ムイ

もはやクライミング日記

2020/02/29 曇天雨天潤う日@フクベボルダー

気温の上がらない曇り空。午後からは雨。

フクベボルダーで外岩ボルダリングを楽しんできた。

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今週末は天気の都合やら別用やらで外岩に行く十分な時間を作るのが難しいかな……と思っていたのだけれど。

天気予報がややマシになったらしく、前日にいつもの仲間から外岩のお誘いが来た。

答えはイエスしかない。

 

最近は恵那笠置山が続いていたので今回もそうかな?と思ってたら、フクベに行くという。

久しぶりな感じがしたので思い返してみると、今年に入って初のフクベボルダーだった。

因縁の枕 初段を完登して、自分の中では少し一段落した感じのあった岩場。次は何を触ろうか……思いを馳せた。

 

まあ、基本、有名課題から触っていくべきだよね。

ということで参加者全員が未完登な名課題、バックドロップ 1級から挑むことに。上流山エリアへ。

 

さっそくみんながバックドロップに取り掛かる中、自分はのっそりとアップを開始。

カチロックの6級のリップトラバースを登り。

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続いて、カンテの4級に挑んだ。

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んあ?これ油断できないぞ。アップだからと舐めてかかる余裕がない。

これを一人で登れずして1級課題に挑むわけにはいかない!と自分に言い聞かせ、スタンス、手の送りをじっくりと考えた。数回のトライの後、完登。

やっぱり全部自分でこなすクライミングは最高やな!

 

30分ほど遅れて、バックドロップ 1級のセッションに参戦した。

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かなり辛めの1級と聞いていて、しかも名前が「バックドロップ」ということもあり、心の弱い自分には厳しい課題だろうなあ、たぶん核心ムーブが決まらないんじゃないだろうか……などと弱気でいたのだけれど。

核心部のバックドロップ動作での右手送りが比較的早く決まるようになった。再現性もそんなに悪くない。

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こりゃワンチャンあるか……?にわかにテンションが上がる。

 

しかし、本当の核心は上部だったのかもしれない。ヒールで挟み込んだ後の手の送りが悩ましい。パワーと繊細さの両方が求められている感じがした。

途中からバラして試行錯誤しにくいのも辛い。

 

日差しが全くなく、気温は5℃前後のまま。

ライミングシューズを履いたままだと足先が冷えて固くこわばる。そのまま靴を履き直しても全く血が通わないので、適度に歩きまわったり足踏みしたりして足先を温めた。

 

11時頃になって雨がパラつき始めた。予報では15時頃からだったのに……。

最後にバックドロップ的な落下をキメて敗退した。

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やりごたえがあり、とても面白い課題だった。

可能性も見えたし、フクベボルダーでの次の狙いはこれに決定だな。

また挑むのが楽しみだ。

 

雨脚が強くなってきて、下流エリアのマッスル岩へ大移動。

あの岩は小雨の中でも登れた記憶があったのだ。

kuramiya2.hatenablog.com

 

下流に移動すると雨は降っていなかった。気温も2℃ほど上がった。

谷の奥に行くほど、高度を上げるほど雨量が多い。渓谷環境の常識だろうか。

 

挑むのは、夏の日 初段+

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スタート足付近は染み出しがすごいが、それ以外は問題なし。

 

登る前にお昼を食べて、さて、やる……ぞ……。

眠い。だるい。「もう岩とかいいんじゃね?」と体が訴えかけてきてた。

どうやら思ったよりバックドロップで消耗したらしい。

 

「岩がどうでもいいわけあるかYO!」とダウンを脱ぎ捨てて、気合を入れて触り始めた。

過去に触ったときの記憶は脳内の遥か彼方で塵となっていたので仲間のムーブを参考に一から取り組み始める。

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以前苦労してたところまではあっさりと手を進めることができた。ほんの少し成長を感じる。

しかし、その後の遠い足送り、見えにくい側面へのヒール掛けが難しい。

仲間が何度もやってもなかなか成功しないリップ取りは試すことすらできなかった。敗退。

自分にとってこれはちょっと先が長い、長すぎる課題だった。

 

14時頃から下流エリアでも雨が降り始めた。パラパラどころではなく、本降り。

ガルボ 初/二段を触りたかったのに……と悩みながら、車の中で少し待機。携帯の電波が入る場所で、雨雲レーダーの動きを見たら30分後には雨が止むという。

時間がもったいないので、雨の中マットを背負わず岩の偵察に向かった。

 

ガルボ 初/二段のアプローチを再確認(以前行ったときはめちゃくちゃ辛いイメージだったけれど、3分ほどしかかからなかった)し、岩の状態などを見た後、周りにある他の岩も見て回ることにした。

電波が入らなくても関係ないね。しっかりスマホにダウロードしておいたトポ情報、開拓情報が唸るぜ!

 

山に入ってすぐにある初段x2、3級x1、7級x1のあるフリードロック

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でかい!課題が無数。でもまだまだ開拓の余地がありそうなシエの岩。

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他の岩を探し回っているうちに雨が小ぶりになってきたので、車に戻り一番近いフリードロックを触ることにした。ガルボはまた晴れた日に。

 

ランジ一発!なラプター 初段

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一手で初段というだけあって、スタンスの位置決めが難しい。下手な動きをすると盛大に擦りそうで、最初は全然動けなかった。(仲間の一人が悶絶していた)

撤収間際にもう一回やったら、ほんの少し可能性があったような気が……。

 

とりあえず、この岩の基本課題っぽいバースター 3級に挑戦。

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一度ムーブを間違えて失敗、二回目で完登。良い課題だった。

 

仲間の熟練クライマーが触って早々に諦めたケツデッド 初段も触ってみたものの……こんなん持てるわけないだろいいかげんにしろ。敗退。

(後々ちゃんと開拓情報を見てみたらスタートが間違っていた)

 

岩に取り付いて30分も立たないうちに再び雨が本降りに。これは予報通りの雨。

濡れたマットを抱えて、足を滑らせながら撤収した。

 

大した成果もなかったものの、色々勉強になった気がする。

最近「次は何をどうやって鍛えて強くなろうか」と考えることが増えた。

当面の目的は左手薬指の完全回復だけれど、その次の具体的なプランがない。

何が足りていなくて、何を鍛えれば良いのか。「全て足りてないので全て鍛えましょう」はあまりにも漠然としていて、何も決めていないのと同じだ。

目標があってからこそ、そこに至るためのルートがある。明確な目標ほどルートが絞りやすい。でも明確すぎて近すぎると偏りが生じる。

最近聞いたトレーニングに関する話によると「適切な目標設定はそれ自体が一つの高度な技術」だそうだ。漠然で遠大すぎず、身近で矮小すぎない、高効率な成長を実現できる目標設定は確かに難しい。

「外岩の二段を登りたい」は漠然としている。「〇〇という二段を登りたい」は通い詰める方向性になりそうで、少し近視眼的すぎる。

もっと、自分に何が足りないのかを知らないといけない。そのためには、もっと強烈な敗北体験が必要なんだろうなあ。安易な成功体験よりも今はそれが大切なはず。

 

……なんてことを考えつつ、家に帰って一息ついていたら。

ふと今日が閏日ということに気づいた。

4年に1度しかない貴重な2月の29日。

Wikipediaによると、閏(うるう)という読み方の由来は下記の通り。

“うるう”という読みは、閏と潤を混同して“うるおう”という読みがなまったものだという。 

雨に濡れても不思議はなかったわけだな。

 

4年後はどんなクライミングをしているんだろうか……。