世界中が新型コロナウイルスの蔓延で戦々恐々としている春の日。
晴れ時々曇り、風ややあり。
フクベボルダーで外岩ボルダリングを楽しんできた。
外岩ボルダリングの熱がまだ入らない、というかまだ室内ボルダリングに行けるような指のコンディションではなく、そのためボルダリングのための心身に仕上がっていない状態。
リードジムで足りないものに気づき補う日々が続いていた。
そんな中でもありがたいことに外岩ボルダリングのお誘いはかかる。
行き先はフクベボルダー。
返事は無論OKだ。
フクベでやるべきこと、というと現在の大目標であるバックドロップ 1級の完登なのだけれど……前述の状態で完登できるイメージが全くなかった。
また、一緒に来ていた他の仲間はみな完登済みのため、今回はパスすることにした。もうちょっと心身整えてからだ。
どこに行くか……行ったことのない上流山エリアの最奥を目指すか!とアプローチを開始。
最近は足腰を鍛えているので長いアプローチでも問題なし。
ただしマット2.5枚は肩と背中にクるものがあるぜ……。
広い道が終わり山に入ると、笹原になっていた。
笹にはササダニ(マダニ)がいるので嫌だなあ。フクベでダニの話はあまり聞いたことがないけれど。
そして到着。山エリア最奥、G4の岩。
でかい。これは岩の一端に過ぎない。中には魅力的なルーフがあったり、この裏側がメインとなる部分だったり。
裏側で高難度課題に取り組んでいる人がいたので、自分たちはボンボン 初段+から手を付けることにした。
正直この傾斜、ルーフ感は自分には無理無理無駄無駄駄目駄目という気持ちしかなかった。
とりあえずアップで適当な岩を登ることにした。
G4の岩の山側には巨大な岩がいくつも聳え立っており、ボルトが打てそうな規模だった。
岩の真裏、ほどよくホールドがつながっている岩壁に目をつけた。
登られた形跡は全くない。高さにして8~9mくらいだろうか。
……よし、行くか。グラウンドアップ!!
もはやマットは用をなさない。フリーソロ。
難しさ自体は7級とかそんなくらいだと思う。無駄な充実感だけあった。
下降路探しにしばらくウロウロして、安全なルートを発見、無事戻れた。
今回のNEWアイテム。
通っているジム謹製のアルコール入り液体チョーク。
新型コロナウイルス対策も兼ねてという冗談的な感じで購入した。
アルコール度数は90%近くであり、すぐ手が乾く。しかしよく固まる。中に撹拌用の鉄球が入っている。
最初は縦に振ってカチャカチャと溶かしていたけれど、鉄球が動いた後は底面で鉄球を回すようにして振るとすぐ溶けることに気づいた。
G4の岩に戻ると、仲間の一人は早々に登り終えていた。もうひとりはまだ負荷慣れ、ムーブ構築中。
ダメ元な気持ちで参戦。一つずつバラしていった。
どういうわけか頭が冴えており、ムーブ解析が進む。リードに打ち込んだおかげだろうか。
かなり良い感じでムーブを構築することができた。それに集中していたのか、時間があっという間に過ぎていた。
繋ぎ開始!
バラしたムーブ同士の連結部の精度が甘い。最近ご無沙汰なルーフの負荷に体幹、指がヨレていく。
最初の通しで「あ、こりゃ繋がらんわ……」という気持ち一色になっていた。
仲間の励ましを受けつつトライを重ねるも、徐々に体が落ちていく。
結局敗退となった。
まあ、こんなもんだな。というかよくやったほうだな。(スーパーウルトラハイパーミラクル自分に甘い)
次。場所を大きく移動。
仲間が前からやりたい、やらねばという話をしていた下流エリアのガルボ 初/二段へ。
何度か見に来たことがあったけど、自分が触るのは今回が初めて。
ちょっとラーメンでも食べてのんびりするかな、と思いリュックを漁っていると、リュックの外側に小さな虫がついていた。何の虫だろう……?
小指の爪の1/5ほどのサイズしかなかったけど、マダニじゃないのかこいつ。
フタトゲチマダニの未吸血幼虫?
やっぱフクベにもダニはいるんだなあ……笹原はマジで気が抜けねえ。
ダニを見つけたことを伝えたら、仲間のテンションがグッと下がった。
ガルボ 初/二段の話に戻る。
一手目、二手目が全然決まらない。足が高い、悪い。
負荷を下げるムーブが思いつかない。
G4の岩のガビガビで削られた指皮がさらに削られていく。
何度かトライしてみるものの、全く希望が見えなかった。
途中で離脱。以前探したものの見当たらなかったういもん 二段やういめん 二段のあるほおば岩を探しに、山を散策。
100岩のトポを見て山を登るも……全然見つからない。んあ?なんだこれ。
道の形が当てにならない。考え方を変えて川近くを探そうと川を目指して下っていった。
途中いくつも魅力的な岩があった。
そして無事たどり着いた。(トライ中の人がいたので写真は撮れなかった。)
岩模様といい、魅力的な岩だったのでいずれ触ってみたい。
そのまま下ったらガルボ 初/二段のある岩の右面に出た。
アプローチルート全然違うじゃん!
仲間の元に戻ったら店じまいとなっていた。「誰だよこれを最初にやりたいって言い出したやつは」的な言葉が冗談交じりに飛び交う。
うーん……若干登り足りない……けど、近くで触るものがないし、時間も厳しい。
早々に帰宅の途に着いた。
もう少しボルダー向けに自分を整えてから……とか言っていても進歩がない。
体が追いつかなくても、先に心だけでも整えていかないとなあ。