
- まえがき
- カナトコ岩への駐車スペースへ
- アプローチ
- コンディションとか
- キャプテンK 5.10c ✕✕◯
- 昼飯休憩
- 24カラット 5.12a ✕✕◯
- さしみ定食 5.9 TR ◯
- 登り返し、迷いながら帰る
- 割烹田舎へ
- 振り返り
まえがき
先週末は寒波。それを避けるために暖かい楯ヶ崎の岩場の三国合同エリアで登っていた。
そして今週末も再び寒波。となると再び暖かい岩場に行くしかない。
瑞浪か、また紀南のシークリフあたりか。
現状の自分のパフォーマンス的にはタイのクラビでの胃腸炎から完全に復帰している感じでもなく、もうちょっと時間が必要な感覚。
なのでRPグレードをガツガツ狙いに行くより、エンクラ狙い(といってもほとんどエンクラしかしていないのだが)で行ったことのない場所の経験値を増やす、半ば旅行的な気分のところがいいなと考えた。
というわけで尾鷲のカナトコ岩をチョイスした。
アプローチなどやや困難だけれど風光明媚と評判だったので。
仲間に声をかけて、5人集まり決行決定。
カナトコ岩への駐車スペースへ
先週末の楯ヶ崎と同様に滋賀南部を6時半に出発。
仲間をピックアップしつつ、最後の買い物場所として8時45分に紀北PAの始神(はじかみ)テラスに到着。

ここ、すごくいいPAだな!
施設が新しく、そしてお土産や名産品の揃えが良い。オススメ。

見慣れないしゃっぽん焼きというものを買った。紀北名物らしい。
生地そのものの中心にあんこを練り込んだ、モチッとした小さなどら焼きという感じでまあまあ美味い。
いくつか食べて、残りはお土産にした。
空いている道を進み、この調子で無事駐車スペースに到着できるだろうなーと思っていたら、途中から道の舗装がなくなった。

アバウトだけれど、黄色い部分あたりが未舗装の林道。これがかなり悪い!
瑞牆の不動沢駐車場に至る道よりも凸凹していて悪い。5人乗りのFREED+だと何度も車の底を擦った。なので車高高めのオフロードタイプの車が絶対にいい。普通の街乗り車だと結構キツイ。
アプローチが厳しいとは聞いていたけれど、まさか車のアプローチまで厳しいとは思っていなかったわ……。
底が擦るか擦らないかという中でノロノロと車を進ませるのはストレスが半端ないぜ。
早々に疲れた。
でもなんとか165mピーク手前の駐車スペースに到着。

すでに車が3台も停まっていて驚いた。少なくとも2台はクライマーっぽい。
これは岩場はそこそこ混んでいるのでは?とか思ったけど岩場には誰もいなかった。
近くに三木崎海金剛とかいう岩場もあるっぽいので、そこに行っていたのだろうか。あるいは見知らぬ岩場があるのかもしれない。海岸線はいくらでも登れそうな場所があるしなあ。
アプローチ
アプローチやトポなどについてはジャミング紳士氏こと大藪氏のブログにて公開されているものを参考にさせてもらった。
開拓含めて、すごく丁寧で助かる。ありがたい。
9時40分くらいからアプローチ開始。

元盛松の集落の入口までは緩やかな山道を10分くらい。

思った以上に広く、立派な集落跡地で驚く。
廃村になったのは1927年、100年前らしい。風情を残しつつも綺麗に整えられているのは観光資源として整備されている面もあるっぽい。
三重:尾鷲の集落跡「元盛松」 地域住民歴史伝える:地域ニュース : 読売新聞
集落の外れあたりに、目立たなく小さな看板あり。

ここから右に、斜面を横切るようなトラバースじみた道が始まる。
ちらほらあるピンクテープを頼りに進む。
118mピークあたりで細い道は終わる。
平地で開けているので休憩も兼ねて懸垂下降の準備などのためにハーネスを付けたりした。
ここまでで35分くらい。

正直早く準備しすぎた感はある。
あとは尾根伝いに緩やかに下り、最後はちょっと足場の悪い急斜面を登り、少し下ってカナトコ岩へのラッペルポイントに到着。

出発から1時間が過ぎていた。
トポには「所要時間40~60分」と記載があるけれど、慣れていたらという意味合いだと思う。
初見だとここにたどり着くのに準備を除いても最低でも50分は掛かる感じある。さらにここから懸垂の準備と懸垂がある。どう考えても1時間超えるぜ。
2本の木でバックアップを取りつつ、フィックスロープの支点を構築。
下降は一枚の岸壁を降りるという感じではなく、段々となっている大きな岩を降りていく。知らない状態でロープをまとめて投げるとあらぬ方向に飛んでいきそうだったので降りるたびに少しずつロープを下ろしていった。

最後はボルトの支点にスリングやカラビナなどでロープを固定し、さらに下降。
2つのラッペルを1本で行っても、45mくらいのロープで十分届く。
駐車スペースを出発したのは9時40分で、岩場に5人全員が降りきったのは11時過ぎ。
結局1時間半くらい掛かった。慣れていないとはいえ、噂に違わぬキツめなアプローチだぜ。

ちなみにこの地面の白い部分はすべて鳥の糞である。真っ白になるくらい積もっている。
グアノがどうやってできるのがわかるなあ。
コンディションとか
この日の尾鷲の天気予報は最高9℃、風は2mの快晴。
荷物の影の置いていた温度計は大体14℃くらいを示していた。やはり暖かい。
でも風は予報より強かった。東風。カナトコ岩の前にいると風が来ないのだけれど、そこからズレると強く当たってきて寒い。
常に日差しが当たっていて昼寝をするには最高のコンディションだった。
もちろん、クライミングにも。
キャプテンK 5.10c ✕✕◯

まずはアップに、カナトコ岩で最も優しいスポートルートを……と取り付いたのがキャプテンK 5.10c。スラブ要素の強いルート。
カナトコ岩の裏側の北面にあり日が当たらず、そしてビレイヤーには風が当たるのでそこそこ寒い。
当たり一面は鳥の糞で真っ白。ボルト、ハンガーも真っ白くなるくらい鳥の糞が積もっている。
このせいでホールドを保持したり踏んだり保持することに躊躇する。踏んだところや握ったところがポロポロと崩れることがあったり。
出だしを右から攻めようとするができない。やや左から入ろうとしても厳しい。
もっと左から入らないと難しいらしい。そしてこの左トラバースが、地面のない海側に出ていく緊張感があり、思ったより持つところが乏しく、足置き場も鳥の糞などでわかりにくい。
たまらずテンションした。
落ち着いてホールドを探す。チョークでティックマークをつけようにも鳥の糞の白さでわからないので諦めた。
ムーブ的にはこの出だしの左へのトラバースが一番難しいというか緊張すると思う。
結構左から入り込んだが、そうするとこの後4ピン目がクリップできなくなる。
最初のトライではなんとか右に入り込んで、3ピン目のボルトを踏みながらクリップしたけどかなり難しい。右に行くほど鳥の糞が乗っており、踏むと崩れる。
結局左から攻めた。
ボルト直登だと5.11aらしいけれど、それより難しくない……?
上部の棚を掴めばほぼおしまい。
棚には何かブニョっとした、よくわからないものが乗っていてそれを掴んでしまい気が滅入った。
終了点すぐ下はフットホールドがないので、やや緊張する。
とりあえずトップアウトした。
続いた仲間は完登。自分と同じく左から回り込んだので4ピン目にクリップできず飛ばしていた。
2回目。仲間を真似て3ピン目直後の手順足順を変えたら詰んだ。テンション。
すぐやり直して3回目で完登。結局自分も4ピン目は飛ばした。
……異色のルートだった。開拓当初からこんなに鳥の糞まみれだったんだろうか。
わかってしまえば負荷的には5.10cだとは思う。でも初見でこれをマスターでサッとこなすのは難しいな……。
正直、最初に取り付くのには向かないルートだと思った。
クラックだけれど、あまりクラック的な登り方を要求されないさしみ定食 5.9やYouTuberがやってきた 5.8とかのほうがアップに向いているかも。
昼飯休憩

最近流行りの麻辣系のインスタント食品はガチ辛いやつとそうでもないやつがあり、これは前者だった。ここら辺パッケージだけだと判別つかない。
明日の腹がヤバくなるのを覚悟しながら食べた。
24カラット 5.12a ✕✕◯

さっきのキャプテンK 5.10cの異様さに気圧されて、こりゃ5.12台は厳しいだろうなと5.11台のBon-Bon 5.11cに取り付くことを考えた。でも自分より強い仲間が下部で苦戦戦していたのでそれも考え直す。
別の仲間が24カラット 5.12aを触っていて、面白そうだったのでそれを登ってみることにした。
3ピン目あたりが核心。凹角の周囲に散らばるポケットやカチなどをどのように使って手順、ムーブを組み立てていくのか、これが悩ましく面白い。テンションしてあれこれ試行錯誤した。
一緒に取り組んだ仲間は自分も含めて3人。3人とも違う手順になっていた。面白い。
自分は左手を目立たない薄カチに、左足を凹角左のポケットに置いて、クラックのサイドガバに左手ガストン。そして左足を中央のポケットに動かし右足を上げてクロスでガチャっとしたカチに。左手をカンテのガバカチに送って、右足上げ、左足を上げて左側のサイドカチを保持して棚ガバ取り、といった手順。
上部も結構ムーブがあり気が抜けない。シーケンスごとに大レストできる場所があるのが救いか。
上部にはルート名の由来になったっぽい大きな水晶がある。
この岩の下部にはいくつか大きめのポケット。こういうのは他の花崗岩でも見たことがある。おそらく過去に水晶を掘り出した跡なんじゃないだろうか。
ちなみにルート上にある水晶はガビガビしているので保持しやすそうと思って握ると結構滑る。
とりあえず手順、ムーブはできたけど繋ぐのは難しいぞこれ。と、なりながら2回目。
ガストン取りでミスって落ちた。左足が微妙で、上手く残したままガストンするのが難しいんよな……。
花崗岩らしいフリクションの豊富さで、指皮がかなり削られていく。
タイで患った胃腸炎の影響か、その頃はしっかり皮が作られなかったらしくその時期の層から指皮が大きくめくれてしまっていて皮が弱い状態なのだ。
核心部のムーブはギリギリ感があって再現性が微妙。
とりあえずトップアウトして上部のムーブを確認。
ラストチャンスの3回目。なんとか繋がった。完登。
最上部のガバカチ取りでそこまでインカットしていない右手サイドを使ってカウンター動作をするけど、握った瞬間「あ、これは無理」とか思って少し戻って大レストを挟んだりしてた。諦めずにやってよかった。
自分が1日で登れるってことは、5.12aより簡単めなのかもしれない。体感5.11dくらい?仲間は5.11cとか言っていたり。
トポにはオンサイトの経緯が書いてあったので、オンサイトを意識したグレーディングなのかも。
それはともかく面白いルートだった。★★以上はある感じ。オススメ。
さしみ定食 5.9 TR ◯

レイバックを多用するクラックルート。時間があったら登るのでトップロープ残しておいてくださいと仲間に頼んでいた。
最後にクールダウンを兼ねて。
時間がないので24カラットを終えてから速攻で取り付いた。リードでカムを使って登りたかったけれどその余裕がなく、最近クラック登ってないし変に詰まると厄介だなと思いトップロープで登った。
マジでレイバックしかしない。テーピングやジャミンググローブが不要なルート。
途中迂闊なところに右足を上げてしまい、詰みそうになったけどなんとかこなした。これカムを入れてリードしてたら緊張で無理だったろうな。
登り返し、迷いながら帰る
16時半くらいから帰り始めた。
帰りはユマーリング(登り返し)。

仲間はペツルのハンドルタイプのアッセンダーを使っていたけれど、自分はロックテリクスの安いアッセンダーとグリグリの構成。
これだと押し上げる、そして下のロープを掴むで結構しんどい。
ユマーリング自体ほとんど初めてだったので、かなり苦労した。
でもまあなんとか事故や怪我なくこなすことができた。

途中、揺れているデカイ岩があるのでビビったり。

5人全員が登り返して、ロープなどを片付けたのは17時半。1時間も使ってしまった。
ヘッデンを点けて、元の道を戻る……のだが、途中行き過ぎて尾根を逆側に降りてしまったり。
さらには118mピークで右側に行く部分を見落として行き過ぎて戻ったり。
暗闇の中で迷いながらも集落跡にたどり着いた。

結局駐車スペースに戻ったのは19時だった。
やれやれ。もっと早く帰るべきだったなあ。
割烹田舎へ
夕食はクライマー御用達の食事処、割烹田舎へ。
以前、梶賀の岩場を訪れた帰りも寄ったことがある。
前はさしみ定食を頼んだけれど今回はいくら丼で頼んでみるか……と思ったらいくらがなかったのでなんとなく牛串カツ定食を頼んでみた。

ご飯が多い。お腹いっぱい。
個人的には割烹田舎よりも食事処おふくろのほうが美味しくて好きかな。
あとは空いている高速を走り、家についた頃には23時を回っていた。
まさかこんな時間になるとは……。
振り返り
なかなか得がたい体験のできる岩場だった。ロケーションもいいし。
結局ルートを3つくらいしか触れてないのが残念。もう少し触りたかったけどグレード高いの多いし、時間の使い方変えてもそんなにいっぱい一気には無理だったかも。
次は……うーん。しばらくはいいかな……。
次の冬シーズン、またこういう時期に訪れたい。
おしまい。
