今までいくつか、WORKMAN(ワークマン)の商品を買ってはクライミング(ボルダリング、ロープクライミング)で試してきた。
ある程度数が揃ってきたので、ここで使い勝手など紹介してみようと思う。
クライミングパンツ
AERO STRECHクライミングパンツ
CS003C AERO STRETCH(エアロストレッチ)クライミングパンツ | 作業着のワークマン公式オンラインストア
かなり使いやすい。
ストレッチ性が半端ない。少なくとも開脚に支障が出る、膝で引っかかるといったことは起きたことがない。
通気性もよく、快適。
作業着にありがちな大量のポケットなども少なく、ハーネスを付けるのに邪魔にならないのも良い。
今年のモデルから防虫加工というものが出たけれど、正直実感はない。虫除けスプレーを忘れない限り、効果を感じる機会はないと思われる。
やや細身なので、太ももが太い人はきついかもしれない。
これにかなり近いものとしては、mont-bellのクリフライトパンツがある。
ワークマンのものはmont-bellのものに比べて、クライミングベルトがないこと、足首の縛り機能がないことに加えて、生地の耐久性が弱く、汚れやすい。
耐久性に関しては50%くらいだろうか。
しかし使い勝手に関してはほとんど差がない。
クライミングパンツとしては最安を誇るmont-bellのものよりも、1/3以下の値段という驚異のコストパフォーマンス。
「今使っているズボンがあちこち引っかかって不満!有名ブランドのクライミングパンツは高い!不満のない性能があればそれでいい!」っていう人にはぜひオススメしたい。
DIAMAGIC DIRECTクライミングパンツ
CS005A DIAMAGIC DIRECT(ディアマジックダイレクト)クライミングパンツ | 作業着のワークマン公式オンラインストア
究極のクライミングパンツ!と謳っているがクライミング用途としては上で紹介したAERO STRECHクライミングパンツに劣る。
ポケットが多くてやや邪魔。
生地の撥水機能はすぐなくなる。洗濯50回の前、20回くらいで消失したような気がする。
クライミングベルトがついているのでベルト不要!と思いきや、このベルト、胴回りを1周していない。背中側はゴム生地で締め付ける形になっている。
このゴム生地の締付けが弱く、そのためにせっかくのクライミングベルトの効果が弱い。邪魔なので自分はベルトを切ってしまった。かわりに普通のベルトを付けているのだけれど、ベルト穴が少なく落ち着かない。
ショートパンツにもなる2WAY機能だけれど、これは河原の岩場の際の渡渉で役に立った。それ以外では使えたことがない。
普段からハーフパンツで登っていて、アプローチ時は虫除けなどで長ズボンで、みたいな人ならもっと活用できるのかもしれない。
値段の割に機能がクライミングであまり役に立たず、中途半端感があり自分としては微妙な一品。
AERO STRETCHウォームスラックス
HP009 AERO STRETCH(エアロストレッチ)ウォームスラックス | 作業着のワークマン公式オンラインストア
秋冬用のクライミングパンツ。
スラックスとあるが、いらないゴテゴテとしたものが着いておらず、細身で伸縮性抜群。ハーネスなどとも干渉するものがないので使いやすい。
ワークマンの防寒パンツの中では保温性がそれほど高い方ではないが、これの下にタイツを履けば5℃以下でも余裕で登ることができる。
防寒性を考慮するなら、これよりも新製品の下記のほうが良さそう。(すぐ売り切れていた)
HP013 AERO STRETCH(エアロストレッチ) ウォームクライミングパンツ | 作業着のワークマン公式オンラインストア
AERO STRETCHクライミングパンツ(秋冬向け)
HP001D AERO STRETCH (エアロストレッチ)クライミングパンツ(秋冬向け) | 作業着のワークマン公式オンラインストア
中綿入りのストレッチ性のあるクライミングパンツ。
分厚目だけど軽量で、いらないものも着いておらず使いやすい。
防風性も高く、これなら3℃以下の環境でも問題なし!
ただ、保温性が高い一方で、透湿性があまりないのが欠点。
アプローチなどで汗をかくと、その湿気がなかなか抜けない。
アプローチの遠い岩場や、運動量の多いクライミングシーンではオススメしない。
意外と嬉しいのが静電抑制加工で、素材や肌触りから「こいつ絶対静電気バリバリ来るだろ……」という印象の割りにほとんど静電気が発生しない。
乾燥した冬の岩場で、スタート時にズボンとマットこすれることで起こる岩への放電などが起きないのはワンポイント。
シャツ
ICE ARMOUR長袖ミドルネック
1193 ICE ARMOUR(アイス アーマー)長袖ミドルネック | 作業着のワークマン公式オンラインストア
もともとは地元の祭りで神輿を担ぐ際に着るために購入した長袖シャツ。
(祭りでは白い下着を着るのが基本で、都合の良いものが手持ちになかった)
体にピッタリフィットして、異様なほど冷える。何だこの冷え方。ハッカ水をスプレーされた感じ。
フィットしすぎて透けそうになったり乳首が浮きそうになるので、上からTシャツを着るとちょうどよい。
春夏秋でTシャツを着つつも肘を保護したい場合などには良いと思う。
フットウェア
ケベック防寒ブーツ
現在、オンライショップで取扱なし。
中綿入りの防寒ブーツ。
冬場の岩場で足先を冷やさない上で最適な選択肢。
同じようなコンセプトの防寒ブーツは本格的なアウトドアブランドからも発売されている。それらが10000円前後する中、1900円の圧倒的な安さ。
欠点は、アウトドアブランドのものと比べて、靴底が柔らかいこと。岩場でのアプローチにはあまり向いていない。
昨年の秋冬はキャンプブームもあり、この系統のブーツが大人気だったためかワークマンでもかなり早めに売り切れていた。
現在オンラインショップで取り扱いがないけれど、人気があるので今年の秋冬には再びラインナップされると思う。
激しいアプローチを必要とするケースを除いては、十分な性能だと思う。
防寒EVAノルディックブーツ
BB732 防寒EVAノルディックブーツ | 作業着のワークマン公式オンラインストア
上記のケベックが中綿式な一方で、これは裏ボアタイプのブーツ。
防寒性能は中綿式よりもやや落ちる。
これもケベック同様に靴底が柔らかい。
値段はケベックよりも700円安いけれど、それをケチるよりも上記のケベックを買ったほうが良い。
健さん作業靴Ⅱ
K1007W 建さん作業靴Ⅱ | 作業着のワークマン公式オンラインストア
室内用の作業靴。上履き。
グリップ力が非常に良く、行きつけのリードジムであるKO-WALL滋賀リード店ではこれが一番人気のビレイ用シューズとなっている。
ジム併設のショップでも売っている。
ぺしゃんこにできて、かさばらないのも良い。
使っている人が多すぎて名前を書いておかないと間違うことがあったり。
店長も愛用しており、5.10台前半はこれで登っていたりする。
マウンテンパイル安全靴用靴下
19813 マウンテンパイル安全靴用靴下 2足組 | 作業着のワークマン公式オンラインストア
購入したのはちょっと違う商品名のものだった気がするけど……たぶんこれが一番近い。
登山用途でも使用可能な厚手の靴下。冬の岩場でのオーバーソックスとして購入した。
防寒用靴下としてはワークマンにはHEAT-ASSISTという吸湿発熱繊維のアクリルを使った製品群があるけど、アクリルは汗の発散が良くないので買わなかった。
吸湿発熱機能がなくても十分温かく、通気性も良い。
春過ぎの虫の多そうなアプローチなどでも使うことができた。
ちなみにワークマンには登山服下着でよく使用されるメリノウールの靴下がある。
17115 メリノウールソックスショートソックス1足 | 作業着のワークマン公式オンラインストア
残念なことに、ショートソックスで長靴下がない。
これの長靴下モデルがあったら迷わず買ったのになあ。
その他
パームフレックスグローブ
2056/2057 パームフレックスグローブ 1双 | 作業着のワークマン公式オンラインストア
羊革の作業用手袋。800円弱。
手の甲の面がメリヤスになっており、通気性が良い。
ビレイグローブとして使用している。
登山メーカーの作るビレイグローブは通常モデルで山羊革、最高級モデルでは牛革が使われている傾向があるみたいだけれど、羊革でも特に問題ない。
ワークマンでも山羊革、牛革の作業用手袋はあるものの、通気性の良い構造のものは見当たらず、これを使っている。
もともとはmont-bellのビレイグローブを使っていたのだけれど、通気性があまり良くなく汗や雨を吸って臭くなってしまった。
正直、満足度はワークマンのもののほうが高い。
カラビナに通して持ち運びしやすくするために、メリヤスに適当に鋏で穴を開けているけれど、そこから布地が解けるような気配が一切ない。頑丈。
「素手のビレイは嫌だけど、グローブなんかに金をかけたくない!」という人にオススメ。
追記。
9ヶ月ほど使ったところ、制動手(右手)の親指と人差指の間がほつれ、穴が空き始めた。
週10~15回ほどのペースでビレイしてたので、400回くらいの耐久性はあるということになる。
ナイロン制電ベルト
3123 ナイロン制電バックルベルト | 作業着のワークマン公式オンラインストア
冬の岩場や冬場のロープワーク時の静電気対策で購入。
軽くて邪魔にならず、ナイロンバックルなのでお腹にあたってヒヤッとすることもない。
これで静電気を抑えられたかどうかは正直よくわからないけれど、少しマシになった気がする。
余談:ワークマンはあなたにとって本当にコスパが良いのか?
大躍進を遂げてワークマンプラスなんて若者、スポーツユース店を展開をし始めたワークマン。
でも、本来はブルーカラーな人向けの店舗で、基本的に国道沿いに店舗が多い。
在庫を持っておらず、店舗で売り切れたらそれでおしまい、ということも多々。オンラインショップでの品切れも当たり前。
片田舎に住んでいる自分の場合、ワークマンは車で10分もかからない。
一方、東京都心で見るとこんな感じだ。
……都心部には一切ない。
一度東京に行った友人が自分のところにに来た際、何かのタイミングでワークマンの話になり、「東京ではワークマンに行きにくい」という話を聞いた。
近所にない上、車でないとアクセスできない店舗が多い、と。
そんな環境の中、交通費に1000円ほどかけて「コスパが高い」と言われている服を買いに行くのか?送料に1000円弱かけてオンライン購入するのか?という妙に本末転倒な話になる。
正直、ワークマンのものは何かのついでに店に寄ったらサイズがあった!ラッキー!一期一会で購入!くらいの距離感がちょうど良い気がする。