ムイ

もはやクライミング日記

2023/09/18 初めての名張・香落渓の岩場

 

まえがき

前日、椿岩で疲弊ボロボロクライミングをしている最中に「明日どこかクライミングに行きませんか?」という連絡が仲間からあった。

特に予定もなかったので、「今日ひどく疲労しなかったら行きます」と返信。

さて、どこに行きます?という質問に帰ってきたのが「名張とかどうです?」だった。

 

……名張名張かぁ……。

行ったことがない、クラック、ワイドなど国内有数のトラッドクライミングの岩場であること、家からそれほど遠くはないこと、ナバラーと言われるほど通い詰める人達がいること、渡渉が必要であること、昔は飛び石で渡れたけれど最近は岩が動いたりして飛び石は難しいのでウェーダーがあったほうが良いこと……などなどは知っていた。

ただ知ってるだけー。

 

でもいつかは行ってみたいということを口にしていたいので、仲間がその意図を意図を汲んでくれたのかもしれない。

しかし最近の雨模様からして水量はそこそこありそうだし渡渉は面倒そうなので「渡渉がなければ行きます」と返事をしたが、仲間いわく渡渉には苦労しない、ということだったので行くのを決心した。

 

余談だけれど自分は香落渓を当日のアプローチの前までコウラクキョウって読んでた。

カオチダニだったとは。

 

渡渉でパンツが濡れる、でも平気だ

駐車スペースに着いたのは9時頃だったと思う。

取り決めどおりに車にタオルを巻いたりして河原に降りて渡渉ポイントを探すがどうにもどこも厳しそう。

とりあえず膝下だけでどうにかなりそうではなかったのでズボンを脱いだ。

 

仲間は降りてすぐの岩の多くあるところを渡ったけれど、自分はちょっと下流の穏やかそうなところを渡った。

しかし最後が深く、パンツまで濡れた。

あーあ。

でもそれほど不快感がない。

たぶんこの夏に経験した沢登りのおかげだと思う。汚水耐性とまでいかなくとも、川の水に濡れることに対する鈍感さが身についたらしい。

まさかこんなことで役に立つとは思わなかったわ。

 

サニーサイドエリアへ

渡ってすぐ急斜面を登る。意外ときつい。10分弱登って岩場、サニーサイドエリアに到着。

初心者向けのルートが多いらしい、ということで来たことのある仲間にエリアを選んでもらった。

 

荷物を広げて少し休憩して、テーピングを巻いたりして。

一番簡単そうなルートに取り付いた。

 

むらさめ 5.9

いきなりリードをする実力はないので、仲間にお願いしてトップロープを張ってもらった。

うーん、最近トップロープに甘えることが多い。反省したい。

しかしせめてトラッドの5.10aくらいはいくつもリードで登った、くらいになってからオンサイトトライをリードで挑戦するようにしたいのだけれど……ダメか?志が低いか?

まあいいだろ(適当)。

 

1本目(トップロープ

このルート、取り付くまでがちょっと怖い。

フィックスロープでトラバースするのだけれど、足元がぐちゃぐちゃだったりで恐ろしい。

それを終えてからようやく取り付き。

 

わずかに湿気っていて汚れていて、ハンドジャムの効きが悪いような……いやでもこの立地だといつでもこれくらいな気がする。

 

ところどころにガバがあるので助かる。

上部のクラックが2本になって、細くなったあたりで足をうまく処理できずにテンション。

その後トップアウトして、ロワーダウン時に問題の部分をもう一回やらせてもらった。

 

ちょっと自信ないなあ。

 

2本目(リード)

ビビってんじゃねーよ。もう一回トップロープでなんて時間がもったいねーよ機会の無駄だ。と思ってリードで行くことにした。

#0.4~#2までを2本ずつ、過剰なギアで取り付く。

 

慎重にやりすぎた、と思う。

カムを入れすぎたり、カムを入れる時にいちいち細かく確認して入れ直して(しかも大して変わらない)、そんなことをしていたらめちゃくちゃヨレた。

最後はがむしゃら気味にカムを入れて完登。

 

降りる最中にカムを確認したら上部で雑に入れたやつは微妙だったり。

スピード大切だな。最初に慎重になりすぎてヨレて上が雑になるのはよろしくない。

反省点、学びの多い登りだった。

 

この前くらいにザッと雨が降ったけれど、すぐにやんだ。

たぶん一日中こんな感じの天気なんだろうなあと思ってた。

……実際は違ったが。

 

疲れ

仲間がジュマンジ 5.10aのリード完登するのを眺めながら、体を横にしていた。

だるーい。

昨日の疲れがあるらしい。

もうあと1本登ったらおしまいって感じかなーなどと思いながら栄養剤を飲んで、次のルートに取り組んでみることにした。

 

くのいち 5.9

むらさめ 5.9の右側にある凹角で上部がやや広いルート。

これもトップロープで。

下部はハンド、フィストでグイグイ進める。左側にステミングができるのも心強い。

ワイドなムーブが出てくるのは後半。

自分は右半身を入れて、左足ステミング、左手をプッシュ、そして右足は内転させて膝とかかと、右肩の後ろを右手の手のひらで押しつけて(これ、何ていうムーブなんだ?アーム何?)進んだ。

最初は絶望的に感じてテンションを掛けたけど、もう一度取り組むと進む進む。

というかこれは左側のステミングのおかげだな。これがないと推進力も出せず、体のキープもできなかったと思う。

楽しかった。

いつかリードしたいと思うけど、カム入れながらこんなムーブできるのか……?

全然想像できない。

 

雨、大雨、撤退

自分がくのいちを登り終えたタイミングあたりから大粒の雨が降り注ぎ始めた。

たぶん通り雨ですぐ止むだろうと思ったら、全然止まない。

雨足は強く、木の下でも濡れていないところがないくらいになった。

 

仲間がむらさめ 5.9のリードしている中、手の空いている自分は荷物が濡れないようにまとめに行ったりした。

 

戻ってくると、残念なことにガバなどが濡れすぎてRPすることはできなかったらしい。

その上、トップロープ支点に使っていた安全環付きカラビナが回らないとか。さらにはこの豪雨の中どうやって右のくのいち 5.9トップロープ支点を回収するか……などなどいろいろトラブルがあったけれど、なんとか無事に終えることができた。

たぶん15時半くらいに荷物をまとめて下山。

 

だが核心はまだ残っている。

渡渉だ。

雨の影響で水位が猛烈に上がってるかも……とか心配したけれど、そういうわけでもなかった。

ただしわずかに上がっていた気がする。

 

このままだとドンドン水位が上がるので渡渉開始……失敗!

足を滑らせて、腰まで浸かった。あーあ。

 

この岩だらけの場所は自分には辛そうなのでまた少し下流まで降りて渡渉を始めた。

そこでも足を滑らせて、腰まで浸かり、その上靴が濡れた。

あーあーあ。

 

まあ、無事に戻れて良かった。

着替えて、しかし靴はずぶ濡れのまま帰宅。

 

雨や泥や渡渉で濡れたり汚れたりしたギアや服など後片付けが面倒なり。

ちょっと晴れた日が続いて、カラカラに乾かしてくれればいいのだけれど……そういう感じでもないんだよなあ。やれやれ。

 

振り返り

楽しい岩場だった。

また来たいが、やはり渡渉が面倒。

ウェーダー……うーん、ウェーダー買うほどかなぁ?

トラッドばかりじゃなくてスポートルートにも取り組まなくちゃ。あとボルダーも。

やることが多くて目眩がしそう。

 

ビール、じゃなかったエールでごまかすぜ。

 

おしまい