大寒波の名残の強い三連休の終わり。曇り、風あり。時折雪がちらついた日。
大鳥居の岩場でリードクライミングを楽しんできた。
- 前置き
- 四度目の青春 5.10a/b ○
- コブラツイスト 5.10b ○
- 信楽街道 5.10c ○
- ジャングル・ジム 5.10b ○
- 京都の巨匠 5.10b ○
- 杉木よ永遠に 5.10a ○
- 下山、振り返り
前置き
前日、前々日ともに最高気温3℃、最低気温-3℃と大寒波の到来していた3連休。
最終日は最高気温6℃、最低気温-1℃とマシになっており、これならたぶん登れるだろ!大鳥居の岩場は南面になので日が当たれば+10℃されるしこれで勝てる!とか思ってお誘いを掛けた。
集合は8時半な!
「風あまりなし、晴れ→曇り→夜から雪」という天気予報は、気づいたら「朝方風あり、曇り→薄曇り」に変わっていた。
ま、まあ大丈夫でしょう、たぶん。
そして当日朝……布団から出た瞬間、「これはアカンわ……」と悟った。
室内ですら寒すぎる。風も強い。
バカバカ俺のバカ。なんで8時半なんてまだまだ朝の寒さが残っている時間で設定したんだ。
早々に出発準備を終えた後、無理を承知で1時間遅らせたい提案の連絡をした。結果、OK。
……自分もパートナーも30分ほどでたどり着ける岩場で良かった。
地元の岩場を色々登っているパートナーは大鳥居の岩場に来たことがなかったらしく、今回はパートナーの登りたいルートを最優先で、アテンド的に登ることにした。
四度目の青春 5.10a/b ○
大鳥居の岩場の看板課題。まずはこれを登ってもらわねば、ということでパートナーにトライしてもらう。
オンサイトトライは大切だ。決して寒いから後攻で、などと思っていない。
10時の段階での岩場の気温はおそらく1℃弱。風があり、それが堪える。期待していた日差しもない。
ビレイグローブをしていても指先が冷える。
今回の装備はフリースの上からさらに防風フリースを着るというマシマシスタイル。さらにビレイ中休憩中はダウンも羽織る。これで何とかなった。
ただ、指先だけはどうにもならない。
凍える中、パートナーが気合のオンサイト。このコンディションですごい。
これは負けてられないと準備を整える。見習って、マグマをチョークバッグに仕込ませた。
チョークバッグにカイロを仕込むのはよくあることと聞くけれど、やるのは初めてだった。確かに( ・∀・)イイ!!
レスト時に指先が少し熱源に触れるだけで全然違う。これからの真冬シーズン、多用していきたい。
しかしそれでも寒いものは寒い。気合だけで登りきった。
登り終えて11時頃に、風にのって雪がちらつき始めた。マジかよ。
幸いちらつく程度で収まったけれど、風は一日中吹き続けた。
コブラツイスト 5.10b ○
過去に登ったことがあるけれど、完登したかどうか覚えていないルート。
(ブログを見返してみると、どうやら未完登だったらしい。)
下部のフェース面をボルトに沿って直登する方法を模索するも、難しい。
できないってこともなさそうなんだけどな……とりあえず正規ルートっぽい左から回り込む方法で解決、完登。
信楽街道 5.10c ○
大鳥居の岩場の看板課題、その2。
スラブを抜けてガバクラックからの大きなムーブ、マントルx2と楽しさ満点。
パートナーはこれをオンサイトし、RPグレードを更新していた。すごい。
こりゃ無様な登りはできないなと気合を入れて挑む。
スラブは比較的スイスイ進んだ。前よりもスラブへの足置きが安定している気がする。
後半はレスト短めに大きく体を動かして解決。完登。
以前はいくつかの終了点には残置カラビナがなく、ラッペルリングなどで結び替えして降りる必要があったのだけれど。
気づいたらどの終了点にも残置カラビナが用意されていた。
ちょうど12時になったので、昼飯を食べた。
午後から少し風が収まり、やや日差しが当たり始めたので触ったことのないブラインド・タッチ 5.11cを触ってみようかと思ったけれど。
ま、いいかーと完全にアテンド、エンクラメインに切り替えてしまった。
ジャングル・ジム 5.10b ○
昔登ったときは右側、直登気味に登ったような気がするけれど。
どうにもムーブが見つかりそうにないので左側から登りきってしまった。
このルートは終了点がやっかいで、小さなアイボルトが2本あるのみ。短いクイックドローだと岩のエッジにロープが擦れる。結び替えも難しい。
なので、この後に京都の巨匠 5.10bを登ることにして、そのロワーダウン時に終了点の残置を回収することにした。
京都の巨匠 5.10b ○
これは登ったかどうか、記憶がないルート。
(ブログを見返してみると、大敗退を喫していた。)
多分こうすると流れが良くなるだろと思い、60cmのアルパインスリングなどをパートナーに持たせた。
ビレイを下からやるとクライマーが全く見えなくなるけれど、斜めになっている岩の上からやると見えるようになる。リングボルトにセルフビレイと取ってビレイを行った。
途中、枯れ木の中間あたりに120cmくらいで支点を作っておくと、岩棚からの転落時のリスクを減らせるし、岩に擦らなくてさらに流れが良くなった。
後半の抜けあたりが核心。以前はここで敗退していたらしい。
しかし落ち着いて挑むとなんてことはなかった。
完登。
ロープは50mでロワーダウンして3m残るくらい。
途中のトラバースやガバガバゾーンなど、マルチピッチ感があって面白い。
杉木よ永遠に 5.10a ○
締め、クールダウンの一本。
パートナーが2ピン目をかける手前で、レイバック気味にきめていた足を滑らせてフォール。危うく岩棚にぶつかるところだった。
……やや張り気味にしておいてよかった……。
このルートは下部のレイバック部が核心なのが、なかなか嫌らしい感じだ。
何度も登っているので、それほど苦労もなく完登。
杉木を折り返してロワーダウンした。
下山、振り返り
時刻は16時。もう少し登る余力があったけれど、冷え込んできたので下山することにした。
結局、始終低グレードでエンクラな一日となった。
しかし、思わぬ回収やリベンジができていたので良かったかな。
この岩場に行く前日の夜、YouTubeでオススメされたこの動画を何気なく見たところ、結構ためになった。
内容は少しずれているけれど、自分的には「ホールドをしっかり持て。しっかり持つには、持つ意識を心がけろ。そのためにはしっかり見て持つところから。」というのが参考になった。
フットホールドはよく見る一方で、手で持つホールドは保持するときにあまり見ていないことがある、というのは確かに盲点だった。
力を抜いて、指先の感覚だけで保持できているかできていないかを探ることが多い。それだと本来必要な力が抜けて、感覚だけに頼ることになる。感覚次第では悪い印象が植え付けられたまま進行してしまうこともあったり。
自信のないホールディングほど、しっかり見ることが大切。
確かに「まあ持ててるだろ……」ぐらいの保持をマジマジと見つめることで、「確かに保持しているな」という自信が出た。
自分みたいなビビリで心の弱さが出やすい人ほど有効な気がした。
この岩場の5.10台はすべて登ったので、次はブラインド・タッチ 5.11c、そして匠の技 5.12aに挑んでみたい。
天気の良い日を狙って、また来るぞ。