタージュスープ、コーヒー。まずまずな感じ。

 

屋根岩3峰へ

小川山に行くなら屋根岩3峰にある働け!ロッククライマー 5.12bを触ってみたい、という仲間がいたので、この日は屋根岩3峰周辺で登ることに決めていた。

トポを見ると3峰には取り付きやすそうなグレードのルートが多く、西面、東面と揃っているので午前午後で日差しを避けて行動できそうなのも良かったというのもある。

 

8時半にキャンプ場を出て、屋根岩パノラマコースを辿り、石の魂などのボルダーを通り過ぎてソラマメ下部スラブに到着。だいたい9時前くらい?結構近い感覚。

とりあえずここらへんから登っていこう、ということになった。

 

三色すみれ 5.10a

ソラマメ下部スラブの真ん中を登るルート。ボルトが少し少なめ。厳しいスラブの多い小川山で朝一でこれをやるのは難しいんじゃあ……とか思いつつも、仲間が登ったので自分も続けて登る。

1ピンが高く、ノープロな状態で朝一発目に最下部をまっすぐ登るとヤバそうなのでちょっと左から巻いた。許せ。

中間部は問題なし、緊張するのは最上部だろうか。かかりの良くないホールドしかなく、ビビる。

でもまあ傾斜ゆるいし、明確なフットホールドはあるし大丈夫だろと落ち着いて行った。

たぶん仲間が先に登っていなかったらもっと迷ってた気がする。

トポでは☆☆評価。短くてわかりやすく、それほど厳しくもなく、程よいルートだった。

完登。

 

ソラマメハング 5.10c

もう少しアップしたい、ということで選んだ。小川山では珍しいハングなルート。ハングと言っても最初の2ピンくらいだけど。

トポには素直に持たせてくれない的なことが書いてあり、確かにそうだった。パワーがない人だとしんどいかもしれない。

丁寧にムーブを作って登ろうと思ったけど結局「お、悪い、お、お?」とかなって、結局ゴリ押ししてしまった感がある。上部は簡単。

気持ちよくグイグイと乗れるルートだった。インドアで登ってる人なら5.10aくらいに感じるかもしれない。

完登。

 

働け!ロッククライマー 5.12b

ダンナ岩という小ぶりな岩にあり、ソラマメスラブから左上する感じに歩いていくすぐに見えてくる。仲間の目当てのルート。

行くと日に照らされていてそこそこ暑かった。トポでは西面にあるように書いていたけれどどうやら南面らしい。

 

最初のホールドが悪く、フットホールドも悪い。初手からクライマックスなルートだった。

流石に厳しそうなので仲間はプリクリで取り付くことに。そして初手が取れないまま自分にバトンタッチ。

左手をどこに狙いに行くのか、どっちの足で踏んで出るのか、などもどかしい。めちゃくちゃボルダーチックなルートだった。

自分は左足で分で、左手出しで手前の小さなフレークのようなホールドを取りに行く手順である程度安定した。リードジムのパフォーマンス講習で教わったことがかなり役立ったり。ためになるぜ!

しかし二手目も悪く、それが取れない。左足を上げて左手をガバに送るか?右手を悪いところに出すか?悩ましい。

何度もやるとカチに食い込ませている右手の小指が痛くなってくる。

 

途中、今回の遠征に参加していない仲間から「◯◯さん、何登ってるんですかー!?」と聞かれてビビった。

返事をするも一向に姿が見えないので集団幻聴に掛かったのかと思ったり。その後普通に顔を合わせた。小川山に来てるかもなーとか思っていたけれど、まさかこの広いエリアの中で同じエリアに来るとは……といっても、そこまで意外さもなかったり。

同じような場所で登っていると、同じような思考になるもんだ。エリア選択もしかり。

 

話を戻す。

その後も仲間と交互にトライを重ねたけれど「これ以上やるとこの日は終わる」という雰囲気になり、最後に1ピン目のガバあたりから登ってみたけれど……中間部もすこぶる悪く、上部も悪く、つまりすべて悪い。

結局トップアウトできなかった。

負荷が高いし難しすぎる。もっと良いシーズンならなんとかなったんだろうか。いや無理臭い。

ド敗退。

 

クーベルタンの逆襲 5.10c

働け!ロッククライマーの左隣にあるルート。傾斜したハンドサイズのクラックを抜けて、上部は簡単、最後に働け!ロッククライマーの終了点まで右にトラバースをする。

下部のハングしたクラックが意外と手強く、ヒイヒイ言いながら登った。カムはC4の#1あたりがよく決まる。

最後のトラバースはちょっと怖い。トラバースするための足が乏しいのだ。でも左足を上げてしまえばリップ奥のガバに届くようになるので、まあなんとかなる。

完登。

 

メルトダウン・ダイレクト 5.11d

昼を過ぎて、そろそろ東面が影になってる頃だなと屋根岩3峰のメインウォールに移動することにした。

睡眠不足で目の奥がどんよりと重い中、ちょっと急登を進んでメインウォールに到着。

ここでの狙いは☆☆☆なメルトダウンダイレクト 5.11d

トポの写真や説明からフェースだと思ったけど実際はかなりスラブ寄りのフェースだった。

 

仲間が先に取り付くと、1ピン目あたりから「暑い!」と言い出した。ビレイしている場所は涼しいのに。どうやら日が当たっていた名残があるらしく、熱気が滞留して抜けていないらしい。

まあルート名がメルトダウンだしそういう熱い環境なルートであることを予想しておいたほうが良かったのかもしれない。

仲間は迷いながらも高度を上げていったけれど、最上部あたりでテンションとなった。なかなか手強そう。

 

続けて自分もトライ。中間部も気を抜けない。

途中ガバがあるのだけれど、「ガバだからいらないでしょ?」とミニマルボルトの精神で当然のようにそこはランナウトする。気が抜けなくて辛い。

そこを抜けて足が良くなったあたりで集中力とか気合いが尽きたらしい。

無駄に迷い始めてテンション祭り。最上部の核心までたどり着くもののもう頑張る気力がなくなったので降ろしてもらった。

もう一回やる気も残っていなかったので、結局1回だけ。

敗退。

 

ブレインストーム 5.10d

この時点ですでに15時半くらいだったような。しかし体力気力的にはすでに17時を回っている感じ。

そろそろクールダウンか?……でもまだ時間があるししっかりと登りたい。せめて3峰メインウォールの岸壁を終了点まで登りたい。

ということでメルトダウンの隣りにあるブレインストームというルートをチョイスしてみた。

さっきのが5.11dなら、4グレード下のこれくらいは行けるだろう、と。

 

下部、中間部は特に問題なし。軽快に高度を上げることができる。

ただ、このルート、ボルトがちょっと怖い。

ケミカル用のハンガー一体型のアンカーが刺さっているのだけれどやや細く、ケミカルが全然充填されておらず、ドリルで掘った穴に刺さっているだけみたいに見える。本当にこれ大丈夫なのか……?

その不安を抱えつつ進み、ダイクの上に立って、ガバを取るとそこからが核心。傾斜がなくなり一気にホールドが悪くなる。

なにより嫌らしいのはそのガバでクリップできるところにボルトがあればいいのに、その時点で足元の30cmほど下。そこから核心をこなさないといけなくて超怖い。普通ここに打つだろ!なんでなんだよ!イジワルか!

ビビるしヌメるしでもうどうにもならなくなって、降りた。

ド敗退。

 

結局仲間が登ってドローを回収してくれた。申し訳ない。

仲間曰く、自分が詰まったその次がさらに難しかったらしい。難しさからすると左隣のメルトダウンダイレクト 5.11dよりも上だったとか。

……グレード表記間違えてるんじゃないの……?

 

ちなみに右隣にある骸骨ビヨヨ~ン 5.11aのルートの途中には敗退のためだろうか、ハンガーに捨てスリングが掛かっていた。

屋根岩3峰メインウォールの右側のルートは気をつけないとエラい目に会うのかもしれない。

 

同志会ルート 5.10a

このままでは悪い印象を抱えて1日を終えてしまう。最後に何かちゃんと完登したい!

ということでクールダウンがてら、仲間が登った同志会ルートというのをクールダウンがてら登ってみることにした。

 

基本ガバだけどガバからガバが遠く、そして足が悪いところがあったりして気が抜けない。そこそこランナウトするのも小気味よい。

完登。

 

ルートは25mとあるとおり、50mロープでギリギリちょうどだった。ロワーダウン時に荷重などで伸びた分でちょうどになるくらいなので、少しでも切っていたりすると届かなくなりそう。ロープの末端を結んでおくことは忘れずに。

降りてきたら17時半くらいになっていた。今日は店じまい。

荷物を片付けて下山した。

 

夕食、宴会

18時半にもなるとすっかり暗くなり、タープの下で夕食の準備をして食べる。

自分は昼の残りのおにぎりを食べたくらいで、後は全部仲間の料理をいただいた。焼き鳥とか焼き肉とか焼きそばとかアヒージョとか。

それでお腹いっぱいに。いつもいつも申し訳ない。

持ってきた赤ワインの残りを仲間にあげた。それくらいだ。

 

料理持ってくるなら、クーラーボックスがいるんだよなあ……うーん。できるだけ荷物を減らしたい方なので悩ましい。

次行くときは現地で薪を買おうと決めた。

 

あとは恒例の焚き火をして、その中でF1のアゼルバイジャンGP予選をDAZNのアプリで見ていたりした。勝手すぎる。

協調性がないクライマー、-120点。

 

22時半頃に燃やすものが尽きかけて、そろそろお開きにしようとなり解散。

こういう疲れ切った日は逆に眠れなくなるので弱めの睡眠薬を飲んでから寝た。

この日の最低気温は17℃くらいだった気がする。

 

自分はシュラフを持っていないので、ダウンを着込んで寝るつもりだったのだけれど起毛のmont-bellのフリースを着ているくらいでちょうどよかった。

足元はワークマンのメリノウールな靴下にワークマンの象足。あとワークマンのダウンパンツ。安上がりな装備である。

これで特に問題なし。

 

おやすみ小川山。

 

2日目に続く。

 

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