まえがき
週末の天気はチョット悪目に見えるけどまあなんとかなりそうだ。さてリード仲間などなどに声をかけてみようかな、どこに行こうかなと思っていたら先にボルダー仲間から連絡が来た。
土曜に豊田の岩場に行くという。
すぐにOKの返事をした。
その後でリード仲間から週末岩行きます?と聞かれて「日曜なら」と答えて、連登決定。
豊田の岩場は指皮をガンガン削っていくのでどうやってそれを抑えるか……とか考えていた。
集合時間は5時集合……よりもほんの少し早くなっていた。なんで!?さらに早くなるの!?とか思ったら参加者を拾うためだった。
少しホッとした。このままじわじわと集合時間が早まっていくのかと思ったくらいだ。
仲間曰く、今日は大楠林道エリアに行くのだという。
もちろん行ったことがない。
順調に車は進み、7時前には駐車スペースに着き、最初の岩の前にたどり着いたのは7時半前くらいだった。
早い。でもそこまで冷え込んでおらず、気温は6℃。まあ登れる気温。
結果的には、この日はこの早く来たことが良かった。
あすなろ f
すらっと一本の線が上に伸びた、美しい課題。
最初写真を見せられた時はフィンガージャム課題かな?とか思ったけれど指は全然入らない、サイドカチなフェース課題だった。そして足はやはり良くない。
悪目のフットスタンスを踏む技量、バランス感覚だけでなく、指の力も必要となる、見た目の美しさと要求されるものがしっかりとマッチした好課題だった。
仲間から「これあなたがやりたかった課題でしょ?」とか言われまくったのだけれど記憶ございません。
本当に言った覚えがない。マジで。
他の仲間はすでに触ったことがあるとのことで、自分が先行して触る。
最初は手順足順に悩んだけれど、実際壁に取り付けば「これしかないなー」という感じになってすぐに定まった。下部は。
しかし上部というか中間部から上に行けない。下部はたいして指の力がいらないのだけれど、中間部からグッと指力が必要になっていく。そしてスタンスも悪くなっていく。
あるトライで落ちた後、左手の人差し指から血が出ているのに気づいた。
猫パンでもしたか?と思ったけどどうやら爪の横から出血したらしい。
自分は巻爪な傾向があるので、強く握り込みすぎると爪の横から血が出ることがある。
このブログを書いている最中も、まだ左手の人差し指がジンジンする。指皮がない、というわけじゃない。どうやら強く圧迫しすぎて痣みたいな状態になっているのだろう。
やれやれ。
血が出てしばらくしてから全然進めなくなった。足に乗れてない。
どこがヨレているのかわからないけれど、とにかくダメ。
そこらへんで気持ちが途切れ始めて、3時間弱で終了となった。敗退。
これをこなすにはあらゆるレベルが足りない気がする。
出直して参れ。
夜桜の岩を登った
一度沢筋に降りて、また登り返して三竹エリアへ。
夜桜 eという課題を触ってみる。
仲間が教えてくれたスタートで取り付き、1回目か2回目のトライでは上部のリップ取りの足が悪くて不十分な保持となり、落ちた。
しっかりと休みを入れて3回目くらいのトライで登れた。
その前のトライで仲間がマントルで激落ちして足首を痛めていたので、結構慎重になったり。
自分にとってほどよい感じでなかなか楽しい課題だったなーと思っていたのだが、帰りの車内でInstagramをやっている仲間のクライマー二人がウンウン唸っていた。
「他の人の登攀動画を調べたらどうも使ってはいけないホールドを使っていたようなので、この動画は投稿できない」とか。インスタクライマーは大変だなあ。
それはともかく限定があった、ということらしい。
公式のトポには下記のように記載されている。
夜桜 SD:e カンテを登る
新課題 大楠林道 三竹エリア 4課題 | 豊田の岩場 [オフィシャルブログ]
これは「カンテ以外を使うな」ということっぽい?
自分は右面奥のホールドとか、傾斜内のホールドとか使ってしまってる。確かにカンテじゃないよなこれは……。チョーク付いてるし使った跡あるしで普通に使ってしまった。
これがよく耳にする限定に関するあれこれかーと思った。
いや、これは単純に自分のクライミングセンス、経験、技量などなどが不足しているので見抜けなかっただけか。
カンテと記載があるなら正しくカンテを登れよと、それを見抜いて挑めないようじゃまだまだ甘いよ、と。
かなり初登に近い、第三登という動画では実際使っていない。
でも登る前に動画をチェックするのもどうかと思うしな……。
最近トポ上に於ける登り方グレード等が取りだたされています
豊田のトポでは高グレードを登られる方の場合あまり詳しく書くとクレームを出される方もおられますのでd以上は簡単に書くようにしているのですが誤解も有るようです、自然の岩の場合限定を入れる入れないでグレードが変わってきますので高グレードクライマーの方は登ってみて易しいと思われた場合はもう一度グレードに見合った登りをして見てください。時にはグレードの甘いもの辛い物もあります。
天下峰入り口ボルダー訂正 | 豊田の岩場 [オフィシャルブログ]
書いてあることは理解できるけれど、ライン上にあるものを使って登った結果がグレードではなく、グレードに合わせて登るという妙な逆転現象が起きているようで不自然な気持ちになる。
しかしそれが課題、グレードに囚われた登攀というものなのかもしれないなあ。窮屈な登攀はあまりしたくないぜ。
結局、課題ではなく単に岩を登っただけに終わった。
しかし上記ホールドを使っても十分面白い。たぶん3級とかそれくらい?
ドラミング e
さらに尾根を進んで、すごく見栄えのする弥勒 gという課題のある岩の隣のドラミング eという課題を触ってみる。
その前に昼飯。
この和風だしカレー飯、しゃばしゃばしてるけど美味い。
最初触った時はスタートが全然出来なかったけれど、狭いスタンスで左右に体を逃さなかったら比較的楽に立ち上がれることに気づいた。
左のカンテが見えないのが厄介だけれどフリクションがいいのでしっかり手の平で押さえれば止まる。
仲間の一部は「もう指皮がない」と悲鳴を上げていた。自分は特に問題なし。
自分が特別指皮が豊富というわけでもないと思うので、仲間の指皮が育ってないだけだと思う。もっと育ててどうぞ。
さて、カンテの次、リップ取りまでどう体を上げよう……。
といったところで雨がかなり降り始めた。13時前くらいだったか。
それまでも時折パラパラはしていたのだけれど、遮るものがないところは完全に濡れきるくらいに降ってきた。
天気予報にはなかった大雨。こりゃもう無理だなと下山した。
仲間の一人は兄貴 eという課題がやりたかったらしく、また完登済みの仲間はマントル時に限定らしい右端のガバを使ってしまっていたとかで一緒にやろうとしていたのだけどあまりにも雨が酷いし、終了の空気が漂ったので帰ることとなった。
帰る
帰りの高速は風が強くてビビった。
お前に夜は雪が舞っていた。そんなに強い寒気が来ているとは……。
振り返り
おしまい